呆れた議員達の行状

地方議会の実態から日本を見る

風力発電と蠢く町政(48)

   総務常任委員会の請願審査場面実録

四万十町議会3月定例会総務常任委員会請審査議事録(R2/3/12)

請願内容

①(仮称)大藤オリックス風力発電事業計画の中止を求める請願

ヤイロチョウのさえずる町づくり条例の制定を求める請願

古谷幹夫: 6月までには、オリックス社に依頼して、議会と町共催で、住民対象説明会を開催したい。
きらら大正で開催された大正地区住民限定説明会に出席した。その時のオリッスクス社配布資料がこれである。
環境影響評価上の手続が今、どこまで進捗してるかの説明を受けた。
四万十川対策室の中井君によれば、杓子頂上付近の2か所で風況調査に入り、20242年に工事開始、2026年から稼働開始予定である。
住民説明会の開催は住民からの要望でもある。それを経てから請願の採択、不採択という結論を出す考えはどうだろうか。傍聴に来られている西原さんから提供された「住民意見に対する事者見解」、「事前意見とそれに対する事業者見解}という資料もあるが、項目が多いので、この委員会の場で一々審議するのは難しいので各自家で読んでもうことにしたい。視察結果の取りまとめも怠けていて、まだできていない。一番重要なのは町がどのようなメリットを得るかだ。固定資産税額とか町有地の賃貸料だ。
町有地の貸借には、議決がいらないという悩ましい問題もある。町が受けるメリットについては、今会期中に町から資料を入手する考えである。
まず説明会の開催と請願審査の結論をいつまでに出すかについて各委員の意見を聞きたい。

田辺 哲夫:1回の住民説明会では、住民はまず理解しないし、説明会には反対している人間しか来ない。反対派が質疑するので反対派の意見だけ聞いて帰ったという事になりかねない。町のメリットは、ずばり金だと思う。

水間淳一: 窪川の東庁舎でやった説明科に出た人に直に聞いたことがあるが、反対意見ばかりで嫌になったと言っていた。

下元 昇:説明会をやってもどうせこのような資料を配布し、後はパワーポイントで説明するだけだ。質疑応答はあるだろうが、実質意味があるか。

古谷幹夫: 風車は2割が四万十町側に、8割が四万十市側に立つ。請願を採択しても、止められない。とすれば町が受けるメリットを町民に理解してもらうのが望ましいのでないか。

堀本伸一: ヤイロチョウ関係の請願も出ている。反対しても止めれないとなれば、オリックスと取引をして、オックス社をヤイロチョウ保護のスポンサーにする手もある。
町がバカを見たということにだけはしてはいけない、この種の問題は常に賛否両論ある。わしは原発に反対してきた以上、再生可能エネルギーには反対とはいかない。
議会としては、オリックスという企業に対する関所となって、町の利益をどう確保し、町民の福祉の向上につなげることができるかが、議会が焦点にすべき点だと考える。
本来これは町長の仕事だ。

古谷幹夫: 条件闘争という事か。

水間 淳一:稜線を歩いた時に感じたのは、四万十町が反対しても四万十市側に建設可能であると言う事だ。噂では四万十市議会は賛成している。


吉村 アツ子:噂じゃなくて直に、知り合いの議員から賛成だと聞いた。


古谷 幹夫:愛南町が反対で、宇和島が賛成だったと聞く。両方ともスーパー林道が既に開設されていたので、搬入時には土砂災害の懸念がなかった。
檮原町スーパー林道がある。檮原や津野町、大月町でも風車の見える公園等を設置し、町の観光名所にして、町の振興を図っている。
大月では今時企業誘致も難しいので、風車を観光名所にと考えたという話も聞いた。

吉村アツ子: 愛南町宇和島市でも視察時に対応した行政側は、賛成の立場であった。風車病や騒音については、行政側が相談窓口を開設すればいいのではないか。

下元昇: 騒音風車病はさて置いて、土砂災害と四万十川の汚染の懸念については、農業面でも圃場整備によって田んぼの代掻きで土砂が四万十川流入している。
浅く掻くことや止水版の普及を試みたがなかなかうまくいかない。今後の課題であり、継続的に取り組まなくてはならない。

