呆れた議員達の行状

地方議会の実態から日本を見る

風力発電と蠢く町政(52)

       請願紹介議員と議事録

 4月15日に、大藤風力発電を考える会(仮称)の初会合を持った。会場は、四万十町東庁舎1階の多目的第ホールである。出席者は、呼びかけ人の岸本氏、私、陶芸家の武吉さん夫妻と、風力発電中止を求める請願紹介議員の岩井優ノ介町議と村井真菜町議であった。同じく請願紹介議員の武田秀義議員にも呼び掛けていたが、仕事が入ったと当日連絡があって欠席であった。中屋康議員も用事が入ったとの事で連絡があった。武石利彦県議は欠席、ウエル花夢の指定管理者団体四万十大正町づくり株式会社の市川俊英氏も欠席、朝霧森林クラブ代表嶋岡幹雄氏は、農作業が忙しく日中は無理予め聞いていた。又「四万十ふるさとの自然を守る会」代表の佐藤さや氏はこの曜日は仕事が入っていと予め欠席予定。生態系トラス協会代表の中村滝男氏は、「室内学習会に疑問がある。」という理由で、欠席が事前に通知されていた。観光協会会長の池田十三生氏は当日葬儀が入って欠席であった。欠席理由からして、会への呼びかけへのそれぞれへの本音を色々想像をたくましくしてみたが、とにかく、岩井議員と村井議員を面前にして、是非とも、この場で聞いておかなくてはならないことが、私にはあった。なんせ、彼らは「オリックス社の大藤風力発電事業計画の中止を求める」請願:請願提出者「四万十ふるさとの自然を守る会」代表佐藤さやの請願紹介議員なのである。付託先の総務常任委員会の場で請願紹介の意図の説明陳述の場にも呼ばれていた。そこで、彼ら二人に対して、まず私は、質問した。
西原:請願紹介の意見陳述後、総務常任委員会の議事をどの様に把握しているのか聞きたい。

岩井優ノ介:把握していない。他の仕事があった。

村井真菜:委員長に口頭で聞いている。まだ本会議に出てこない。西原さんはどのように把握しているのか。

西原:総務常任委員会の議事録が手元にある。傍聴によって自作したものだ。議事録作成に非常に時間がかかる(3月以上)し、おまけに公開されていない。だから傍聴に行って自作した。この現状に請願紹介議員として問題意識があるのか。請願紹介議員として、請願付託先の委員会の議事の把握をどう捉えているのか。

村井真菜:私は、「四万十ふるさとの自然を守る会」の方で活動している。

ここまで書いていて、心底うんざりしてきた。岩井優の介と村井真菜は、請願付託先の委員会の議事が気にならないという事なのである。請願紹介議員でありながら、議事内容に関心が薄いという事実を町民サイドでどう解釈すべきなのであろうか。

    議員だけれども議事に関心が薄い

これは究極の無責任ではないだろうか。何のための議員なのだろうか。だからいつまでも委員会議事録作成は遅々とし、議事録は公開されないのである。これは鶏と卵の関係に近い。この環境が、このような議員が生きていける生態条学的条件となっているのだ。議事に疎くて町政の監視はできない。私の自作の議事録を少なくとも岸本氏と嶋岡幹雄氏は、直ちに熟読し、風力発電計画に対する動向の判断材料とした。ところが村井真菜町議は、議事録を同封した岸本氏からの案内文書を、会場で開封していたのである。村井真菜町議は、face book での議員活動報告には余念がない。それ自体は、問題ない。だが一つ問題がある。その中で自分の質疑と執行部答弁のみ広報している。それは議事ではない。自分の広報でしかない。それだけでは,町政の動向を伝えることはできないのである。議会とは作文発表会ではないのだから。岩井優ノ介議員は今広報広聴委員会の委員長職にある。議会だよりの編集方針について、岸本氏と私で、岩井氏の見解を質したことが過去にある。場所は議会図書室であった。「議案質疑は愚か、討論場面でさえ、議員の発言者名が、記載されていないのは、大いに問題ではないか。町民に、各議員の判断材料が提供されないことにならないか。」これが岸本氏と私の議会だよりの表記への質問の主旨であった。

岩井優ノ介:広報広聴委員会で皆で決めたことだから。

皆で決めたって、学級会じゃあるまいに、である。いささか仰天である。我々が問題提起したために、その後これが、広報広聴委員会の場で、議事になった。傍聴に行った。

古谷幹雄議員:広報広聴員会で東京に研修に行った時の先生から教わった。できるだけ分かり易い、読んでもらえる議会だよりにするために、「議会として何を伝えたいか」をはっきりさせる必要がある。研修で習ったことを踏まえて、発言議員名を記載するべきかどうかを議論する必要がある。

