呆れた議員達の行状

地方議会の実態から日本を見る

風力発電と蠢く町政(56)

        ドローン・ドローン

 コロナ禍対策たけなわである。ZOO会議もたけなわである。町設塾「じゅうく」も三密を回避する目的でZOOM授業を配信しているとか。何と今の「じゅうく」講師には、韓国語や文学について配信できる、知識、技能の持ち主もいるとかである。尤もこれは、高校生が自宅待機を余儀なくされたゴールデンウイークまでの暇対策だったらしい。今の「じゅうく」はどうなっているのだろう。訪ねて行けばZOOM 授業を参観(視聴?させてくれると、高橋沙紀新塾長が、私に快く言ってくれているのだが、肝心の人材育成センターの武田次長(室長の下、山脇室長は教育長に就任し、現在は室長は空席)とは、韓国語や文学の配信の話が全く通じなかったので、驚いた。ケーブルテレビの取材放送を見たのに取材された側が知らないなんて、人材育成センターってかなり人材が手薄感ありありなのでは!!!今後が、実に思いやられる。今までに、私の目から見て有能さと意欲が感じられた職員(中学の社会科教員免許を持つ嘱託職員)と前塾長(北海道出身で中学の英語教員免許を持つ)が辞めて行った経緯はこんなとこに潜んでいるんでは、と思わずにはいられない。やる気のある専門職とやる気のないばかりが、専門知に欠ける(自助努力の痕跡が見られない)一般行政職上司の実に不幸な組みあわせである。さて、ここの室長上がりの山脇光章氏が、一挙に川上哲夫教育長の後任に抜擢されたが、この人事が、中尾町政における人事の出鱈目さの生きた証とならないことを、今後に及んでは、祈るばかりである。

 コロナ禍対策たけなわなので、図書館協議会もいつもと違って東庁舎の多目的ホールで開催された。長方形型に設置された机には委員5名と事務局(竹内副館長、林館長、西尾主管)、山脇教育長、浜田次長という布陣であった。その後ろに、二列に控えているのが、全員女性である、図書館現場職の、会計年度任用職員5名となぜか一人だけ生涯学習課正規職員であった。この人は、自己紹介によれば、生涯学習課(本庁)と図書館の半々勤務だそうである。率直に言って、実に不可思議な配置である。図書館に常駐する副館長が別にいるのである。さらにその後ろが、机二つを一列に並べた傍聴席であった。勿論、ソーシャルデイスタンスは、コロナ禍対策には必要不可欠である。がそれにしても、過剰に仰々しい。傍聴席から発言が聞き取れるか、と心配になった位、傍聴席は、出席者からは遠かったのである。事務局(林課長と西尾主管)の背後に控えているのが女性陣6名である。なんか大奥めいている。教育長、次長、課長、主幹は全員男性で、唯一女性の新任副館長武内氏は、小さな声で実に控えめに振舞っている。令和2年度第1回の会合と言う事で、教育長から委員への委嘱状の交付から始まり、全員の自己紹介と会長副会長の互選を経て、やっと会議が始まった。ここで私には一つのハプニングがあった。30数年間会長職であった、林一勝氏が「やっと」退任して、その後任が武内文治氏であり、竹内氏が新会長になるのが既定路線かなと思いきや、移住者である金子委員が、今までの発言内容から適任だと感じた、という実に素直な理由で竹村委員を会長に刈谷委員を副会長に推薦したため(共に女性、竹村委員は公募委員、刈谷委員は家庭教育に資するという枠の委員(子育て中))、一挙に流れが作られて、竹村会長、刈谷副会長が決定してしまった。そこで、かっての四万十町の幹部であり、四万十町企画課課長時代には、まちづくり基本条例や議会基本条例制定の裏方を務め上げるほどの実力者、及び定年前に勇退し、四万十公社設立の立役者となったという経歴を誇る武文治内氏があっさり会長職候補から外れてしまったのである。金子委員、刈谷委員、竹村委員、十川小学校から来た岡田委員の4名全員が、恐らく武内氏の経歴を知らないのだ。ここで、私が活気づいたことは言うまでもない。既定路線では先が見越せて全く面白くないからである。それに、「肩書ではなく、委員ならではの経験値としての発言によって選任される。」これは、ひとまず民主的ではないか。