古谷 幹夫:昔に比べて今は、4月5月は、川の水量が減って渇水状態になる。そうなれば余計に濁りが目立つ。

田辺 哲夫:今議会にも町の独自調査で四万十川の水質調査の予算が僅か百数十万円組まれている。これで何と比較するのか疑問に思う。

古谷 幹夫:それは一般質問でやってもらうと言う事で(ニコニコしながら)。

水間淳一: 子どもの時から川で泳いできた. 当時から川は濁っていた。74年間川を見てきた。

堀本伸一: 作業道開設工事中も河は濁る。十和では、木を切り倒して一般道路の開設もやってきた。それで四万十川がだめになったということじゃないけに。

古谷幹夫: 大正、十和の同僚議員筋の情報によれば瀬里周辺への区長を中心に賛成意見も出ているという。希の川の橋の向こうが風車の半周口である。
四万十町は山の作業道の路網密度が高く、急峻だが頂上まで最短距離の作業道が既に開設されてる。風車の基数が2割でも、希の川から搬入すると運搬コストが最も安くて済む。作業道の拡幅工事は必要になって来るが、拡幅部分は舗装はしないだろう。作業道の管轄はどこか、これも調査が必要である。木質バイオマス事業で増設された作業道も立派な作業道である。オリックスがこの地を選んだ理由はこの辺にもあるのだろう。
自伐林家の開設した作業道と森林組合の開設した作業道は、見ただけで全く別物である。

堀本伸一: 田辺議員、希の川辺りは、水源が近くにあるか。

田辺哲夫: ある、作業道が密な理由は、大正町がずっと林業立町をやってきたからだ。木材価格が低迷しているので確かに作業道の使用率は低い。今だに地元で責められる。
わしは、そのたびに、こう言っている。作業道の開設で林業者が潤った。

下元 昇:住民説明会には、賛成派住民の参加も促す方向でやって、事業が町に取ってどのようなメリットがあるかを理解してもらう必要がある。
あと、町の環境基本計画書中の再生可能エネルギー普及の推進面で、風力発電事業では、小さな規模とあるのでこれをどう解釈すればいいのか気になっている。

 以上議事録速報である。この総務常任委員会傍聴後に、気になる点があったので、四万十市役所農林水産課の岡村氏(林地開発担当)と、四万側対策室室長中井氏への聞き取りも行った。

四万十市農林水産課岡村氏:地元5地区に反対住民はいない。高齢化、過疎化の中で、風力設置に起爆剤を期待している。最も近い人が400mだが、反対の意志はないと聞いている。市も市有地賃貸証明書はオリックス社に提出したが、正式な契約ではないと理解している。分収林の保護組合もあり、市有地にも、高樹齢の林地もあるが、調査段階では協力しているということだ。地区住民説明会では、オリックス側から地区の集会所の補修費用負担や風車の管理道の草刈を集落に委託する等の話が出ている。直に地元十住民宅にオリックス社から電話がかかってくることもあるらしい。騒音や風車病に対する予防、予防措置についても、説明会で住民に対して言ったことを書面で交わすことで、企業側に守らせるよう考えている。
大型林地開発の際には、市長意見と知事意見が必要とされる(森林法)、意見書の中で、土砂の処理や土砂災害時への対応を書き込むことができる。
市議会では一般質問が一度出ている。陳情請願等は時に耳にしていない。
総工費400億円と聞いている。町側2割、市側8割とは解せない。打井川に送電線を埋設できないので、愛媛県広見を送電線の起点にすると聞いている。
その状況下で町側の風車基数が2割であれば、収支が合わないのではないか。送電線の負担額は膨大である。


四万十町四万十川対策室室長中井氏: 2割、8割の話は自分が出所ではない。宇和島と立地予定地には委員会視察時に同行した。古谷議員が、きららの説明会に出席したと言ったのは、言い間違いで田野々での説明会ではないか。法定の悦明会には自分も出た。古谷議員も来ていた。昨年の大正地区での説明会のことは自分は関知していない。