武田秀義議員:自分もそう思う。議会として何を言いたいか。議会として町民に何を伝えるかと考えた時には、必ずしも発言者名は必要とは考えない。

その他の議員:岩井優の介委員長を初め副委員長の水間淳一議員、村井真菜議員、中屋康議員、槙野章議員、橋本章央議員等もこれに全面的に賛同した。全く異論が出なかったのである。

ああ何という事だろうか。この人達は、議員各位の言論の自由の保障を必要していないのである。議員なのに。もはやここは、言論の府ではあり得ない。

議会として何を伝えたいかを抽出することが、議会本会議の存在意義であり、総括であると、本気で思っているのである。きわめてヤバクないか。議会とは議案に関してのみ、投票行動を通じた、合議体であり、意思決定機関である。「議会として何を伝えたいか」などという戯けた発想は、議事に真剣に向き合っていれば到底出てこない。議事とは全て、我々の税をどのような優先順位でどこにどれだけ配分するかの討議の全貌それ自体なのである。予算提出権のある執行部こそは、「執行部としてどのように予算編成をしたいのか」を議会(町)に伝えるべきであり、質疑を通じてそれを査定、監視するのが議会の責務であり、その議会に「議会としての総意」など本来存在してはいけないのである。だからこそ各議員が選挙で選ばれている。選ばれたという事は、4年間を通じて選ばれ続ける、つまり有権者から問われ続けると言う事である。その緊張感と応答責任に耐えてこそ議員である。それが耐え難ければ、議員不適格である。「議会の総意」とは、その緊張感と応答責任を回避するため隠れ蓑である。「皆なで決めたことだから、自分に聞かれても困る。」などという実に岩井優ノ介議員的な戯言を絶対に容認してはいけないと、私は心の底から思う。ここで再度、思い出してももらいたいのは彼らの報酬額である。本会議は年間わずか16日間である、委員会は、年間20日これが、議員の職務の中核である。それで、委員会議事録は3ケ月後に製本されず、議会の暗黙の了解によって公開もされていない。彼らは、仕事の中身を町民に見られることなく、和気あいあいと談笑し、議員間の良好な人間関係の構築に専念できるのである。職場の居心地を優先している議員など、町民は必要とはしていない。増してや議員報酬を月額20万5千円から25万円に上げた挙句である 彼らは町民からの鉄槌を受けるべきである。我々の血税が、この概ね年金受給年代四万十町議会議員に月々渡っている。そして彼らは、自分の仕事の核(議会発言)の具対的内容を町民に対して明らかにすることを作為的に怠っているのである。議会議員の月額報酬は,年2回の賞与を含めて月額換算すれば、31万円(平議員)から38万5千円(議長)である。ここに再確認しておきたい。

本会議議事録は3月後に製本される。

委員会議事録は3月後も製本されず、閲覧には情報公開請求がいる(そんなバカなことが通用している。その理由は明らかである。議事内容が町民に知られないことが、都合がいいからである。

議会だよりにおいても、発言者名が記載されない。(自分の発言に対する批判と責任を回避している。)

冒頭で書いた、総務常任委員会の議事録二つと、全協協議会の議事録一つは全て大藤風力発電事業計画に係る議事である。議会のHPで、議事内容を確認して、傍聴に赴いて議事録を自作した。そればなければ、風力発電勉強会の資料の作成もできない。つまり議事録作成の遅滞と非公開は町民の町政への参画を阻むことになるのである。このことに気が付かない議員及びこれを理解しない議員は、議員としての資質、能力が究めて疑わしいと思わざるを得ない。15日の午前中、念のために議会事務局に出向いて、平成1年9月12日の総務常任委員会議事録(請願提出佐藤さや氏が総務常任委員会に出席し、請願趣旨を説明した。令和元年11月15日全員協議会(町長が町有地をオリックス社に賃貸借するという賃貸証明書を提出することについての意向説明を議員に対してした。)、令和2年3月12日総務常任委員会(請願審査)の3つの重要な議事録が製本されているか否かを確認した。製本されていなかった。議事録の重要性、議会事務局においても全く認識されていないということである。ここで再度、我々がこの議会事務局職員にどれほどの人件費コストをかけているか、確認したい。彼らの基本給、諸手当、いわゆる医療と年金の雇用者負担額(共済費という名称)の合計は、一人月額平均75680円となる。議長の月額報酬の倍額である。議事録作成の遅滞と非公開に追随し、つまり彼らは議員さんの体面を守っているだけで、この厚遇を受けられる身分であると言う事である。「議会事務局に法務機能を持たせる」と規定している議会基本条例制定の黒子として八面六臂の活躍をした当時の企画課課長、竹内文治氏は、聞くところによれば、平成31年度3月定例会に議員報酬引き上げ議案を提出した共産党会派の岩井優介議員と田辺哲夫議員の議案提案理由の本稿を書いた人物であるらしいが、この肝心な議員提出議案の議事内容が、議会だよりでは無記名で単なる賛成意見、反対意見と表記されていたのである。これで、議会制民主主義と言えるのか。議会の総意で議員の意見を議員選出の判断材料にさせまいとしているのである。そしてかっての役場管理職、今共産党会派ブレーンを自認しているであろう武内文治氏は、これを容認している。だからこそ周辺の共産党系の大人が育てた村井真菜議員のような次世代議員は、総論反対、各論賛成という奇態な大人子供のような様相を呈してくるのではないか。この辺りは因果関係がありそうである。もっと言えば、この部分の弱さこそが、野党結集が国民の受け皿になれない理由の一端ではないだろうか。このことは明らかにする必要がある。社会的弱者の保護を党是としている日本共産党は、現職議員としての言行に自らの責任を負わせようとしていないのである。現職議員を社会的弱者扱いしている。この見識は端からおかしい。議員にとって議事録とは、自己責任のありかその物である。従って何がどうあれ、私は、議事録の軽視は全面的に看過できない。そこで、更に続けて、15日の会合の席で、岩井優の介議員と村井真菜議員の二人に対して、議事録についての認識を質した。

