呆れた議員達の行状

地方議会の実態から日本を見る

風力発電と蠢く町政(121)

 「四万十ノande間委託契約書」は実態を語っている

 委託事業者名はandeという。会社登記簿によれば、資本金は5万円である。四万十ドラマのHPや地栗ストアの構築実績があり、畦地氏の紹介があったという。議会議事録によれば、地栗ストアの売上は、昨年で5100万円というから、andeが構築したストアは、素晴らしい成績を上げている(因みに四万十ノは過去3年間で486万円と明らかな落差がある。)が、四万十ノとande間の業務委託契約書を見れば、実に不可解な条項が、四万十ノからandeに一方的に突き付けられている。以下契約書である。

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不審点は以下である。

ネットショップ公開日が、令和3年4月10日に設定されている、にもかかわらず納期が5月31日に設定されている。通常、納品→検品→公開というのが順当な手続きではないか。百歩譲って実証的に公開してから手直しを重ね、最終的な完成品の納品とするという事か。それでは実証期間を50日間にも設定したのか、それでは、andeの過去の実績が泣くだろう。ネットショップ構築の実績を買われて委託されているのである。おまけにこの契約内容に違反すれば、

1.公開日より、一日につき1万円の損害賠償金を支払え。

2.5月31日の納期に間に合わなければ委託料の30%(150万円)の損賠賠償金を支払え。

とある。この内容からすれば実証的に一旦公開といういう意図は見えてこない。又令和2年度の実績報告書では、事業(ネットショップ構築)の実施期間が、3月8日から3月31日とある、委託契約と実績報告書で納期が一致しない上に、ネットショップ構築に26日間は常識的に考えて異常な短さである。これは出来上がったもののピンキリとは、直接関係ない。26日しか納期を与えない業務の委託料が500万円という異常さであり、作り込み方によって構築料金にはピンキリがある(議会答弁)という話ではないのである。補助金の概算払いの次期を早めるための算段で、敢て4月10日に公開したのであり、5月31日が真の納期であったのではないかと疑える根拠になる。更に四万十の自社ネットショップの売り上げが3年間で486万円であるということは、年平均売上げが162万円である。これではやっていけないだろう。だからこそ、四万十ノ主導で新たな補助事業の提案がなされたのではないかという状況証拠になる。それにしても、異常なまでに短い納期設定の上で、公開日以降の損害賠償の可能性が仄めかされているという脅迫ぶりである。

このような粗雑にして脅迫的な悪徳業者まがいの業務委託契約に使われた委託料は、500万円丸ごと四万十町補助金である。補助金を原資にここまで損害賠償の発生可能性を示唆している委託契約内容となっている。ネットショップが中止に追い込まれたのも頷ける。

このようにやり方に問題があり過ぎる事業者を町が随意契約の相手としたことが、そもそもの町側の階段踏み外し的行為であったのだ。なぜこのようなことが起きたのか、要因を探ってみれば、

1役場職員は、事業提案に「免疫力」がない

2役場職員は「事業者所得の向上(町民所得の向上)」という口上に弱い

3役場職職員は「ITCに疎い」

以上3点の弱点を併せ持っているために、そこに攻め込まれて、攻め込んだのは四万十ノと四万十ドラマという自称地域商社であるが、役場は瞬く間に敢え無く陥落し、令和2年から3年にかけて4600万円の補助金を棚ぼた状態で彼らに投げ与えてしまったのである。投げ与えた挙句、事業は中断に追い込まれた。自称地域商社2社は、目下責任を相手に擦り付け合いながら血相を変えて逃げ惑っているらしいが、「生産者所得の向上(町民所得の向上)」の為10/10という異例の補助率で獲得した補助金は全額懐に収めたまま、新規補助事業創設の名目にされた町内事生産者への説明責任は、自称地域商社は全く果たしていないのである。実に不届きではないだろうか。この自称地域商社2社は実に町内生産者を愚弄しているが、元を質せば彼らの跋扈を許したのは町である。町担当者は、事業提案に「免疫力」がないために、「対案」も出せず、従って「事業の制度設計の精緻化」もできず、同時に「専門性の対価の査定」もできず、植村有三前賑わい創出課課長議会答弁にあるように「経済活動(収益事業)は民間にやってもらうしかない」という考えに基づき、自称地域商社2社という民間に、補助金4600万円を獲得するという経済活動の門戸を全面開放してしまったのである。彼らの真の狙いは生産者所得の向上に繋がる顧客獲得ではなく、手っ取り早い補助金獲得であったことは、その杜撰で横暴なやり方から十二分に推察できる。このような経済活動を民間2業者に許してしまった町の、町内生産者のみならず町民全体に対する責任は非常に重い。このネット販売推進事業の財源は以下である。