 私としては、きららは地区名ではなく、きらら大正という会場名であり、言い間違いは起こりにくいのではないかと感じるし、地区住民限定というチラシを区長宅で戸別配布したオリックス社は、事業中止を求める請願の付託委員会の委員長を説明会に招待しても不思議ではない。区長から地元大正、十和の議員という賛成意見伝播ルートがあり、そのルートの渦中に地元大正の味元和義議員もいるのである。味元議員の本業である製材業の製材工場は、風車の搬入口とされている、希の川の地の搬入口のごく近隣にある。この人物は産業経済委員会でも「おが粉工場の今後について」を巡って、非公開で農林水産課課長の悦明を受け、委員会内で審議することに異を唱えない人物である。議員報酬引き上げ時にも全員協議会で「この給料だと高知県の町村議会で何番目の報酬になるか。」と議長酒井吉祥成に質問している。ここは録音機を止めて議事録に残さなかったことは、その場に居た私の記憶に新しい。私がかって知人と共同で、下元昇議長に対して、「特別調査員会を立ち上げて、オリックス社に説明させるべきではないか。」と持ち掛けた時に、下元昇議長は、昨年の大正地区住民限定の説明会に関する情報がまったく議会に入ってこないと、我々に対してぼやいて見せたが、今回の議事を読む限り、これもかなり怪しむべき発言である。筋書きは出来上がり、風車を止める意向はなしで、「将来に禍根を残さない(広報誌新年議長挨拶)」とはいったい何を意味しているのだろう。オリックス社に質疑するのは、一義的には住民ではなく、議会議員でしょうが。オリックス社作成説明資料を委員会に持ち込むとは、一体何事だろうか。私が提供した、関係市町村に送付された「住民意見の概要と事業者見解」高知県環境共生課が取り纏めた「事前意見と事業者見解」は、項目が多いので、とてもじゃないが今審議できないので、定例会後に各自家で読んでくれっ、て古谷議員そりゃないでしょう。既に読んでることが審議の前提でしょうに。「情報を依存することは、判断を依存することである。」と言ったのは、元総務官僚、総務大臣鳥取県知事の肩書を持つ片山善博氏であるが、古谷幹夫議員が長年在籍した農協って、自らが情報を収集しなくて勤まる所だったのじゃないか、むしそうでなければ務まらない所だったんじゃないかとしか思えなくなってくるのである。オリックス社に情報を依存している以上、判断もオリックス社に依存することは必然である。ところで、オリックス社が、町民福祉の向上に関心があるわけないので、オリックス社と取引ではなく、オリックス社を査定して、その実態を町民に知らせ、町民福祉の向上のために、オリックス社に対する町民側の関所になるべきは議会だというとが、理解できない議会という事になる。オリックス社は四万十市農林水産課の林地開発担当者岡村氏が言うように地元の集会所の改修費用を負担したり、管理地の草刈を地元に委託したりする以上のことはする気もなく、疲弊し、高齢化した山間の集落の人々が、その程度のアメを十二分に有難がるという事にあくどく付け込んでいる様がありありと見て取れる。そしてそのような企業は、騒音や風車病がいざ発生したら、責任を環境省自治体に押しつけて逃げ切るに決まっている。責任を押し付けられた地元自治体職員も、環境省が認めていない。」などど言って逃げ切るに決まっている。書面で何を約束しようが、医学的因果関係が立証されておらず、環境省が、低周波の測定に、振動ではなく騒音概念を当てはめ、基準値ではなく参照値しか示していないような状況下で、オリックス社に守らせることができるこことができることなど、何一つ存在しない。それを、集会所の改修費用を負担したり、管理地の草刈を地元に委託したりすることで懐柔できるような人達、つまり風車に近く、最も被害を受ける可能性の高い人たちが理解しているだろうか。それは到底不可能ではないだろうか。集会所の補修や草刈り仕事の提供で期待できるような地元の士気向上とささやかな金銭的潤い位、本来四万十市が提供すべきである。本来行政職員と議員は、オリックス社の甘言と嘘から住民を守らなくてはらないのだ。その為には、私が提供しオリックス社が行政に対して陳述した公文書記録をまずは読むしかない。オリックス社の言質は行政に対してしか取れないのだから。そして議会は特別調査委員会を立ち上げ、公文書上の彼らの言質に基づいて、オリックス社を査問すべきである。けれども彼ら、四万十町議会総務常任委員会には、その意志も能力も毛頭ないようなので、議員報酬引き上げ分、全員が返還すべきではないか。若しくは、町民に対する責務不履行で、潔く辞職すべきではないか。

四万十町議会議員  西原真衣