西原:議事録作成の目的をどのように認識しているのか、聞きたい。

村井真菜議員:町民に議会審議内容を伝えるためである。

岩井優の介議員:町民に議会で何が話されているかを知らせるためである。

西原:では町民に取って、何のために議事内容を知る必要性があるのか。

村井真菜議員: 政治的な決定の判断材料にするためである。

西原:その通りだと思う。それでいながらその判断材料をごく一部しか町民に提供してこなかった理由はなぜなのか。

村井真菜議員:政治的判断の範囲は非常に広いじゃないですか。

西原:それは町義議会委員会議事録を公開しない理由にはならないのではないか。議事録の公開がないからこそ、請願紹介議員でありながら請願付託委員会のその後の議事の把握も出来ていないのではないのだろうか。議事録は政治的判断の基幹資料である。町議会議員であるからこそ、まずは町政に関する判断材料を町民に提供することを優先すべきではないのだろうか。その為に町議会議員として町から(町民から)報酬を得ていると捉えるのが妥当な認識ではないのだろうか。

注釈:村井真菜議員は、新人議員でありながら教育民生員会の副委員長である。当選直後の議長選後の副議長選挙にも出馬歴がある。ここでの問答においても、「政治的判断の範囲は非常に広い」と瞬時に応答はするが、その中身が実にあやふやである。単なる思いつきの一般論の切れ端で応答する習癖があり、その思い付き一般論さえ、岩井優ノ介議員のように瞬時に出てこない瞬発力に欠ける議会長期滞在型共産党公認議員もいるのである。この際、村井真菜議員を次回選挙で世代交代させて共産党公認議員に選出し、「発言の中身あやふやさを、彼女に刻苦勉励を促すことでによって鍛錬したらどうだろうか。」と、ふと共産党員である岸本氏に提案してみようかと思いついたものの、昨年の選挙時に村井真菜議員から私に電話がかかり、「塾に行きたい」と言われて仰天したことを思い出して二の足を踏んだ。村井真菜氏自身が、選挙準備目的の街頭演説をやっている最中の申し出であったからである。「なんでこんな時期に。」と思わず私は聞き返した。すると村井真菜氏は、臆面もなく「将来外国の政治家と英語で話せるようになりたいから。」と応答したのである。女子中学生が将来の夢を語っているのではないのである。これは実話である。このような体験が、私に、共産党についての再考を促したことは否定できない。彼女の生育環境にいたであろう共産党員である周辺の大人はかくも村井真菜議員のような輪郭、骨格の不明なモンスターチャイルド議員を育て上げてしまったのではないのか。幼児的万能感のような部分が温存されているのである。けれどもよくよく考えてみれば、総務常任委員会の席で、「沖縄の基地問題に対する意見書提出の陳情案件」に対して、「こんな難しいこと議会に言うて来てもらいとうない」とか、議員控室で、「今朝は議会に行った寝れるき、えいのう、と近所の人に言われたアッハッハ。」とかの仰天発言の主、吉村アツ子議員もこれはこれでとんでもないモンスターオバタリアン議員であるので、モンスター振りは決して村井真菜議員の専売特許ではない。果たしてこの二人に「刻苦勉励」期待できるかな、担任の先生に聞いてみたい所である。ところで担任の先生って、誰だっけ。

 

西原真衣