呆れた議員達の行状

地方議会の実態から日本を見る

風力発電と蠢く町政(43)

       遠くから風力を考える

 知人から電話があった。知人は、十和出身で、十和村史の編集に精力的に関わった学識経験者である。学齢本体についてはよく知らないが、雑談の中で、知人の学識を感じいたので、学識経験者という表現を使うことに、私の中では特にためらいはない。地元四万十高校で「鮎の文化史」という演目で講義をしていたこともある。高知県の外郭団体である公益財団法人「四万十川財団」でも「鮎の文化史」の連続講義があって、私も1回だけ聞きに行ったことがある。鮎の生態についての独自理論が実に興味深かった。その知人が今いるのは、長崎県平戸市である。そこから故郷の、知人が愛してやまない四万十川水系の山の稜線に巨大な風力発電所の建設予定があると知って、気が気でなくなり、私に電話をかけて来るのである。ところが、残念ながら私には、知人から伝えられる学識の全てを理解する力量がない。けれども知人の思いだけは、ひしひしと伝わってくるのである。知人が私に伝授してくれた11項目にも上る知見の全てを消化できるはずもない。その受け皿が私にはないのである。ないながら、私の中に着地した幾つかがある。とにかく風車は、喫緊の課題である。だからして、それについて書いてみたい。

その1:檮原町の風車はプロペラが折れた。その写真が檮原町役場にある。

その2:伊方町四万十川水系の山と違って山が低いから低周波音の被害が出やすい。伊方町に議会は視察に行くべきである。

その3:川は山に支配されている。鮎は山の植物の根から出るホルモンを感知して、生まれた川に上ってくる。風車ができれば、植物がホルモンを出さなくなるので、鮎は川を遡上し、自分の生まれた川に帰れなくなる。

その4:渡り鳥が来なくなる。長崎でもそうなっている。ヤイロチョウは絶対的に来なくなる。

その5:山の斜面が崩壊する。山が保水できなくなり、十和地区の農業用水が枯渇する。

この知見をどこに伝えればいいのか、私は、今悩んでいる。とりあえず、四万十町議会の総務常任委員会に檮原と伊方の風力発言情報を提供することぐらいしか思いつかない。そこで、議会事務局に、大月町の風力発電視察報告について、問い合わせた。1月のお28日に視察に行ったのである。ところが、2月11日時点でまだ委員長の古谷幹夫議員は、「視察報告書」を議会事務局に未提出であった。提出して後、議会事務局が「個人情報チェック」をした調整後の報告書を、偶々別用で事務局に現れた下元昇議長が決済印を捺印し、初めて議会HPに掲載される。提出後ここまでで、優に1週間かかるそうである。おまけに委員会報告書は、今年分を順番に掲載しているので、9月分で止まっている。全く持って仕事が遅すぎる議会である。これでは監視は無理だろう。町職員は450人体制でやっているのである。このスピード感のなさは、やはり老害と言わざるを得ない。彼らは全員Ipadを貸与されていて、なおこの非効率さ、である。一先ず老害と言ってはみたが、根底にあるのは、やはり怠慢ではないだろうか。町を監視するのは議会であるが、議会を監視するのは町民である。これらの議会委員会報告書や議事録作成及び公表の遅さは、議会のサボタージュに等しい犯罪行為に近い不品行であると、私は本気で思っている。行政に説明責任を求める議会が、町民への説明責任をここまで放棄していいのか、いい訳がない説明責任と言えば、昨今,あの噂の槙野章議員が、産業建設常任委員会の議事の一部非公開の意した。その議事とは、以下のファイル中の事件①.数家のおが粉製造工場の今後について、である。

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これがなぜ非公開で審議しなくてはならない議事なのか、理解できるだろうか、私は、全く理解できなかった。委員会は原則公開であるが、委員長判断で非公開にできる。だから、非公開理由の説明責任は委員長の槙野章議員にある。私は、槙野章議員に対して、直に非公開理由を聞いた。

私:おが粉工場の今後についてが、なぜ非公開なのか。

槙野章議員:全員協議会にまだ出てきていないからである。

注釈:執行部からの申し出により、事業の経過や予定の概要について議会に説明し、議会の理解及び賛同を求める作業工程のこと、多くは定例会会期中に、上程された議案の事前説明という形で行われる。

