呆れた議員達の行状

地方議会の実態から日本を見る

風力発電と蠢く町政(68)

 

         複合文化施設は必要か

 複合文化施設計画が進んでいる。総事業費16億円で、建物、内装、備品が賄われると言う事らしい。ところが、巷では

「そんなものそんな金をかけて、なんで今頃いるんだ」だという声が大きいと聞く。じつに尤もな意見だと思う。役場玄関先にも、

「図書館入らない、利用者少ない、不要不急である、コロナ禍で困窮している零細事業者に金を回せ。」

役場の退職者ポストが増えるだけ、図書館入らない。」意見が掲示されている。何でもと図書館建設反対署名まで出回り始めているという。実に共感できる。町民多くの本音だろう。人口減、景気停滞、おまけのコロナである、「なんで今頃、16億もかけて」は大半の町民の正常な反応であろう。

けれども、一国主である首長がやると言えば、鶴の一声でできてしまうとところが恐ろしい。そうやって高瀬満伸町長時にも総事業費34億円の新庁舎が完成したではないか。それも線路を跨いでまで駅前に。これで駅前は、周辺飲食店が潤い、逆に旧庁舎周辺の飲食店は廃れてしまった。庁内食堂もなくなった。役場は町中で、若者が最も蝟集する所であり、彼らの消費力が周辺商業に多大な影響力があるのだ。(正規職員350人、非正規職員350人の大所帯である。

さて人口減と高齢化とコロナ禍の三重苦の最中どうやって四万十町は16億円を調達できるのか。これこそ謎ではないだろうか。

町議会は、当然町民の反応に敏感である。町議会と執行部の意見交換会では、町民の見方、田辺哲夫議員が早速吠え始めた。要旨は以下である。

田辺哲夫議員発現:財源が合併特例債であり、借金である。社会資本整備交付金等の国庫補助を十二分に検討した挙句の事か。町の持ち出しを最小限にすると言う姿勢はあるのか。そもそも図書館の利用動実態がどうで、今どうして必要なのかの説明が一切ない。今日こそ町長の思いを述べよ。

ファクトチェックすれば、図書館、美術館利用者動向は、年3回の図書館議会会で事業報告されている。複合文化施設基本構想にもH28年度の利用者動向の記載はあった。田辺議員がデータを押さえてないだけである。「万全の情報提供をしない執行部が悪い」という主張を全面に出している。この人物には、「情報を自ら探知していない」自己の非を問うという姿勢は端からない。ただ、「必要性の説明がない」部分は同感である。

生涯学習課課長が、財源構成と中期、長期的な財政見通しを説明した。

16億円は、合併特例債を起債する予定です。充当率が95%なので、借りられるのは、15億2千万円です。残りは町の一般財源から充当します。償還期間が25年間です。利率は、0.546%で1~5年目は利子負担のみで年間830万円、残りの期間は、元利均等払いで、年間一般財源からの供出額は平均で年額8000万円相当になる。15億2千万円中交付税措置額が、70%の1153994千円となり、町の負担額は総額で、574569千円となります。

これを聞いた水間淳一議員がここぞとばかりに挙手した。発言のチャンスが到来したと踏んだのだ。

水間淳一議員:今のように数字を並べ立てられても一遍には頭に入らない。他の人もそうだと思う。文章にして配布してもらいたい。

ファクトチェックすれば、「口頭説明を文章化しろ」と平気で言ってのけるこの人物は、毒にも薬にもならないことを勿体ぶって言う癖がある。周りの同僚議員のできの悪さを熟知している学級委員長かなんかのつもりなのであろうか。いずれにしても、行政側の口頭説明時の数字のメモ取りも、咄嗟の理解のためには、常日ごろから財政用語や制度にある程度通じていることも議員であれば当然要請される水準の事である。が、水間議員にはその自覚が無いようである。地元で「昼行燈」と暗に揶揄されているのも頷ける。

