呆れた議員達の行状

地方議会の実態から日本を見る

風力発電と蠢く町政(9)

 オリックス社「議会にご説明したい」と申し出る

先日四万十町議会議員の村井真菜氏のSNS上で、「今日は、午前中は、オリックス社の議員説明会で、午後からは、高知町村議会議長会の記念式典と講演会です。」という記記載を見た。オリックス社の議員説明会って何だ、と思い、岩井優の介議員に聞いてみた。オリックス社からの申し出で、議員が議員派遣(議長会記念式典出席、開催地高知市)のために参集する機会を捉えて、出発前に40分ほどの説明会があった、という事であった。中尾町長及び四万十町各課管理職も勢揃いの説明会であったそうだ。オリッス者は、3名が出席、プロジェクターを持ち込んでの説明、議員数名からの質疑もあったようだが、行政職からは、質疑が全くなかったそうだ。中尾町長、風車から出る健康被害上問題視されているのが、超低周波なのか、電磁波なのか、質問しなきゃ。それと、山本康夫企画課課長、二酸化炭素が排出されず、地球温暖化を促進しない再生可能エネルギーに、原発が入るかどうか、質問しなきゃ、中井四万十川対策室長、「意見公募で寄せられた意見の要約とそれらの意見に対する事業者見解」を町HPで掲載するよう要望が上がっている(町民から)旨、オリックスに伝えなきゃ、とこれだけ咄嗟に思ったが、そのような発意の発揮も行政側に全くないとは、それだけで「オリックスサイドからの非公式な議会対策目的の説明会に町が全面的に協力している。」としか解釈できない。このブログもアクセス解析によれば、「大藤風力発電から四万十町議会を見る。」辺りに、アクセスが集中しているので、概ね因果関係も成立する。

質疑の中身は、岩井氏によれば、

田辺哲夫議員:工事に伴って排出される土砂による土砂災害の危険性は。

オリックス側:.万全を尽くす(具体策には言及せず)。

村井真菜議員:20年後の風車の撤去は。

オリックス側:撤去はするが、20年経てば、風景に馴染む。

岩井優ノ介議員談:風車搬送路の画像を見て、議会での山本康夫企画課課長答弁「既存の林道を使用すると事業者が言っている。」に合致しない、新設の幅の広い道を目にしたので、もう一回見せてくれと言ったが、オリックス側が見せてくれなかった。他の議員から、時間がないとか、他の議員も質問したいからとか、制止された。

 説明会を申し入れて来たのが、オリックス側でありながら、岩井議員が「見たい」と言っているものを、説明者であるオリッスク側が、プロジェクターをプレイバックして見せようとしなかったことに対して、どこからも批判的な意見が出ていない。他の議員からも町側からもである。土砂災害対策として、設置工事に併用した貯水地の設置等あるはずであるが(勉強会で市川弁護士から学習)、それも、勉強会に出席していた田辺哲夫議員の追加質問に出てこない。村井議員の質問に対しても、「風車が風景に馴染む」とは撤去を急がない、しばし放置するの含意か、それにしてものうのうと。いずれにしても、オリックスが作成した方法書を精査した筋によれば、大正の希の川の橋から一の又の山頂までの林道を谷を埋めて拡幅して、ブレード片翼40mを搬送すると、読解できるそうだ。谷を埋める土は当然山から切り出す。谷にパイプを埋める等の丁寧な工事ならいいが、ただの埋め立てであれば、その後の土砂災害が当然危惧される。ここを追及されたくないから見せないのか。

 このような状況下、別筋によれば、昨日は町内ゴルフ場スカイベイで、武田秀義町義主催の町長杯ゴルフ大会が開催されたそうな。80人程度の参加があり、中尾町長始め、武石俊彦高知県議会議員や、地元土建事業者達で、賑わったらしい。武石県議に関しては、このゴルフイベントは、既に水面下では動いているらしい町長選への布石と見た。そう言えば、昨日、武石県議の県政事務所前を自転車で通りがかって気が付いたのは、今まで外に出していた「武石俊彦県政事務所」の看板が事務所内にしまわれていた事である。つまり、本格的に町政に軸足を移したと見える。おそらく自民党からの離党が拍車をかけたのだろう。しかし、武石県議は、中尾町政の一期目から、町長主催の住民座談会の席に必ず同席したり、四万十議会に武石県議が、講師として招かれたりがあった。あの頃は、次世代園芸と木質バイオマス事業、奥四万十博が目玉事業であった。高知県庁から担当課職員まで同行して、本会議場を使った、不自然にものものしい講演会であった。全体として、県政を浮揚させる重要施策が展開されている四万十町と鼓舞された様な記憶があるが、私としては、相当に違和感があったし、その時の配布資料が、尾崎知事の県議会での施政方針の写しであったので、当時高知県議会の議長として、尾崎知事のメッセンジャーを自認しているのかと、かなり白けた気持ちになったのを覚えている。そのような記憶を手繰り寄せつつ、次期町長選を見る時に、今から25年近く前に、武石県議が県会議員選に初出馬する時、当時の窪川町長前田哲夫氏と、同志社大学の先輩、後輩の間柄であったこともあって、昵懇であったことを覚えている(前田町長は、窪川町商工会青年部長武石俊彦氏を俊彦君、と呼んでいたので、関係性が想像できる。)が、確かに当時、商工会青年部長で、商工会青年部はかってない活気を見せ、「武石さんについていく。」と人望があった武石氏を自宅でミニ集会等開催し、それなり応援していた私が、「なぜいきなり県会議員選なのか、町長選や町議選と言う選択肢はないのか。」と聞けば、「あの雰囲気に染まりたくない。」と言った事が、25年の時を経て思い出される。

 結局政治家は、長くやればやるほど、つぶしが効かなくなり、適者生存の原則通り、政治家という特殊な専門職に進化していくのか。つぶしと言えば武石県議が主催する、自民党を離党するまで数年続いたという富士山登山のイベントには、森武士副町長の家族全員参加とか、川上哲夫教育長の姿もあったとか。安倍晋三首相のお友達政治の真似事かと、思ったが。昨今政治の世界は、政策論争より何より、気心と縁脈が、何より大事らしい。実に嫌な時代である。結局彼らも全員、自分の「つぶし」にからきし自信がないのだろう。ところで、町長杯の中尾町長、町長杯参集メンバーからすれば、議会答弁「経済的恩恵を受ける町民」って結局土建屋の事?、でも風車病の被害を受けるのも、損なわれた景観や、自然環境の被害を受けるのも町民なんだけど。それに、経済的恩恵は一過性で、被害のタイムスパンの長さや自然環境破壊の修復不能性位、比較の上で考慮できなきゃ、町長なんだから。知人が転送してくれた、twitter上の新聞記事が今年の3月から稼働している、高知県大月町の大洞山風力発電(グリーンインベストメント)の住民健康被害を伝えている。この新聞記事は残念なことに、地元紙、高知新聞の記事ではない。「長周新聞」と言う新聞である。ここに、転載させてもらうことにした。ご一読あれ。医学的因果関係の立証はなくても、報告が実在するのに、それを注視しないのは、信任に値する政治とは言えない、と私は思う。納税者が、最後に求めるのは、実にそこではないか。

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 元四万十町議会議員 西原真衣