呆れた議員達の行状

地方議会の実態から日本を見る

風力発電と蠢く町政(103)

「文化的施設」は「子供の未来への投資」という題目

 文化的施設構想が持ち上がったここ数年、髄文と図書館視察が繰り返されてきた。

四万十町議会教育民生委員会視察先:岡山県瀬戸内市民図書館、岡山県奈義町立図書館、島根県智頭町立図書館、土佐市立図書館、オーテピア、中土佐美術館、四万十町立図書館、美術館である。これ例外にも全員研修で、佐賀県基山町立図書館を視察している。時系列で怪訝に思うのが、町立図書館美術館が最後になっているという点である。普通逆ではないだうか。片方で教育委員会も別途図書館視察を実施している。

教育委員会視察先:佐賀県武雄市立図書館、島根県出雲市ひかわ図書図書館、島根県美郷図書館等である。行政側の動向に沿うべく視察先が決定され.委員自らの問題意識からは程遠い。現に地元図書館で、議会議員や教育委員は殆ど見かけない。事務局主導で視察しても、彼らが一堂に会して、意見交換や情報交換は疎か、白熱した図書館論など戦わせたことは皆無である。いずこでも事務局が黒子としてお膳立てと根回しに走るので、そのようなことは無用の長物と見なされている。視察によって、共通の既視感、イメージ形成を図ってもらえばそれで良いのであ。そして彼ら(事務局)の目論見通りの事が実現する。ここで、訂正、実は生涯学習課林課長によれば、令和元年11月12日に教育委員会、議会教育民生員会合同会議が開催されたと言う。初耳である。それもそのはず議事録も取らず、何も公表されていないから、こちらとしては、知り様もない散々視察に言った挙句意見交換会状の発言を記録し、町民に公表すべしという考えは毛頭ないようである。この時の意見交換会メンバーを記載したい。彼らはこぞって議事録を等閑視する。事務局のお膳立てがなければ、発言の体を為さないと言う事か。

四万十町議会教育民生員会: 委員長:中屋康、副委員長:村井真菜、委員、岩井優ノ介介、緒方正綱、酒井祥成

教育委員:横山順一、坂本惟子、佐々倉愛、石崎豊史 教育長:川上哲夫

結局、

教育委員も議会教育民生委員会も何も期待されていない

という事が頭をもたげるのである。であれば、議員報酬も教育委員報酬も無駄金である。平たく言えば、事務局のシナリオを妨害しないことだけを事務局から期待されているのである、情報と金(予算)を握っている側が常勝するのは世の常である。そして考えようによっては、期待されていないことは、期待されない側からすれば楽勝でもある。こんな楽なことはない、だが、そこには沽券が付きまとう。何せ「議員さん」であることに、こよなく自尊心を擽られている御仁たちである。ここまで来れば、猿が人間の戯画として登場する不朽の名作「猿の惑星」のようでもある。「議員バッジ」に発情している猿集団である。その秘かな仮説を裏付けるかのように、古谷幹夫委員長が口火を切った。委員会室には、説明のために「文化的施設整備推進準備室」全員が、物々しく控えていた。先立っての4月27日の事である。一見猿の家来の如く神妙な風情で控えてはいるが、実は彼らの方が、実質的な社会的身分(地位と報酬)が上である。ここにもあからさまな戯画がある。

古谷幹夫委員長:今、各諸団体への説明会が開催されていると聞いている。住民説明会配布資料にはない資料を別途要求した。委員のお手元にある資料がそれである。今からこの資料について大本政策監から説明してもらいたいと思う。

すかさず傍聴席で配布資料とやらを捲れば、確かに表紙は、「各団体説明会用資料」であり、その中に「住民説明では省略」と右上に赤く印字された6ページの資料が目に入った。

「これまでの経緯①②

「今後の取り組み/広報関係」①②

文化的施設整備事業4~9月の主な業務内容(予定)」

文化的施設整備事業費内訳」

各種団体向け説明会とは1月にやった小学校区下の住民向け説明会とは別に、区長会やPTA等の各種団体の総会等に出向いて行って「文化的施設構想」への理解を求める説明会の事である。今続行中で、全部で30から40団体をしらみつぶしに回る気らしい。

「絨毯爆撃」である。人的資源と予算を惜しみなく町民の頭上に投下し、「ご理解いただきたい」とやるのである。慇懃無礼などという域ではない。戦略なき決死隊いわばインパール作戦である。猿中の猿である中尾町長の特命が、元財政班の大元氏や西尾氏という、数字に強く頭の切れる優秀な職員に下っているのである。ここで中尾町長が君臨する猿の惑星四万十町が、今どのような惨状を呈しているかを別事例を引用しながらお伝えしたい。