さて、田辺議員に詰め寄られた中尾博憲町長は、困惑の表情を隠せないまま、

中尾博憲町長:「これから図書館で何ができるかを丁寧に町民に説明していきたい。例えば、青少年育成、生涯学習谷干城、森体験・・・・(シドロモドロ)」咄嗟に思いつく単語はこれだけだったようである。それにしても「森体験」とは何だろうか、おまけに「今色々調べている。」と、言うではないか。まさかの図書館でバーチャル森体験、この田舎で何を血迷っているのだろう。四万十町のキャッチフレースは、「山、川、海、人が元気です」じゃなかったのか。結局この町長は、図書館がそもそも何をするところかの基本を理解していないのである。谷干城とは、明治維新西郷隆盛率いる西南戦争を鎮圧した官軍の軍師であり、その功労で、明治政府に登用された地元出身者である。要するに機を見るに敏で、勝ち馬に乗り、明治政府での要職にありつくことに成功した人物である。これをそのまま立志伝中の人物、「郷土の偉人」と言ってはばからない無教養が、官製観光キャンペーン「維新博の時は全面展開されていて、かなり気恥ずかしかったことを覚えている。

全体的に発言も不活発であり、いささか傍聴席でうんざりしていると、古谷幹夫議員が挙手した。

古谷幹雄議員:数字(総事業費16億円)が独り歩きをしている。周知に欠けていることが原因ではないか。基本構想、基本計画、基本設計、実施設計と進み、2021年工事着工、2024年に開館予定という流れでやって来たと聞いている。。利用者数のデータは平成28分が基本構想中に記載されている。が、コロナで遅れていると聞く。性質上急ぐ事業ではない。この際、町民への周知をやり直して、町民理解を得る方向付けをすべきじゃないか。

 ファクトチェックすれば、基本構想策定過程の検討委員会で、平成28年度時点の図書館美術館に関する基礎的なデータ(蔵書数、所蔵絵画点数、利用者数、主たる事業活動及び参加者数等)が示されたのは事実である。だがそれだけである。コンサルタント「アカデミックリソースガイド」(名前からして実に破廉恥である。自治体をかもろうという本性が出ている)におんぶにだっこで設計業者の選定公開プロポーザルまでやってのけた生涯学習課は、基本構想、基本計画を自力で策定していない。コンサルタント作による人を馬鹿にした出来の悪い紙芝居のような文章が広報誌にぶち抜き複数ページ掲載されているのを見た町民が怪訝に思うのは当然である。だからこそ反対意見が投函されたり、反対署名が開始されたのだ。ところがまだ、生涯学習課はこのことを理解していない。これからまじにケーブルテレビで広報したり住民説明会を開催したりして、忍耐強く「町民に理解してもらう」作業を継続するつもりでいるらしい。

初めから誰も複合文化施設の新たなる建設を所望していない。これが現実である。一つだけ思い当たるのは、私が議員であった時、議会の意自由討論で、岩井優ノ介議員、下元真之議員、私の3名が引き続いて図書館について発言した。それを聞いた中尾博憲町長のいつものべんちゃら迎合癖が出たのである。「私も同じ意見です。今の図書館は狭い、場所が悪い、私の任期中に新しい図書館を作りたい。」これを本会議で発言したために、生涯学習課が町長命令で動き出したのである。ここで仇になったのは、生涯学習課が歴代「図書館行政を担いながら図書館行行政の何たるかの知見を全く持ち合わせていない」という事であった。尤もこれは生涯学習課に限ったことではなく又四万十町に限った事でもない。高知県生涯学習課も大差ない。2018年に高知県立大学で6万冊の蔵書が焼却されるという事件が発生し、高知新聞はこれをシリーズで記事にした。記者は天野記者である。希少な郷土資料が6000冊相当も焼却されているらしい。この焼却理由の筆頭は「狭くて置く場所が無い」であった。「残すべき書籍がある」という判断さえあれば、所蔵スペースを拡充する或いは譲渡する、或いは移管するという判断に繋がっていくはずである。つまり大学図書館でさえ「残すべき本を峻別するだけの書籍に関する知見が無い人々によって運営されている」ということが明白になったのである。況や市町村が、ということに尽きるのではないだろうか。現に四万十町立図書館では、所蔵本の半数近くが、敷地内に増設されたプレハブ書庫に保管されている。書庫の内容が蔵書検索で検索できるようになったのはごく最近であり、前任の館長であった辻元明生涯学習課課長に対しては、当時私の方から書庫にある本の「紙の目録作成の必要性」を指摘しなくてはならなかったという経緯がある。館長不在の公立図書館を長年放置できた四万十町が、いきなり先進的な図書館を作ろうとしてもそれは実に戯けた話ではないだろうか。因みにコンサルタント「アカデミックリソースガイド」に町が今までに拠出した委託料を予算書から洗い出してみた。

