呆れた議員達の行状

地方議会の実態から日本を見る

風力発電と蠢く町政(107)

    「水問題」は政争の具か(その2)

 議会のフィクサーを自認するー堀本伸一議員の久々の「水問題」質問に対して、中尾博憲町長は、どのように答弁したか。以下である。

中尾博町長:「水問題」は時効でもあり、過料も課した。行政側としてはこの問題は処分済みである。

町長答弁には当然信憑性が求められる。町長がどのような嘘付きであってもである。まず「時効」に対する窪川署の回答は以下であった。

窪川署刑事課:平成23年に高瀬満伸町長が、窪川署に「水道メーター」の盗難届を出した。当然捜査に入った。が、有力な証拠は出てこなかった。盗難の時効は7年である。従って平成30年で時効は成立している。

結局盗難者は不明のまま時効になった。ちょっと考えれば分かる事であるが、水道メーターを盗む動機なぞ持っている人間は誰か。メーターを見られたくない人間である。メーター紛失後、違法改造(水道管への違法接続)が発覚している。違法改造者と、メーター紛失者は同一人物であると推測するのが最も合理的ではないか。動機が合致する。この水問題のあらましを理解するには、西の川ハウス取水問題調査特別委員会の議事録を読むに限る。全16回、全部公開で開催している。この調査特別員会が設置されたのが、平成23年11月2日である。不審に思った西ノ川地区の地元住民からの要望を受けての設置であった。この調査特別委員会の調査過程は、当時高知新聞の池本記者(地元出身)が熱心に取材し記事を連載していて地元の関心も高まっていた。実は、私西原の所に、今年の3月頃一枚の匿名の封書が届いた。

内容は、「槙野章議員町職員夫婦の妻との不倫事件で槙野章議員が責任を取っていない(取らされていない)「水泥棒事件」の田哲夫議員が、同じく全く責任を取っていない(取らされていない)ことへの憤り」であった。私はこれを議会事務局に届けて、全議員への配布を求めた。長谷部事務局長の一存で全議員に配布された。だから堀本伸一議員が6月定例会で「水問題」を一般質問通告した背景にはこれが大きく作用している可能性があると見ている。堀本議員は、まだ「水問題」は町民間で風化していない、「ネタ」にできると踏んだ可能性がある。私は、このような匿名の封書に対しては、複雑な思いを持つ。直に議会に対して「槙野章議員不倫事件及び田辺哲夫議員水泥棒事件の再調査を求める陳情ないしは請願」を出せばいいと思うからだ。それをしない理由は何か。おそらく、匿名性への固執である。誰かに何とかしてもらいたいという、依存心とまで言えば語弊があるだろうが、徹底的に受動的な姿勢である。憤懣を晴らしたいが、矢面には立ちたくない、という心理である。このような匿名の封書が突然舞い込む私自身の本音は、このような疑念は、自分の出自を明らかにした上で、「事実解明と納得の行く処分を」と直に「議会」に対して訴えてもらいたいのである。その「議会」である。今までに解明された事実関係が網羅されている調査特別委員会議事録は、議会HP上では見れない。私が、議会HPへの掲載を求めれた所、長谷部卓也議会事務局長は、「議会が判断することだ」と応答した。その「議会」は、私の出した陳情「議会の見える化を求める陳情」を全会一致で不採択にしたような議会であることを承知の上での応答である。つまり町長答弁の信憑性を自分で確認したければ、調査特別委員会議事録を「開示請求しろ」という意味である。議長味元和義、議長の諮問機関である議会運営委員会で堀本議員の一般質問通告「水問題」の質問を許可したが、その質問が引き出した町長答弁の信憑性に係る議会資料は、その文書の存在を自ら探知した上で、開示請求しろという姿勢を示しているのだ。これは、本質的にイカサマ」ではないだろうか。

さて、町長答弁「過料を課した。」である。過料とは、刑事罰である科料と異なり行政罰であり、四万十町給水条例40条と41条がこの過料に言及している。引用する。

四万十町給水条例

第8章 罰則
(過料)
第40条 次の各号のいずれかに該当する者は、5万円以下の過料に処する。
(1) 第9条第1項の規定による申込みをしないで給水装置工事をした者
(2) 第11条第1項の規定による指定を受けないで給水装置工事をした者
(3) 第11条第2項の規定による設計審査を受けないで給水装置工事をした指定給水装置工事業者
(4) 正当な理由がなく第35条の規定による給水の停止を拒み、又は妨げた者
(料金を免れた者に対する過料)
第41条 詐欺その他不正の行為により、料金、メーターの使用料又は手数料の徴収を免れた者は、その徴収を免れた金額の5倍に相当する金額(当該5倍に相当する金額が5万円を超えないときは、5万円とする。)以下の過料に処する。
「過料を課した。」発言の根拠資料を探す目的で、まずは、堀本議員の質問通告に基づいて答弁を用意した環境水道課小嶋課長に問い合わせた。
小嶋課長:調査特別委員会の議事録を議会にもらいに行った。

