呆れた議員達の行状

地方議会の実態から日本を見る

大藤風力発電から四万十議会を見る(1)

     風力発電勉強会が開催された

 

大藤風力発電の勉強会に行って良かった。北海道から駆けつけてくれた市川守弘弁護士は、大規模風力の問題点を実に具体的に、分かり安く解説してくれた。以下が概要である。

四国は電気が余っている。発電した電機は首都圏へ送られる。原発も風力も立地は過疎地である。再生カ可能エネルギーだけで、ゴーサインは拙速である。医学的因果関係こそ立証されていないが、健康被害が多大報告されている。山の稜線がバリカンで刈ったように皆伐される。取付道路や管理道も新たに設置され、膨大な土砂が出る。土砂災害の危険性が大である。環境アセスメント法は、作らすための手続き法である。自全意見によって求められた環境影響回避、低減措置とは、動植物の巣箱の移動や希少植物の移植でしかない。保水力調査も立地部に見であり、山全体には及ばない。調査しているのは、下請けが雇った学生アルバイトである。地元には固定資産税が若干入るのみ、健康被害や環境破壊は金銭では測れない。圧巻は、原発メーカーが風社メーカでもあるという事。これは説得力があった。止めるにしくはない。そこで、議会動向をモニターした。その前に行政との問答で、解せない話を何点か耳にした。

1.事業者が事前意見を求める目的で作成、行政に送付し、公告、縦覧に付環境計画段階配慮書、方法書、準備書、評価書の全てに事業者の著作権が設定されているため、縦覧期間(1ケ月)以降は閲覧できない。

2.知事は、意見を出す前に、関係自治体に意見を照会するとアセス法に規定されているが、関係自治体の意見が関係自治体住民に知らされない。

3.意見公募で出された一般住民からの意見は、事業者が取りまとめて、県に報告するとアセス法に規定されているが、その内容は、一般住民には知らされない。

4.知事が最終的に諮問する環境影響評価技術審査会の議事録は公開されるが、肝心な会議資料が公開されない。

これだけで環境アセス法が、実に作為的なザル法であることが十二分に察知される。

さて、肝心な地元住民代表、四万十町議会は、この問題にどう取り組んだか。

令和元年3月定例会で武田議員、村井議員から、風力発電に対する町の意向が質されている。この時の町長答弁は、固定資産税の増収が期待できるという、問題意識の極めて低い、事業開始に前向き答弁であった。

令和元年8月27日総務常任委員会で、大藤風力発電事業計画に対する町長の所見を聞いている。ここでも町長発言によって、「行政の立ち場では、民間企業の企業行為を規制できない。」という受け身な姿勢が示されたようです。その時、事業中止を求める[四万十町の自然を守る会」代表の佐藤さやさんが、傍聴に来ていた。傍聴席で隣であったので、偶々彼女から請願を今日提出すると聞いた私は、持ち込んでいた議会基本条例中の、「町民からの陳情、請願は町民からの政策提言と位置付けて、審議される委員会の場に、説明を受けるために、陳情、請願提出者の出席を求めることを義務付ける。」という条項を見せて、古谷幹夫総務常任委員長に委員会に説明のため呼ぶことを申し入れることをアドバイスした。休憩時間に早速彼女は古谷委長の所に飛んで行き、その旨を伝えていた。その時は実ににこやかに、「条例にある以上、当然呼ぶ。」と彼女に言ったのを、私も聞いたつもだったが、いざ蓋を開けてみれば、古谷委員長は、佐藤さんを呼ばないで済ませようと計らとしか思えなかった。なぜかと言えば、9月定例会で請願審査が付託された総務常任委員会(令和元年9月12日9:30開始)の席で、開会前の古谷委員長と私の会話

「古谷さん、昨日別件で佐藤さんと電話で話したんですが、今日の総務常任委員会の開催知りませんでしたよ。彼女を呼んでないんですか。」

「呼んだ。前日に連絡した、タイミングが違っただけだ。」(この人は自分の落ち度を指摘されると向きになるという習性がある。)

佐藤さんの説明は、以下から始まった。その前に古谷委員長が彼女に対して「手短に」と促し、彼女が、「それはできません。」即座に撥ね付け、脱兎のごとく出て行って、資料の複写ヲ求めて議会事務局に駆け込んだことを、ここで特記する。

「私は、腹が立っています。前日、今日開かれると聞きました。結局準備ができませんでした。昨日は畑仕事をしていました。議員さんを説得するためにもっと準備したかったのに、事前に申し入れまでしているのに。まちづくり基本条例に書かれていることととやっていることが、全く違うと思います。」

私は傍聴席で、心中快哉を叫んでいた。そこで小声で、今日開かれると誰から聞いた、と彼女に囁いてみた。即座に古谷委員長から、「傍聴席は私語を控えるように。」と、私に対して注意が飛んだ。自分の対面を守ったなと即座に思ったが、むしろその後の佐藤差に対する古谷委員長の言い訳が聞き捨てならなかった。

古谷委員長「請願陳情文書表で審査するのが基本で、提出者には補足説明を求めるのが、制度の趣旨である。何日もかけて準備してもらう必要はない。あの時(申し入れを受けた時と今回は話が繋がっていない。」

佐藤さん「意味が分からなんですけど。」

私は、一部始終を聞いて、圧倒的に佐藤さんに肩入れする。「四万十町の自然を守る会」が勉強会を重ねて懸命に積み重ねてきた知見や風力を止めたい思いを、果たして「手短に」説明できるものだろうか。佐藤さん達のような移住者が、この町に何を求めて移住してきたか、そこにある自然の希少性にいかに地元民が逆に,無知、無頓着か。ここは到底「手短に」で済む話ではない。その実感を語れる人から説明を受けるからこそ、政策提言に値するのじゃないかと、私は思う。古谷委員長、あなたの頭の中の回路こそが繋がっていないんですよ。失礼ながらそう断言せざるを得ません。事後的に確認したところでは、

9月9日の議会運営委員会で請願付託先が決定され、佐藤さんが古谷委員長から出席要請を受けたのが、前日の11日の午後5時だった。11日午前中の私との会話で、12日開催を知った佐藤さんは、その日のうちに議会事務局に何度も電話して、古谷委員長の意向確認をしている。そのたびに委員長から連絡はありませんかと言われ続けて、連絡を待ち続けたそうだ。待てども待てども連絡がないので、再度議会事務局に電話したら、やっと、事務局から古谷委員長に打診して、その結果を伝えますという事で、事務局から連絡があったのが、夕方5時だったとの事。佐藤さんが怒るのは無理もない。もうここまでで、四万十町議会が大藤風力春発電に対して、真摯に向きあっていないことが、十二分に分かる。が、その後の質疑応答部分で、町と議会の動向が透けて見えてきた。

 

 

請願紹介議員の武田秀義議員と村井真菜議員の説明、請願提出代表者佐藤さやさんの説明が済み、質疑応答が始まった。