平成30年度当初予算: 基本計画策定総合アドバイザー業務委託料   314万円

 9月補正:住民意識計形成支援業務委託料   73万6千円

12月補正:基本計画策定補完アドバイザー業務委託料    230万円

令和元年当初予算:設計業務(基本設計、実施設計)委託料  2583万7千円

注:この業務は委託先が建築設計事務所スターパイロットである

令和2年当初予算:基本計画策定総合アドバイザー業務委託料  1385万2千円

内訳1.ワークショップ5回開催 2. サービス計画策定支援業務 3.STEM教育教材開発支援業務  4.町民協力組織結成支援業務

上記以外にも検討委員会報酬が総額150万円相当拠出されている。

既に総額は、4736万5千円に上っている。我々の血税である。

行政の為すべきことは、図書館の現況に通じつつ課題を洗い出し、課題解決に向けて、具体的施策を企画立案、実行することに尽きる。そのための有効な判断材料は、

1.図書館の常駐職員からの聞き取りを真っ先に行う。

2、図書館利用者が意見箱に投函した意見、要望の集計表を丹念に読む

3、四万十町の暮らしについての町民アンケート(2000枚有雄無作為抽出)内の自由記帳欄の複合文化施設に関する意見を抽出する(アンケートの設問に複合文化施設は含まれていなかった)

4. 基本構想、基本計画に対するパブリックコメントの内容を吟味する

5、町民閲覧コーナーに掲示されている図書館に言及している意見を抽出する

6.大正、十和に設置された地域活性化協議会の議事録を洗い出す

所が、行政側は、基本設計と実施設計を委託する設計業者の公募型ポロポーザル応募要領に、参考資料として以下を提示している。

1.複合文化施設基本構想(生涯学習課)

2.複合文化施設基本計画(生涯学習課)

3、四万十町市街地再生基本計画(賑わい創出課)

4.    四万十町総合振興計画(企画課)

5、四万十町新しいまちづくり計画(企画課)

6、四万十町教育振興計画(学校教育課)