ここでてっきり、調査特別委員会本体の議事録と解釈した。違っていた。本会議調査特別委員会委員長山上利嗣議員が報告した調査特別委員会報告部分の議事録であった。報告がなされたのは、平成24年3月定例会の本会議である。この部分は、議会HPから検索できる。我々町民には議会HPか開示請求しか文書の閲覧手段がない。方や執行部は、ただ議会事務局に文書をもらいに行けばいいだけである。問う側と答える側の元代表制は、実はここで底が抜けている。底が抜けた二元代表制の残骸物とは、「臆病で小賢しい執行部」VS「頭と柄の悪い議員集団」である。そうとしか思えなくなってくる。本題に戻って、「過料を課した。」の信憑性である。この調査特別委員会報告部分には 過料についての記載は一切なかった。では過料はいつ発生したのか。議会HPで会議録検索すれば、平成26年12月行政報告がヒットした。引用する。

 ■ 西ノ川地区ハウス取水問題の経過について              
9月議会定例会の一般質問に対して答弁いたしました過料の処分ついて、その後の経過を報告いたします。
 まず処分先である「農事組合法人四万十Pot」の状況でございますが、当該法人は平成24年3月31日に解散を行い、現在、清算整理中でありますが、清算人が死亡している状況となっておりましたため、これらの状況を含めた対応を顧問弁護士と協議し、平成26年10月28日付で新たな清算人を選任し、変更登記を行うよう理事に依頼を行ったところでございます。
 この依頼により新たな清算人が選任され、平成26年11月4日に登記されましたことから、平成26年11月21日付で「過料決定通知書」により、過料113,300円を科した処分を通知いたしました。
現在、当該過料については、納付が確認できておりますので、今回の過料処分をもちまして、町といたしましては、本問題についての行政処分を終了したところであります。

過料決定通知を入手した。過料113000円の決定に係る判断が記されている。公開する。

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次いで調査特別委員会報告書から時系列で整理した事件のあらましも公開したい。これは自作の物である。

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上記二つのドキュメントから、浮かび上がってくるものは何だろうか。田辺哲夫議員のしばらっくれ振りと、行政の不作為と怠慢ではないだろうか。大正町時代から合併後にまで持ち越された、「水泥棒」の明らかな共犯者は、田辺哲夫議員ではないだろうか。過料を課された「四万十ポット」が田辺哲夫議員からハウスを借りた平生21年以前から量水器の存在は誰にも確認されていない。用水路への接続もない。量水器の紛失と止水後の水道接続と不正使用は一連の目的によって利害共有者によってなされているとしか推理できない。利害共有者とは、「四万十ポット」代表松本氏(故人)と田辺哲夫議員である。だが町は、未だかって田辺哲夫議員に水道水不正使用に係る行政罰である、過料を課したことはないのである。不正使用を知ってから5年が経過すれば、その間は過料が時効になるらしい(地方自治法236条と231条の3)。5年間遡れば、1030x60x5=309000円を追加で課すことが出来たはずである。平成7年の記録33立法メートル使用料は4980円と試算できるので、基本料金超過分3950円を追徴すれば、追徴過料は、3950x(22+60)x5=1619500円となる。四万十ポットの理事であった田辺哲夫議員にこの追徴過料を課せば、町民感情としては、「水泥棒事件」にある程度決着がつくかもしれない。未だに町民に、水問題への不信感が渦巻いているのは、田辺哲夫議員への不信感に留まらない、議会と行政の狎れあいが強く感知されているからである。その証拠に、過料決定通知書を見れば、過料を課された側が黒塗りである。行政報告によって既に相手が「四万十ポット」であると明らかになっているにもかかわらずである。黒塗りの意味がないではないか。今話題の赤木ファイルも文書改竄の支持を出した側の使命が黒塗りで、指示を受けた側の氏名は黒塗りではなかったと報道されている。「悪い奴ほどよく眠る」とは財務省屋その忖度を受けた官邸の事だろうが、小嶋環境水道課課長は風貌的には悪い奴には程遠い。が、この胡乱さや文書を議会にもらいに行ったなどという発想は、全くいただけない、この人物の前任職が総務課の人事、契約、入札担当であったことを想起すれば、四万十町政は絶望的に定材適所の人事が行われていない。この際、年功序列で管理職になることも再考すべきではないか、と強く思う。おまけに、この小嶋課長は、過料の時効の法的根拠を最初は会計法の30条と私に言ったのである。ネット検索したことを私に対して「調べた」と表現した。ネット検索は誰でもできる。行政罰を執行する際の法令を間違えてはいけない。それは、不法行為に近い。公務員に課せらているのは、法令に基づく文書の作成と保管であるという基本中の基本を理解していない節がある。庁内で、そのような教育が為されていない証拠である。文書の在りかは説明責任の在りかである。法治とは詰まるところ、そういう事ではないと思う。それがなし崩しにされる時、我々納税者は説名責任を果たす気がない首長と官僚組織と議会の三方から、なぶりものにされ、愚弄され続けることになる。そして「税」という同じ釜の飯を囲んだ放埓でいかがわしい縁者間の宴が続くのを横目で見るしかなくなるのである。

 

西原真衣