1.各種団体の中に、なぜか、「教育委員」図書館協議会が入っていることの怪である。教育委員とは独立行政委員会の執行機関であり、議決機関である合議体である。確かに、「地方教育行政の組織と運営に関する法律」の改正で、「教育総合会議」の設置や、教育長の首長選任が可能になった、だから事実、図書館や美術館を首長部局が所管できるようにもなったのであるが、それにつけても、首長である猿が選任し、猿集団である議会が同意議決した教育長とは、川上哲夫教育長や、山脇和章教育長のような知的レベルを呈してしまうこことは避けがたいのである。実例を挙げよう。

1.川上教育長は、「忌憚なく自由闊達に意見を言える静謐な環境を確保するためには、議事録に発言者名を記さないことが望ましい。」と議会発言した教育長であり、これは究極の無責任体制(職務上の発言の主を曖昧化できる)、つまり「インパール作戦」の精神の体現である。

山脇和章教育長は、ベネッセコーポレーションに委託している英語4技能検定試験の委託契約書に、「契約締結の事実を第三者に開示、漏洩しないこと」という、実に理不尽な秘密条項があることを完璧に見逃していた。川上哲夫教育長や、山脇和章教育長のような本人の「読解力」が実に疑わしい教育長の下での「文化的施設」が、どのようなものになるかは想像に難くない。「プログラミング教育」云々前に、「読解力」が無ければどうしようもないのである。安倍晋三首相や菅義偉首長の国会答弁が、国民にとって実に「読解に苦しむ」ものあった、あることの国民的既視感の共有こそが今最も重要ではないのだろうか。この現象をシンクロニテイ(同時発現性)というらしい。翻って議会教育民生常任会、新しく組成された教育民生員会の構成は、以下である。

委員長:古谷幹夫、副委員長 武田秀義、水間淳一、田辺哲夫、堀本伸一

以下議事を概ね拾ってみた。

大元政策監:今各種団体向け説明会を実施している全部で30~40団体を回る予定である. 図書館協議会では、「文化的施設設置条例の中には、施設設置目的を書くべき」との意見をもらっている。

注釈:文化的施設の「中身」を考案できるような意欲及び能力は、今や猿の惑星である四万十町には皆目ない。よって「中身」は外注である。コンサルタントに外注した「中身」は極めて不評である。基本構想も基本計画も、「意味不明」と誰もが言っている。具体性が全くないのだ。コンサルタントが注入した実質のない空虚なレトリック(修辞)を引き下げて、猿の「部下」はひたすら辻褄合わせに奔走するしかないのである。さぞやストレスが溜まるであろう。そして達成感など持てないであろう。猿に仕える悲哀である。IT(information techonology),DX(desital tarnsformation), STEAM教育(science, technology、engineering、art、mathematics)という外来議は、意味が分からないからこそ有難いのである。これこそ最強のレトリックである。コンサルタント「Academic Resourece Guide」 発刊の季刊誌[Library Resourece Guide」を教育長室に持ち込んで、その中に書かれていたアドボカシー(dvocacy)とレコメンデーション(reccomendation)の意味を山脇教育長に聞いてみた。答えられなかったことは言うまでもない。意味不明の中見をコンサルタントに外注して町民の頭上にばらまくことの悪戯について考える能力がなければ、その職責は果たせない。はっきり言えば、教育長としての職務遂行能力が低過ぎるのである。では四万十町議会議員教育民生委員会の職務遂行能力はいかがか。

田辺哲夫:嘆願書が出ていると聞くが、反対する意味が分からない。嘆願書の内容は一体どような物か。嘆願書のその後の動きは。

注釈:嘆願書の写しは既に全議員に配布されている、紛失か、失念か若しくは読んでいない。この杜撰さと多弁の組み合わせが、この議員の議会質疑の特質である。恐らく発言すること自体に個人的意義を見出しているのであろう。