以上の図書を閲覧して部分的にはぎつぎした設計業者による新たなる7番目の「提案書」が生まれただけであり、「提案書」と利用者アンケート集計表を照合しても、利用者による具体的な要望内容である談話室やカフェの増設、蔵書の拡充、充実については全く言及されていない。このずれ方は一体何だろう。彼らは一体何をやっているのだろう。そして16億円の事業費である。結局コンサルタントではなく生涯学習課こそが、これらの計画書を網羅的に閲覧し、尚且つ町民意見を照合させつつ、複合文化施設建設の必要性をあるべき姿をまずは根本的に模索する必要があるのである。これが為されていない。この事業計画は、スタートラインに立ち返るべきである。町と議会の双方が、まずは忌憚ない町民意見を聴取する機会が必要である。そして町民不在の絵空事が結局着地点を見いだせないことに、町は気付くべきではないだろうか。昨年は本会議場を使って、人材育成事業の一環で、図書館をテーマに「子供議会」が開催された。子供たちは奮闘していた、が司会役がコンサルタント「アカデミックリソースガイド」であっために、町の人間(町、議会、町民の三者)の認識と意識の深化、変容を促さない(より知り、理解することのない)絵空事に再度収斂してしまったのである。コンサルタントとは本質的の行政の無為無策を商機とする寄生中的なファシリテーター(推進役)である。間抜けで無知で臆病な行政職員を顧客とした事業完遂地へのツアーガイドのようなものである。町民側からすれば、彼らに方向性を決められて良いのか。良い訳がない。所詮「自分で描けない絵は具現化しようがないのである。」町民に取っては実害至極である。行政職員が向き合うべきは、町民であってコンサルタントではない。「子供議会」閉会後の挨拶で、川上哲夫教育長による「旧庁舎跡を立地予定地とする新複合文化施設発言に対して「立地は決まっていない(議会が承認していない)」と釘を刺した下元昇議長には、議長としての公の場での言動に責任を取って、是非とも今年中に「複合文化施設はいるか」をテーマに本会議場で公聴会を開催し、町と議会が町民をリスペクトしていることを是非とも行動で示してもらいたいものである。

追記:この提言を教育民生委員会の委員に対してしようと連絡を取ろうとした。以下が応答である。

中尾康議員:そうね。反対署名があるとは耳にした。確かに町民側と乖離しているね。

( 態度はあくまで慇懃で紳士的であるが、議会内部の趨勢には決して逆らわない(自分から行動を起こさない、議会勢力の駒にはなる)ので、この返答は聞き流すしかない。甲斐がないとはこの事である。それでいて委員長をやりたいらしい。)

緒方正綱議員:反対署名の事は聞いた。今仕事中だから。(日曜日に生田組に出勤しているのだろうか? 見え透いた嘘ではないだろうか。実に現金で調子の良いだけの人物という印象。そのくせ陰で役場職員と文化施設立地について雑談等しているらしい。自分の情報収集と利益に繋がらないと見れば、一挙に態度が変容する。)

岩井優ノ介議員:反対書名の事は聞いた。:今運転中だから。

後日対面で「教育民生委員会として反対署名をどう受け取るか」と聞けば、「成り行きに任せる。」と答えた。(共産党はそろそのこの”万年スイッチ切れっぱなし寝言放言人物”の公認を再考すべきである。)

村井真菜議員:電話に出ない。(自分の発信には極めて熱心だが他者からの受診には不熱心である辺り(電話に出ない、応答してこないという定評がある)の一般社会人的常識の欠落)

 

西原真衣

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

風力発電と蠢く町政(67)

         議会の傍聴の勧め

 全員協議会を傍聴した。武田秀義議員と吉村アツ子議員が開会時間になっても現れず、委員会室では、以下のようなやり取りが発生した。

味元和義議員:たいしたことない案件だからわざわざ仕事を休んでまで来んのじゃないか。

長谷部事務局長:吉村さんは連絡したが電話に出ない。

開会後10分ほどして武田秀義議員が現れたが、この人は遅刻の常習販犯である。それにしても味元和義議員の「たいしたことない案件だからわざわざ仕事を休んでまで来んのじゃないか。」は、実に不謹慎な本音発言であるし、吉村アツ子議員の「連絡したが電話に出ない」も、欠席届も出ていない上に連絡も取れないということである。このような振舞いと、議員報酬引き上げに関する以下の発言を照らし合わせて、四万十町有権者は、次回の選挙の投票行動に生かすべではないだろうか。

味元和義議員:議会で決めたこと(議員報酬引き上げの要望書を町長に出して可決に持ち込む)を守らない議員には懲罰を与えるべきだ。(H31/12/20全員協議会)この報酬額になれば、高知県内市町村で何番目の高さになるのか。(全員協議会)

