呆れた議員達の行状

地方議会の実態から日本を見る

風力発電と蠢く町政(67)

         議会の傍聴の勧め

 全員協議会を傍聴した。武田秀義議員と吉村アツ子議員が開会時間になっても現れず、委員会室では、以下のようなやり取りが発生した。

味元和義議員:たいしたことない案件だからわざわざ仕事を休んでまで来んのじゃないか。

長谷部事務局長:吉村さんは連絡したが電話に出ない。

開会後10分ほどして武田秀義議員が現れたが、この人は遅刻の常習販犯である。それにしても味元和義議員の「たいしたことない案件だからわざわざ仕事を休んでまで来んのじゃないか。」は、実に不謹慎な本音発言であるし、吉村アツ子議員の「連絡したが電話に出ない」も、欠席届も出ていない上に連絡も取れないということである。このような振舞いと、議員報酬引き上げに関する以下の発言を照らし合わせて、四万十町有権者は、次回の選挙の投票行動に生かすべではないだろうか。

味元和義議員:議会で決めたこと(議員報酬引き上げの要望書を町長に出して可決に持ち込む)を守らない議員には懲罰を与えるべきだ。(H31/12/20全員協議会)この報酬額になれば、高知県内市町村で何番目の高さになるのか。(全員協議会)

吉村アツ子:町長が議会からの要望に基づいて議員報酬引き上げを提案したと発言したかどうかは記憶にない。(R1/7/16総務常任委員会、議会基本条例23条の解釈について)

こんな難しいこと議会に言うてきて欲しゅうない。(沖縄普天間米軍基地辺ノ子移設野の中止を求める意見書を国に提出する陳情について)

是非次回の選挙時には各立候補者の過去の議事録抜粋を町民向けに配布したいものである。このような発言内容から自明なのは、彼らは議員報酬を上げるに値しないということである。しかるになぜ彼らは、当選できるのか。実は最大の問題はここにある。難問である。ところで、次回の高知地裁における第2回公判は、8月25日である。第1回と違って、双方の弁護人による口頭弁論が聞かれるということで、傍聴に行こうと考えている。相手側弁護士(四万十町の顧問弁護士である行田博文弁護士)から、原告側弁護士(谷脇和仁弁護士)に対しては、「行政と議会の癒着の証拠を出せ」準備書面に書かれているという。被告側弁護士がそう主張するからには、癒着の証拠が出ない限りは原告側に勝ち目がないと相手側が踏んでいると私なりに解釈している。そこで私は、自分の議員時代の実体験を思い起こして、

1.議長からの回答と称して副町長森武士が、四万十全職員に対して、「私の質問には、相互の信頼関係に基づいて簡潔な質問にのみに対面でのみ答えさせる」と通知した事件のあらましを裁判で明らかにする。

2.私の四万十町議会からの除籍を目論んで、当時の議長橋本保と総務常任委員会の堀本伸一委員長の2名を引率してあろうことか副町長森武士が、町顧問弁護士の行田博文事務所を訪問していること。行田博文弁護士が別の弁護士を紹介した。この弁護士を法廷に呼んで相談内容を証言させる。

3.私の一般質問時に後部議席の堀本伸一議員が、議長酒井祥功に対して右手首をくるくる回して、発言を止めろとサインを送り、正しくそのタイミングで、議長酒井祥功が

「質問通告外」若しくは「通告内容からの逸脱である」という決まり文句で再三発言中止に追い込んだという傍聴者2名の証言(私の知人H氏と記者席で傍聴していた高知新聞社のY記者)に裁判で証言してもらう。

 以上の3事例を谷脇弁護士に癒着証拠として挙げてみたが、残念ながら、「議員報酬引き上げに直に関係が無い」「議会内部の問題である」等の理由で証拠として採用されなかった。実に残念感が残る。特に、私の一般質問時に後部議席の堀本伸一議員が、議長酒井祥功に対して右手首をくるくる回して、発言を止めろとサインを送り、正しくそのタイミングで、議長酒井祥功が「質問通告、或いは通告内容からの逸脱である」という決まり文句で、発言中止に追い込んだ件に関しては、全て町にとって答に窮する箇所、あるには町の失態が露見する可能性のある箇所というパターンを形成しているので(議事録を丹念に読めば分かる)それこそ行政と議会の癒着、端的に言えば、「行政と議会の裏取引による町政の私物化」の最たるものであると私自身は今でも確信している。明らかにその延長線上で議員報酬引き上げという取引が成立しているのだ。原告の山本たけし氏から先日電話があった。電話内容は、議案が可決された当日の本会議議事録の内容であった。反対討論5名と賛成4名の後で、賛成12、反対6で可決された直後の中尾博憲町長発言部分の議事録である。議案可決議にわざわざ挙手して発言許可を得た挙句、中尾町長は