  委員への委嘱上の交付とそれに続く自己紹介が終わってやっと会議本題に入ったら、いきなり副館長の武内氏が会議資料の棒読みを始めたので、「ああ又か」とうんざりしていた。控え目はいいけど、棒読みはうんざりする。議会でもそうだった。事前に質問通告した質疑への答弁が、事前に準備した書面の棒読みに終始したことで(特に清藤総務課長が酷かった)、随分憤慨を覚えたものである。が、その矢先にすかさず、刈谷委員が、「事前に議資料を送ってもらえるようになって、読み込んでから出席できるのでうれしい。」と発言した。つまり、実は読み込んでいなかったのが、作成側の副館長であることが露見した興味深い一瞬であった。あっぱれ刈谷委員である。彼女は高知市の永国寺町にあるNPO法人が運営する「子供の図書館」勤務歴があり、生涯学習課職員などよりよっぽど図書館業務に通じているのだ。それにそもそもの会議資料とは、僅か10ページ足らずの実に粗雑な資料であり、基本的に図書館現場職員によって作成されている。図書館協議会とは、図書館長の諮問機関であり、「館長に対して意見を述べることができる。」と規定されている。が、その提案や意見が、今までどのように図書館行政に反映されて来たかは全く不明である。不明であるので、過去3回分の協議会議事録と会議資料にひとまず目を通すことにした。すると、たちどころに問題点が発覚した。最も古い議事録には発言者が明記されていない。質疑側が「委員」、答弁側が「図書館」と表記されているだけである。次回分は委員名だけ表記であった。説明する側つまり事務局の発言者名がない。発言者が分かるのは、図書館長兼務の生涯学習課課長が出席した時ぐらいである。これではいけない。質問する側が実名で発言し、説明する側が実名で発言しないなというのは、まず公平さに欠けるのではないか。質疑者と応答者は、基本的に対等な関係であり、共に発言内容に責任があるのである。第一、応答者には、当然、業務内容の把握と理解に基づく説明能力が要請される。極論すれば、議事録における発言者名明記を通じた説明能力の要請圧力は、資質、能力、意欲に基づかない職員縁故採用の抑止力となるのである。さて、今回の応答側も、主に最も勤務歴の長い図書館現場職員であった。カウンター業務に就く彼女たちが利用記録を取り、事業報告書を作成している関係だろう。今まで嘱託職員という身分で図書館実務に携わってきた彼女達は、この4月から全員が会計年度任用職員となり、賞与も支給されることになった。一先ずは、待遇改善である。これは制度改正が無ければ到底実現不可能であったと思う。全員図書館専属であるが、勤続年数は実にまちまちであり、外から見る限り、職務分担もよく分からない。ただ一般的に想像されるような、本を扱う楽な軽作業に従事しているのではなさそうである。事業計画にもあるように、本の貸し出し、返却に留まらない数多の業務に従事しているのである。実際どのような業務があるのだろうか。資料から見てみよう。従来嘱託職員(月に16日の勤務で月額報酬16万円相当)の待遇でこれだけをこなしているのだ。待遇を勘案すれば、奉仕に近いと言えるだろう。

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ただ、彼女たちは何の権限もなく、意思決定からは疎外され、幼児や児童、生徒相手のお話読み聞かせや、団体貸出、学校図書支援と年中奔走しているのである。相も変わらず図書館とは、女子供の世界に押し込められている感が否めない。つまり実働部分は身分が低く保障の手薄い女の非正規職員に、意思決定は全て男性にという旧態依然の役割分担が露骨に割り振られている、男尊女卑の世界なのである。図書館を訪ね、何らかのレファランスサービスを求めてみれば、カウンターにいるスタッフが、誰一人本に詳しくないことが見て取れるはずである。尤も館長、副館長つまり生涯学習課正規職も全く本に詳しくはない。その上で、実務上レファランスサービスに対応しているのは、正規職員ではなく彼女達なので、まずここから入る。返す返す言うが、彼女達には専門知は要求されていない。利用者によってではなく教育委員会によってである。だからこの実態は、彼女達の自己責任とは決して言い切れない。

①本を扱う実務者とは、まず町民の読書欲求に答えなくてはならない立場である。

②図書館は今日、読書機会の提供のみならず公共の施設として、共同体の拠点や町づくりの文脈で意味付けられるようになっている。そこで、共同体の構成員である人々が何を求めて図書館にやって来るかを感知する感性も、図書館職員には求められている。

②が重要であるからと言って、①は決しておろそかにはできない。①は図書館業務の基本であり、ここが欠落して入れば、そこは図書館ではなくなる。それゆえまず①の業務遂行実態を見てみたい。その一端が浮き彫りになっている会議資料を発見した。以下がそれである。

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事業報告の一角である、リクエスト書籍の対応である。ここは最も重要な箇所である。町に本屋がなく、蔵書数も資料購入費用も少ない(本館、分館併せて400万円)公立図書館における住民の書籍提供サービス需要への対応状況の報告部分である。