吉村アツ子:町長が議会からの要望に基づいて議員報酬引き上げを提案したと発言したかどうかは記憶にない。(R1/7/16総務常任委員会、議会基本条例23条の解釈について)

こんな難しいこと議会に言うてきて欲しゅうない。(沖縄普天間米軍基地辺ノ子移設野の中止を求める意見書を国に提出する陳情について)

是非次回の選挙時には各立候補者の過去の議事録抜粋を町民向けに配布したいものである。このような発言内容から自明なのは、彼らは議員報酬を上げるに値しないということである。しかるになぜ彼らは、当選できるのか。実は最大の問題はここにある。難問である。ところで、次回の高知地裁における第2回公判は、8月25日である。第1回と違って、双方の弁護人による口頭弁論が聞かれるということで、傍聴に行こうと考えている。相手側弁護士(四万十町の顧問弁護士である行田博文弁護士)から、原告側弁護士(谷脇和仁弁護士)に対しては、「行政と議会の癒着の証拠を出せ」準備書面に書かれているという。被告側弁護士がそう主張するからには、癒着の証拠が出ない限りは原告側に勝ち目がないと相手側が踏んでいると私なりに解釈している。そこで私は、自分の議員時代の実体験を思い起こして、

1.議長からの回答と称して副町長森武士が、四万十全職員に対して、「私の質問には、相互の信頼関係に基づいて簡潔な質問にのみに対面でのみ答えさせる」と通知した事件のあらましを裁判で明らかにする。

2.私の四万十町議会からの除籍を目論んで、当時の議長橋本保と総務常任委員会の堀本伸一委員長の2名を引率してあろうことか副町長森武士が、町顧問弁護士の行田博文事務所を訪問していること。行田博文弁護士が別の弁護士を紹介した。この弁護士を法廷に呼んで相談内容を証言させる。

3.私の一般質問時に後部議席の堀本伸一議員が、議長酒井祥功に対して右手首をくるくる回して、発言を止めろとサインを送り、正しくそのタイミングで、議長酒井祥功が

「質問通告外」若しくは「通告内容からの逸脱である」という決まり文句で再三発言中止に追い込んだという傍聴者2名の証言(私の知人H氏と記者席で傍聴していた高知新聞社のY記者)に裁判で証言してもらう。

 以上の3事例を谷脇弁護士に癒着証拠として挙げてみたが、残念ながら、「議員報酬引き上げに直に関係が無い」「議会内部の問題である」等の理由で証拠として採用されなかった。実に残念感が残る。特に、私の一般質問時に後部議席の堀本伸一議員が、議長酒井祥功に対して右手首をくるくる回して、発言を止めろとサインを送り、正しくそのタイミングで、議長酒井祥功が「質問通告、或いは通告内容からの逸脱である」という決まり文句で、発言中止に追い込んだ件に関しては、全て町にとって答に窮する箇所、あるには町の失態が露見する可能性のある箇所というパターンを形成しているので(議事録を丹念に読めば分かる)それこそ行政と議会の癒着、端的に言えば、「行政と議会の裏取引による町政の私物化」の最たるものであると私自身は今でも確信している。明らかにその延長線上で議員報酬引き上げという取引が成立しているのだ。原告の山本たけし氏から先日電話があった。電話内容は、議案が可決された当日の本会議議事録の内容であった。反対討論5名と賛成4名の後で、賛成12、反対6で可決された直後の中尾博憲町長発言部分の議事録である。議案可決議にわざわざ挙手して発言許可を得た挙句、中尾町長は

「私のほうから、ちょっと気づいたところ、今後、課題のあるところをちょっとお願いを申し上げたいと思います。今回、全て議長の要請に応じてやったつもりは全くありません。ただ、それが一つの原因として検討してまいりました。それに加えて、先ほど来申し上げましたように、平成22年から議員報酬は改定すべきだという思いを持ってやってきましたけども、今回、その流れを見たときに、やはり議長名で様々に研究されて、申入れがあった要請というのに基づいてやっておりますので、実際、ここに今日議案として上がる前にこういった議論がほしかったと思います。まな板に乗せて、それを皆で料理をする、言い方は悪いですけども、私はそう思いました。それであれば、本来、議会が上程しちゅう間に、本来は引っ込めて再検討というのが本当の姿じゃないでしょうかと思いました。」(議事録から抜粋)