大元政策監:団体説明会でも、反対意見があると伝えている。内容までは踏み込んでいない。

武田秀義:嘆願書には町としてどう対応する考えなのか。

大元政策監:嘆願書には、内容を精査した上で、町の考え方を整理した上で、文書回答を考えている

注釈:実は、当初は嘆願書には文書回答で応じない方向で庁内で調整が為されていた。「町民からの問いかけにに答える」方向性ではなかったのである。

堀本伸一:住民説明会での反対意見への反応はどのようなものかを聞かせてもらいたい。

 大元政策監:施設のランニングングコストへの懸念に対する説明は必要であるという意見は出ている。

古谷幹夫:過去の議会質疑の中でランニングコストについて川上教育長が答弁している。今までの議会でのやり取りが嘆願書提出に繋がっている。

 水間淳一:議会質疑で答弁しているのがここに出ている数字、7000万円か(古谷委員長を見ながら聞く)

注釈:議員最高齢の水間淳一議員は、常に委員会の場で他の議員から情報を得ようとする。その情報のついばみで、自分の議会質疑の内容を用意し、議決の判断に繋げる腹づもりであろう。実に安直、粗略である。今回は、文化的施設維持管理費用7000万が、議会答弁されたかどうか確認している。田辺哲夫議員と同様に、議会質疑の記憶が飛んでいる。行政職員の気力、体力、知力に対抗できなければ、行政監視は覚束ない。議会とは、選挙と選挙のインターバルに「票の行方探知情報を交換する場」をやる所ではないが、むしろ、それしかもはやできない「老害政治」の生きた見本がここにある。尤もこれは政権中枢もしかりである。

 大元政策監:平成29年度の決算認定議案質疑の中で行われた自由討論の場で、川上教育長が答えている。基本設計が完成したので、ランニングコスト試算や住民説明会での住民意見を踏まえて併せて、意見公募を実施する予定である。今準備室が策定中のサービス計画の策定目的で、基本構想や基本計画策定時のような検討委員会を正式に立ち上げる予定はないが、その代わりに同じメンバー(かっての検討員会メンバー)に数回集まってもらって、ヒアリングをしたい。6月定例会には、その為の費用弁償(日当)を計上する意向がある。基本設計は完成しているので、住民説明会での意見も踏まえ併せて、意見公募を6月中旬に実施したい。9月定例会で、実施設計を予算計上する意向である。

注釈:議員全員が嘆願書(文化的施設建の再考或いは中止を求める嘆願)を非常に気にしていることが伺われる。705筆もの署入りでは無視できない。それで住民説明会の場における嘆願書への住民反応を探ろうとしている。因みに武田秀義議員議員は、嘆願書提出代表者に同行し、町長室に赴き一緒に嘆願書を提出している。嘆願書を提出した団体は、6月定例会に同趣旨(文化的施設建設の再若しくは中止を求める)の陳情を四万十町議会に提出予定だそうである。委員会質疑を総括すれば、「文化的施設への町民反応を探りながら、町民から反感を買わない手法(議会としての対応)を委員会内で申し合わせ、文化的施設案件を議会として決着させる方向性を見出すという姿勢に尽きる。町の文化施策に踏み込んだ質疑は皆無であった。何とも貧層極まりない委員会である。この後、興味深い一幕があった。トイレ休憩時の事である。私の傍聴仲間のK氏が、古谷委員長に質問したのだ。

K氏:古谷君よ。四万十町の文化施策がどうあるべきかの議論が全く聞こえてこないことを君はどう捉えているのか。

古谷幹夫議員:ここは、そんなことを言う場じゃない。どんどん事業が進んでいる。状況把握をして「議会としての」対応を決めなくてはいけない場面である。文化施策はそれから後のことである。

注釈:この発言がすごい。私も経験した。自分が設定した議事外の感想、意見は傍聴者に対して「言うべきでない」と封じようとするのである。自分の議事設定や委員会審議内容への批判を全く受け付けることができないとという、驚くべき「容量」の小ささである。老化現象ともとれるが、議員である以上本質的には、「議員脳キャパシテイ」の問題であろう。議員としての「問題意識メモリ」を格納するストレージ容量に問題があるのである。その意味では、委員会全体が同列である。「票読み」は議員脳の脳幹部分、つまり本能的な生存欲求部分であり、これを否定しはしない。が、脳幹でしか反応しない議会を税金で維持する必要が果たしてあるのだろうか。脳死寸状態と言えなくもない有様である。これが、委員会質疑を見なければ、実態把握できない四万十町議会の実態である。

だから委員会議事録を速やかに作成、公開しろと言って来た、我々町民にはこの惨状を知る権利がある。

最後に、議員限定のページを公開したい。行政サイドは、このような内容で、妙な「議員特権(議員にしか知り得ない情報提供をする)」を醸成してはいけない。それは間違いなく「老害政治」への加担に繋がるからである。

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西原真衣