購入、見送り、相互貸借、支所便利用貸出、予約貸出と区分されている。この一覧表で、利用者の需要(リクエスト)動向が、明瞭に読み取れるだろうか。かなり難しいのではないか。私にとってリクエストとは、「このような本が様みたいので購入して下さい」に尽きる。が人によっては、新刊を借りに来たけけど貸出中であったので、返却されたら、取り置いて下さい。」であったりするだろう。この区分別利用数は、この表からは読み取れない。数字の取り方が実に粗雑だというのはここである。相互貸借とは、図書館同志の本の貸し借りの事で、送料負担は、館同志が折半だったり、国立国会図書館などは、国会図書館が全額負担してくれたりと、館同志の個別協定があるそうである。いずれにしても、送ってくれるからと言っても、送料の負担はしっかりとある。大学図書館から送られてくる場合もあるが、発送元は概ね公立図書館であるので、当然送料は、直接税によって賄われている。オーテピアが開館してからは、西日本一の蔵書数を誇る図書館(開設時の高知県の触れ込み)であるので、ここから町立図書館に直に本が届く仕組みは実に使い勝手がよい。私の場合は、オーテピアの蔵書検索システムで自宅のPCからインターネット検索し、本の所在を確認してから、町立図書館にリクエストを出すという手順を取っている。確かに読みたい本が手に入りやすくなったという実感がある。自分が本が読みたい、本が必要。これが図書館利用、図書館行政参画の基本である。いい大人になって本を読みましょうとか、本を読まなきゃいけないなどとは誰も言われたくないし、言う必要もない。けれども図書館であるからには、本を読みたい成人の読書要求には答えなくてならないはずである。会議資料を見ても、児童利用より成人利用者が圧倒的に多い。委員の金子氏、刈谷氏、竹内氏の発言を聞けば、彼らが本好きであることは一目瞭然であるので、彼らは町民の読書要求の代弁者として委員に適任と言える。学校図書関係者枠委員は、個人差がある。公立図書館と学校図書室には連携が必要なので、学校教員が一人委員に委嘱されているのである。(学校にも学校図書室があり、窪川町学校と窪川中学のみ学校図書支援員が配置されている。支援員のいない学校へは、図書館職員が出張して支援業務に当たっているという事である。図書館職員が学校に赴き、本の整理や分類の手伝いばかりではない、本の読み聞かせもやっているらしい。それはそれでいいと思う。「児童、生徒に対する啓発としての読書の勧め」の必要性は否定しない。だが、その啓発活動に係る現職員の作成会議資料が余りに明瞭さや情報密度に欠けているとやはり、図書館職員としての専門知を疑わざるを得ないのである。繰り返すが、これは本質的に彼女達の問題ではなく、彼女たちを採用し、配置し、指導している(はずの)教育委員会自体の問題である。今、新しい文化施設構想が進捗中である。既に基本構想と基本計画を町の広報誌に大々的に掲載した。基本設計業者の選定プロポーザルも公開でやる(初めての試み)という、かってないような、町としての熱の入れようである。が、基本構想も基本計画もひたすら、「情報化」、「共同体」、「文化」、「交流」、「再生」、」「融合」等の観念がこれでもかこれでもかと連なっている(クラスター化による新規性のアピール)だけで、締まりのない自己陶酔に満ちた抽象画を眺めているような印象しかなく、実に具体的なイメージを持ちにくいのである。この協議会の場でも、林生涯学習課課長兼図書館長が、委員に配布した基本計画中の、「10年後のストーリー」を紹介していた。年配の夫人が孫を連れて開館後10年経った図書館にやってくるというストーリーである。空白のページが敢て挿入されtいる。自分のストーリを書き込んでみましょう、と言う訳である。何のことはない。この町の成人(生涯学習課担当職員、図書館現場職員、協議会委員、私のような傍聴者(広報誌や計画書本体を読む町民)相手に、「図書館ってこういうところなんだよ、君たち、こんな田舎に住んでいるから、まだ見たことないよね。じゃ今から想像してみようよ。」という大人相手の絵本のお話会のようなものが展開されているのである。基本構想、基本計画、基本設計事業者選定プロポーザルのプロデュース全てを委託された、総務省地域情報化推アドバイザーに登録されている岡本真氏率いるアカデミックリソースガイドに年々1000万円を下らないコンサル料を注ぎ込んできた四万十町生涯学習課は、今、文化施設サービス計画のたたき台を作ると称して、本庁西庁舎の3回会議室で東京の岡本氏と、スターパイロット(基本設計業者)とでZOOM会議を開催している。件の図書館現場職員も参加している。東京の岡本氏と、スターパイロット以外の職員は全員、広くもない会議室に一堂に会してZOOM会議に参加している。マスクこそしてるものの、外観的にはかなり、密集に近い。生涯学習課は音響の関係だと抗弁するが、私は、肝心の会議内容を後からそれとなく聞き出して、仰天した。基本計画に基づいて、書かれている内容を具現化するための方法を話し合っているのだそうだ。1回目だったから、「交通の便の悪いところに住み、図書館にアクセスしにくい利用者にドローンで本を直接自宅まで届けるにはどうしたらいいか次回までに考えてみよう。」が、次回への宿題になった、そうである(副館長談)。確実にバカにされているのである。けれどもバカにされるにはそれなりの理由がある。図書館から最も遠い十和地区に置ける図書館サービスの実情を記述した協議会議事録が見つかった。ここに掲載する。