と発言している。この発言を議席で聞いた私の心中を察してもらえるだろうか。この発言は私には、議会で練り上げ統一化された議会意志としての議員報酬引き上げ要望を受けたことを理由の一つとして(決して単なる議会への迎合ではなく平成22年時からの公約であった。)議会の意志を酌んだたっての議案上程なのに、こともあろうか議場で反対討論が5人から出、それを受けて、反対意見を封殺するための咄嗟賛成討論に4人が立ち、議場を威圧し(意思表明のない他の議員に無言の圧力をかけ)やっと事なきを得る(シナリオ通りの結果を得る)ような想定外の展開になったことは、基本的に議会側の失態ではないか。本会議が混乱し、自分の体面も傷つけられたことをやんわりとこの場で指摘したい(体面をつぶされたので、体裁を取り繕いたい)。」という風に聞こえた。それに第一、はっきりと記憶に蘇るのは、「議会は、まな板の上の鯉でいて欲しかった。」と中尾町長の発言である。ところが議事録では「まな板に乗せて、それを皆で料理をする」となっている。ここは前後とのつながり方がいかにも不自然である。「まな板の上の鯉」は定型であるし、その意味であるからこそ「言い方は悪いですけども」を言い添えているのではないか、私は議事録改竄を疑った。本会議議事録には原本と副本があり、公開されているのは副本である。録音(ICレコーダーに録音された音声データ)は議事録調整後破棄されるとのことである。これはいけない。議事録とはこの町の意思決定の歴史である。議会本会議の画像は本来、保存しアーカイブとしてオンデマンドで放映できるようにすべきである。四万十ケーブルテレビは何をしているのか。何のために「地域情報センター」などという部門を持っているのか。ここがやっていることは町内神社の秋まつりの収録だけである。この公益財団法人四万十公社の中島親近理事長や森雅信常勤専務理事は何を考えているのだろうか。何といっても森雅信常勤専務理事は、月額報酬50万円(公社HPで公表)にして、合併前の旧市町村の教育委員会が編纂した窪川町史、大正町史、十和村史が町立図書館にある事さえ知らなかったし、「町の斎場の待合室で見たことがある。」と答えた位である。「今回の裁判は、町民が町長を訴えている裁判なので、町の公共放送として偏りなく両方を取材して町民向けに報道したらどうか、町民に町政について知り、考えてもらういいきっかけになるのではないか。」と私が取材を持ちかけても、「うちの番組のカラーとコンセプトに合わないからお断りしたい。」とにべもなかった。「だから番組じゃなくて報道だってば。」と言うのはいささか虚しいので止めた。この人に番組と報道の違いについて説明するのは、徒労に終わると思ったからである。四万十公社は、指定管理料を毎年5500万円相当町から受け取っている。ケーブルテレビ事業は町の事業であり、設備費は全て町負担である。それで月額報酬50万円であれば、もっと町発展と振興に貢献するような独自の番組や報道の企画立案があってしかるべきではないだろうか。月額報酬50万円がふさわしい仕事ぶりだろうか。財政基盤や設立の趣旨からして四万十公社は四万十町NHKである。その意味では、今の森雅信常勤専務理事は、適任からは程遠い実態がある。聞くところによれば、何かあればすぐさま町長室に赴きお伺いを立てるそうである。今や世界は動乱期にあるのに何という有様だろうか。アメリカでも日本でもコロナ禍が政権の無能を暴露した。レバノンでは爆発事故が政権の無能を暴露した。ヨーロッパ中世はペストによって中世から近世への幕開け(脱出)があったと仄聞した。確かに危機は変化を加速化させ、社会情勢を変容させると今否応なく実感している。同じアジアの香港情勢に目を転じても、香港での「国家安全維持法」の施行によって、過去30年間香港をアジアの拠点としていたアメリカの新聞社ニューヨークタイムズ は、その拠点をソウルに移すことに決めたという事である。移転先として、シンガポール、バンコック、東京、ソウルが候補に挙がっていた。東京が移転先に選ばれなかった理由は、以下の記事によって知ることができる。https://hbol.jp/226189?cx_clicks_art_mdl=10_title