私:全員協議会までに公開されると、どのような支障が生じると考えられるのか。

槙野章議員:だから全員協議会にまだ出てきていないからである。それだけである。

上記の質疑応答で、明らかなのは、槙野章議員は非公開理由を説明できない、という事である。非公開にする権限を持っている人間が、非公開理説明できない、とどうなるか、議会が機能不全に陥り、やがて機能不全を通り越して、町民に実害を及ぼすようになるのである。極論すれば、権力者の恣意性と私物化が横行する、汚職が蔓延する。

汚職とは突出した個々の議員の不品行に起因するとは言い切れない現象である。必ず、それを許容する土壌が、我々の中にあるのだ。槙野章議員は、本会議欠席中の外出という不品行で、議会内部で謝罪を要請されたが、謝罪すべきは本来議会ではなく町民である。この人物の議員としての不品行はこの人物の人間としての不見識から来ていると見なすべきだろう。槙野章議員が普段町の補助事業を取り次いで回っているのは有名な話である。いわゆる御用聞きである。それ自体は、不品行ではない。槙野章議員の議員活動である。けれども議決権を行使できるという事の責任と意味は重い、この重さに対して槙野章議員が発揮しているのは、本人の存在の耐られない軽さ、なのである。この軽さを、フットワークの良さと勘違いしてはいけない。議会制民主主義の基盤となる重要事が、毀損される危険性がここに潜んでいる。この非公開事件である、「おが粉製造工場の今後について」とは取りも直さず木質バイオマス事業の検証と将来展望に関わる案件なのである。風力発電は、再生可能エネルギーと位置付けられており、世界的な気候変動に対応するための国際的な枠組み(パリ議定書)の参加国としての再生可能エネルギーの広域供給と言う名目を持つ国策に協力するのが、町の基本姿勢であると、議会答弁したのは、中尾博憲町長と山本康夫企画課課長であるが、ここで私は考えたのである。同じく国によって再生可能エネルギーと位置付けられている木質バイオマス実証事業は、既に町に大々的に導入されている。この事業の検証と再推進によって、再生可能エネルギーの普及に貢献するという手もあるのではないか。風力発電は事業主体が民間企業のオリックス社である。方や、木質バイオマス事業は林野庁から実証事業の委託を受けたのは、四万十町森林組合であり、木質バイオマス実事業が実施されたH26からH29の成果報告書は林野庁がHPで公表している他、四万十町農林水産課林業振興室も成果報告書を保管している(林業振興室長多賀氏談)。高知県林業振興部、林業政策課及び木剤産業推進課、産業振興部農業イノベーション推進課によれば、おが粉工場は、木質バイオマス燃料製造協議会が2年間の実証事業で、36円/kgの燃料製造コストを達成できなかったので、高知市仁井田の暁産業(おが粉ボイラー製造、乾燥おが粉製造)から乾燥おが粉を四万十町まで運搬し、次世代園芸施設のおが粉ボイラー用燃料として使うことが合意された。元々、このおが粉工場の運営主体は四万十町森林組合であり、森林組合自体が、コスト割れでおが粉製造から撤収した後に、次世代園芸三社(四万十トマト、三原菜園、ベストグロウ)と暁産業の4社で設立したのが、木質バイオマス燃料製造協議会である。この協議会の事務局となったのが高知県農業振興部農業イノベーション推進課である。森林組合はこの協議会に、おが粉工場を賃貸していた。私は、この賃貸契約書も林野庁四万十町森林組合との木質バイオマス実証委託契約書も持っているが、四万十町農林水産課林業振興室には、その資料はない。理由は、森林組合林野庁間の委託契約であり、四万十町は、契約当事者でないから、と言うのが当時の新業振興室長佐竹正人氏の弁だったが、それでは、当時議会で、詳細な議案説明を、熊谷敏郎農林水産課長より受けた挙句、予算精査し、議決に及んだ立場として、どうやって事業検証をしろと言うのだろうか。この四万十町で実施された事業である。おまけに、地産地消型の再可能エネルギーとして尾崎知事が真っ先に導入した事業であったのではないか。事業検証に必要な情報と資料をかき集めるのは本来議会の仕事である。議決権に事後的に伴う議会の責務である。