「私のほうから、ちょっと気づいたところ、今後、課題のあるところをちょっとお願いを申し上げたいと思います。今回、全て議長の要請に応じてやったつもりは全くありません。ただ、それが一つの原因として検討してまいりました。それに加えて、先ほど来申し上げましたように、平成22年から議員報酬は改定すべきだという思いを持ってやってきましたけども、今回、その流れを見たときに、やはり議長名で様々に研究されて、申入れがあった要請というのに基づいてやっておりますので、実際、ここに今日議案として上がる前にこういった議論がほしかったと思います。まな板に乗せて、それを皆で料理をする、言い方は悪いですけども、私はそう思いました。それであれば、本来、議会が上程しちゅう間に、本来は引っ込めて再検討というのが本当の姿じゃないでしょうかと思いました。」(議事録から抜粋)

と発言している。この発言を議席で聞いた私の心中を察してもらえるだろうか。この発言は私には、議会で練り上げ統一化された議会意志としての議員報酬引き上げ要望を受けたことを理由の一つとして(決して単なる議会への迎合ではなく平成22年時からの公約であった。)議会の意志を酌んだたっての議案上程なのに、こともあろうか議場で反対討論が5人から出、それを受けて、反対意見を封殺するための咄嗟賛成討論に4人が立ち、議場を威圧し(意思表明のない他の議員に無言の圧力をかけ)やっと事なきを得る(シナリオ通りの結果を得る)ような想定外の展開になったことは、基本的に議会側の失態ではないか。本会議が混乱し、自分の体面も傷つけられたことをやんわりとこの場で指摘したい(体面をつぶされたので、体裁を取り繕いたい)。」という風に聞こえた。それに第一、はっきりと記憶に蘇るのは、「議会は、まな板の上の鯉でいて欲しかった。」と中尾町長の発言である。ところが議事録では「まな板に乗せて、それを皆で料理をする」となっている。ここは前後とのつながり方がいかにも不自然である。「まな板の上の鯉」は定型であるし、その意味であるからこそ「言い方は悪いですけども」を言い添えているのではないか、私は議事録改竄を疑った。本会議議事録には原本と副本があり、公開されているのは副本である。録音(ICレコーダーに録音された音声データ)は議事録調整後破棄されるとのことである。これはいけない。議事録とはこの町の意思決定の歴史である。議会本会議の画像は本来、保存しアーカイブとしてオンデマンドで放映できるようにすべきである。四万十ケーブルテレビは何をしているのか。何のために「地域情報センター」などという部門を持っているのか。ここがやっていることは町内神社の秋まつりの収録だけである。この公益財団法人四万十公社の中島親近理事長や森雅信常勤専務理事は何を考えているのだろうか。何といっても森雅信常勤専務理事は、月額報酬50万円(公社HPで公表)にして、合併前の旧市町村の教育委員会が編纂した窪川町史、大正町史、十和村史が町立図書館にある事さえ知らなかったし、「町の斎場の待合室で見たことがある。」と答えた位である。「今回の裁判は、町民が町長を訴えている裁判なので、町の公共放送として偏りなく両方を取材して町民向けに報道したらどうか、町民に町政について知り、考えてもらういいきっかけになるのではないか。」と私が取材を持ちかけても、「うちの番組のカラーとコンセプトに合わないからお断りしたい。」とにべもなかった。「だから番組じゃなくて報道だってば。」と言うのはいささか虚しいので止めた。この人に番組と報道の違いについて説明するのは、徒労に終わると思ったからである。四万十公社は、指定管理料を毎年5500万円相当町から受け取っている。ケーブルテレビ事業は町の事業であり、設備費は全て町負担である。それで月額報酬50万円であれば、もっと町発展と振興に貢献するような独自の番組や報道の企画立案があってしかるべきではないだろうか。月額報酬50万円がふさわしい仕事ぶりだろうか。財政基盤や設立の趣旨からして四万十公社は四万十町NHKである。その意味では、今の森雅信常勤専務理事は、適任からは程遠い実態がある。聞くところによれば、何かあればすぐさま町長室に赴きお伺いを立てるそうである。今や世界は動乱期にあるのに何という有様だろうか。アメリカでも日本でもコロナ禍が政権の無能を暴露した。レバノンでは爆発事故が政権の無能を暴露した。ヨーロッパ中世はペストによって中世から近世への幕開け(脱出)があったと仄聞した。確かに危機は変化を加速化させ、社会情勢を変容させると今否応なく実感している。同じアジアの香港情勢に目を転じても、香港での「国家安全維持法」の施行によって、過去30年間香港をアジアの拠点としていたアメリカの新聞社ニューヨークタイムズ は、その拠点をソウルに移すことに決めたという事である。移転先として、シンガポール、バンコック、東京、ソウルが候補に挙がっていた。東京が移転先に選ばれなかった理由は、以下の記事によって知ることができる。https://hbol.jp/226189?cx_clicks_art_mdl=10_title