令和2年リバーノート構築費:890万円 ふるさと支援事業(一般財源

令和2年リバーストア構築費、リバーノート運営費:1540万円(ふるさと支援基金

令和3年リバーノート、リバーストア運営費:1890万円(地方創生交付金1/2、ふるさと支援基金1/2)

ふるさと支援基金都は、ふるさと納税の寄付金から経費を差し引いた残りを基金に積み立てた物であり、町民が稼ぎ出し、町に蓄えられた貯金である。町内生産者の商品が、寄付者に訴求して寄付金となって積み上がった町の貯金であり、これが投入されたネットショップは休止状態に追い込まれ、結局今までに支払われた3700万円余りが水泡に帰したということになる。返礼品に魅力があればこそ寄付が集まるのである。だからふるさと納税維協議会会員もネット販売推進協議会会員も(両者は町内事業者であるので重複している)本来もっと怒るべきではないか。ところが、「四万十ノが勧誘した事業者からは苦情の声が多く聞かれ、四万十ドラマの方はそうでもない。(町町森武士談)」別筋からも四万十ドラマの畦地社長は、補助金が出ているという事や協議会の事は事業者には伝えている。理解してもらっていると思っている。」と抗弁しているらしい。けれども畦地氏は、私が出席した9月21日の「ふるさと納税推進協議会全体者会」の場でネット販売推進協議会会長岡村厚志氏が令和2年度の1540万円の使途をしどろもどろ状態で協議会員に対して説明している時も終始無言で、副会長としてのフォローは全くなかったし、「ネット販売推進協議会総会」の場でも出席した知人によれば、「畦地氏からは明確な説明は全くなかった」との事である。会員の前では無言であり、近しい町側の人間や自分の顧客にだけはいい顔をして見せるという畦地氏の特質が露わではないだろうか。又、地栗加工工場のオープンイベントの挨拶中で、畦地社長は、「行政の補助金は入っていない」とスピーチしたらしいが、四万十ドラマは、農林未来基金政府系金融機関農林中金」が100%の基金造成)から3年間で1億円の助成金を得ている(因みにこの助成金は人件費にも使える助成金である)。仮にこの助成金が加工工場建築費に充当されていたとして、確かに行政からの補助金ではないだろうが、助成金交付金補助金は全て返還を求められない「贈与」の性質をもつものである以上、「行政からの補助金は入っていない。」と敢てスピーチする辺りは畦地氏特有の印象操作を狙った演出であるとしか思えないのである。この人物は、彼の判断による要所要所で対面者に良い印象を与えるプレゼンテーションに実に長けているのである。今までの補助金

獲得実績もこの才能に大いに起因しているのだろう。しかるに、「経済活動は民間に担ってもらいつつ生産者所得の向上を図る公益性の高い事業(だから補助率特例10/10)であり、他に替えがたいネット販売スキルの持ち主である四万十ノとサポーターの役割を担う四万十ドラマの2社を補助事業者に選定した」と議会説明し、議会を通して4600万円を交付した四万十町賑わい創出課は、今後に及んでは四万十ノをサポートする考えなど毛頭ないように見える四万十ドラマと、悪徳商法の見本のようなキャンセルポリシーや他契約書二つを作成してきた四万十ノの選定責任をどう取る考えでいるのだろうか。この事業の創設時の賑わい創出課課長は植村有三氏(退職後再任用で現在給食センター勤務因みに再任用者の月額給与は27万円で期末勤勉手当も支給される)現課長は、小笹義博氏である。そして「過去に四万十ドラマが阪急ホールデイングスと共催で「四万十町物産展」を開催した時にも、森武士副町長裁量で町若手職員7人を派遣(出張旅費一人当たり7万円)した位四万十ドラマ畦地社長への個人的信任が厚い」ことからしても、森武士副町長こそが、事業者選定責任とネットショップの今後の動向の鍵を手中にしているように見えて仕方がないのである。

西原真衣