ところが、議会の実体は、委員会や全員協議会においても、会議資料の明示がないばかりか、議長預かりで全議員や全員に同一会議資料が、配布されなかったりする。増してや傍聴者向けに資料が用意されることなど、まず期待できない実態がある。昨日議会事務局の長谷部卓や事務局長を訪ね、委員会報告書に会議資料名を記載する項目を追加するという案件(私からの要請)で話した。長谷部氏の前任は農林水産課課長である。長谷部氏から「執行部の会議では、会議資料の対外的明示は当然の事であった」との意見が出たので、私は「議会がガラパゴス化し、進化から取り残された陸の孤島みたくなっているのは、議員が、対外的説明責任のありかに本能的に疎いからである。行政レベルにはるかに達していない。行政レベルにまず引き上げずに、行政の監視ができるか、である。町民が議会に期待するのは、行政の監視である。」と応答してきた。やれやれ、長谷部事務局長と私の議会図書室での面談内容はまるで、シルバー大学の講師控室における講演前の講師と行政職員との打ち合わせみたいではないか。老害政治を質すのはかくも、営々とした労力の行使を伴うのである。槙野章議員にはここが、毛頭分からない。行政に説明責任を求める議会は、まずは自ら説明責任を町民に対して果たさなくてはならないのである。説明責任を情報公開と言い換えれば、自らの情報公開を定義できない議会は、決して行政の情報公開も定義できないのである。「情報公開」とは、権力の、権力を付託した側に対する説明責任その物のことである。これが理解できない議会は、機能不全に陥るしか道はない。槙野章議員の、「全員協議会に出る前だから非公開」とは、注釈すれば「行政が議会に説明するという判断を下す前だから」という意味である。ここで槙野章産業建設常任委員会委員長は、「行政の思し召しに従います。」と宣言しているのである。行政の思し召しに従って、木質バイオマス事業がどうなったが、槙野章議員には見えていないのであろう。だから、大藤風力発電事業の地元波及効果の功罪も同様見えないのであろう、と思う。私は過去に改善センター一階の喫茶店で、元窪川町議会議員であったある広瀬則彦氏と槙野章議員が歓談している光景を時々見かけたことがある。ある日の二人の会話内容は、舛添要一氏の後を継いだ東京都知事猪瀬直樹氏の5000万円の賄賂についてであった。議場では実に大人しく発言の少ない槙野章議員であるが、その時ばかりは、広瀬氏と、収賄の疑いをもたれた5000万円について、全く悪びれず、猪瀬氏に対する批判の矛先も見せず、興味津々とばかりに歓談していたのである。つまり、槙野章議員は、利権には全く疎くな興味津々という事である。そう言えば、広瀬氏にも好色漢との世評はある。結局好色と吝嗇は、男性にとって同根であり、根絶し難い「生の欲望」であるという事なのだろう。聞くところによれば、槙野章議員の吝嗇の結果の不品行を「俺が丸く収めた。槙野は家地川のために貢献している。槙野を責めれば、武田秀義の愛人問題も問題視しなければならなくなる。」と味元和義議員が、外で豪語しているらしいが、この人は、広瀬氏と風俗遊びの現役お仲間であることが、広く町民に知られていることを、本人が知らないのである。因みに武田秀義議員も味元和義議員も四万十町議会産業建設常任員会の委員である。武田秀義議員派委員会の席で、JA高知との意見交換会の場で、JA高知の国広常務に対して、「うちに、JAの組合員の青色申告の帳簿をやらしてもらえないか。」と商工会会長丸出しの営業トークを展開していた。この辺のこの人の混同振り、愛人問題より、よっぽど問題だと思うのだが。結論として、自力で情報も取れないような議員、不要ってことじゃないのだろうか。実にどいつもこいつも、露呈しているのは、槙野章議の専売特許ではない、存在の耐えられない軽さ、ではないだろうか。好色と吝嗇は、議会外で、個人的にやり切り、議会に一切持ち込むな。でもね、どんだけ河岸を変えても、「スケベ親父」かつ「しみったれ親父」逆立ちしたってだ絶対女にもてないと保証できる。試しにやってみれば。何事も「実証」ですよ。それよりなにより、木質バイオマス実証事業こそ、産業経済常任委員会、まずは責任を持って事業検証しろ。議員報酬引き上げに見合う仕事をしろ、と思う。

四万十町議会議員  西原真衣