以下抜粋する。

  NYTはアジア太平洋地域の都市の中から香港以外の適切な場所を探す中で、バンコク、ソウル、シンガポール、東京、シンガポールなどを検討した。その結果、さまざまな理由の中でとりわけ、①外国企業に対して友好的である② 独立した報道(independent press)が存在する③主要なアジアのニュース分野で中心的な役割を担っている――の3点で魅力があるとして、ソウルを選んだ。

記事によれば、日本の報道機関の殆どは、② 独立した報道(independent press)が存在するに言及しなかったというのである。香港のメデイア王と言われるジミーライ氏は、逮捕後の保釈中に東洋経済オンラインの取材に応じて、「再逮捕と大陸への送還、極刑までを視野に入れつつ、日々「法治と自由」のために戦うと発言している。

「法治と自由」と聞いて眩暈がしそうになった。私は四万十町全職員450名に以下の通知を出されて、この通知の法(地方自治法上)的な根拠と解釈を通知の発出者である森武士副町長に本会議で質問すべく一般質問通告を酒井祥成議長に出した。「四万十町議会議員絵の対応について」である。ところが、「町の一般事務ではない」という理由で却下された。中尾町長、森副町長に、「副町長が職員に出した通知は、町の一般事務ではないのか。」と聞けば両者は「答える立場にない。」と答えた。一方で、私が当時何度も相談に行った岩崎淳司弁護士事務所の林良太弁護士は、「これは、町の一般事務でしょう。」と私に明言した。そこで私は、それを職員にもメールで伝えた。職員に対して「法律(地方自治法)を読んで通知文の法的根拠を自分の頭で考えろ。参考までに弁護氏見解を伝達する。」というメッセージを送ったつもりであった。ところがそのメールは総務課より議会事務局に転送されて全員協議会に持ち込まれ、「議会で決めたことを守らない。議会が組織であることを認めない。」という私への糾弾に繋がった。私が「議会は組織じゃない。代議制の議決機関である。」と反論しても無視された。だからこそ、この人達は、裁判に出頭し、「法治(地方自治法)と自由(自由選挙)」について考えを質される必要があると思うのだ。日本は少なくとも韓国より優れた「法治と自由」を持つ国であるなどという錯覚に浸りつつ愚かしい自尊心を養っている内にいつの間にか、日々「法治と自由」は足元で崩壊しつつあるという気がする。そこでささやかな一手を打つことにした。8月24日には全員協議会で、複合文化施設について議会と、町長、副町長の意見交換会が開催される。「じゅうく」講師と地域おこし協力隊を傍聴に誘った。日本は少なくとも韓国より先進的な国であるなどという錯覚を、議会という「現場」で再考してもらいたいからある。複合文化施設の中核は図書館である。図書館と知る権利は切っても切り離せない。そしてそれが「じゅうく」の講師経由で地元高校生に伝達できるかという試みである。この前は、高橋塾長は講師を連れて議会図書室の視察にも赴いてくれた経緯がある。もっとも塾長に聞くところによれば地元高校生は、「役場に入れば一生安泰」などと常日頃つぶやいているらしいのだが、人材育成センターの職員からそのような風情が強烈に匂ってくるのじゃないかと憶測している。未成年の動物的な嗅覚は決して侮れない。未成年扶養されているだけに、自分の親が置かれている社会経済的状況を実に精妙に認知、理解しているのである。そう言えば、昔屋台のラーメン屋でばったり出会った中尾博憲町長の息子、とうに未成年ではないはずだが、私と認知するなり、目も合わせず、ラーメンを速攻で食べるやいなや逃げるように立ち去った。中尾町長、息子が思わず咄嗟に見せた「困難な状況からの逃げ癖」って親譲りなんでしょうか。

西原真衣