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竹村委員の発言「オーテピアは定期的に来るのか」の下の「図書館」の発言部分である。この発言内容も何度読んでもよく分からない。つまり、図書館側が、十和振興局における図書サービスの実体が把握できていないのである。令和元年5月17日の議事録であるので、林課長に問い合わせた。「お時間を下さい。」が返答である。ここで町民が注視すべきは、「図書館長が十和振興局における図書サービスの実体把握もないままに、今年度だけでコンサルに900万円、設計屋に1600万円支払ってZOOM会議に興じ、「ドローンで個人宅に本を託送する方法についてコンサルから宿題を出される」などどいう町民を愚弄するかの如き内容の会議を白昼堂々と展開しているということである。この「図書館」発言部分には発言者名がない、が、私の憶測では、この図書館発言は、私が容疑者であった政治倫理審査会に呼ばれた職員の可能性が高い。おそらく審査会でこの人物への私のパワハラ発言が認定されたのだろう。が、この職員による証言部分の議事録も残されていないという出鱈目さである。私は、この職員に業務内容について質問しただけである。この議事録に如実に表れているように、その職員の回答が、実に分かりにくく意味不明であったので、私の側の追加質問が続いて、外観上は、まるで尋問の如き質問スタイルになってしまったのかもしれない。だが、果たして、責任は私側だけにある、と言えるのだろうか。図書館業務の把握、理解、説明の欠落能力の責任は、果たして誰にもないのだろうか。仮に、非正規職員のまま、権限なく業務に従事してきた職員を問い詰めたのが悪いというなら、館長を兼任する生涯学習課課長が、1年前の議事録の内容を巡って、なぜ今頃「時間を下さい。」なのか。つまり、この図書館長には、図書館実務の把握がないのである。この状態を放置したまま、町は総事業費16億円の文化施設建設に突き進んでいる。コロナ禍など何のそのである。翻って私に課せられた政治倫理上の疑義は、議会が長年このような行政の監視を怠ってきた事の罪状をこともあろうか、行政の仕事内容を最も熱心に把握しようとした私をスケープゴートにして、覆い隠すことにあったのだ。盗人猛々しいとはこのことである。この盗人集団の直近の罪状に基づく、「議員報酬引き上げ事件裁判」が楽しみである。裁判官には願わくば、この時の政治倫理審査会長酒井祥成を是非参考人出頭させてもらいたい。この人物は議員報酬引き上げ時の議長であり、「町長に要書を出した以上、これからは委員会活動を活発にするように。」と他の議員に言い含めた人物である。「委員会議事録をまず公開すべきだ。」と私が言えば、「それは、今は考えていない。」と応答した。おそらく永久に考える気もなかったのだろう。「議会図書室」についての私の一般質問通告もこの酒井祥成は却下した。理由が振るっている。「議会図書室は、議会内部の問題である。」噴飯物である。 「複合文化施設」お話会で、「ストーリー」の読み聞かせを、東京のコンサルタントにしてもらわなければならないのは、本当の所は、この人物酒井吉祥その人である。「図書館って別に決まりはないんだよ。自分が自分自身でいられる所。自分の図書館ストーリーでいいんだよ。見たことないだろうから無理もないけど、自由に想像してみようよ。」とお話ししてもらえばいいのではないだろうか。議会対策として有効ではないか。今度中尾博憲町長に進言してみたら、案外、本気にするかもしれない。

行政も議会も議事録こそが実態を明らかにする。だから発言者は明示したくないし、公開したくないって、「冗談も休み休み言え。」である。

西原真衣