以下抜粋する。

  NYTはアジア太平洋地域の都市の中から香港以外の適切な場所を探す中で、バンコク、ソウル、シンガポール、東京、シンガポールなどを検討した。その結果、さまざまな理由の中でとりわけ、①外国企業に対して友好的である② 独立した報道(independent press)が存在する③主要なアジアのニュース分野で中心的な役割を担っている――の3点で魅力があるとして、ソウルを選んだ。

記事によれば、日本の報道機関の殆どは、② 独立した報道(independent press)が存在するに言及しなかったというのである。香港のメデイア王と言われるジミーライ氏は、逮捕後の保釈中に東洋経済オンラインの取材に応じて、「再逮捕と大陸への送還、極刑までを視野に入れつつ、日々「法治と自由」のために戦うと発言している。

「法治と自由」と聞いて眩暈がしそうになった。私は四万十町全職員450名に以下の通知を出されて、この通知の法(地方自治法上)的な根拠と解釈を通知の発出者である森武士副町長に本会議で質問すべく一般質問通告を酒井祥成議長に出した。「四万十町議会議員絵の対応について」である。ところが、「町の一般事務ではない」という理由で却下された。中尾町長、森副町長に、「副町長が職員に出した通知は、町の一般事務ではないのか。」と聞けば両者は「答える立場にない。」と答えた。一方で、私が当時何度も相談に行った岩崎淳司弁護士事務所の林良太弁護士は、「これは、町の一般事務でしょう。」と私に明言した。そこで私は、それを職員にもメールで伝えた。職員に対して「法律(地方自治法)を読んで通知文の法的根拠を自分の頭で考えろ。参考までに弁護氏見解を伝達する。」というメッセージを送ったつもりであった。ところがそのメールは総務課より議会事務局に転送されて全員協議会に持ち込まれ、「議会で決めたことを守らない。議会が組織であることを認めない。」という私への糾弾に繋がった。私が「議会は組織じゃない。代議制の議決機関である。」と反論しても無視された。だからこそ、この人達は、裁判に出頭し、「法治(地方自治法)と自由(自由選挙)」について考えを質される必要があると思うのだ。日本は少なくとも韓国より優れた「法治と自由」を持つ国であるなどという錯覚に浸りつつ愚かしい自尊心を養っている内にいつの間にか、日々「法治と自由」は足元で崩壊しつつあるという気がする。そこでささやかな一手を打つことにした。8月24日には全員協議会で、複合文化施設について議会と、町長、副町長の意見交換会が開催される。「じゅうく」講師と地域おこし協力隊を傍聴に誘った。日本は少なくとも韓国より先進的な国であるなどという錯覚を、議会という「現場」で再考してもらいたいからある。複合文化施設の中核は図書館である。図書館と知る権利は切っても切り離せない。そしてそれが「じゅうく」の講師経由で地元高校生に伝達できるかという試みである。この前は、高橋塾長は講師を連れて議会図書室の視察にも赴いてくれた経緯がある。もっとも塾長に聞くところによれば地元高校生は、「役場に入れば一生安泰」などと常日頃つぶやいているらしいのだが、人材育成センターの職員からそのような風情が強烈に匂ってくるのじゃないかと憶測している。未成年の動物的な嗅覚は決して侮れない。未成年扶養されているだけに、自分の親が置かれている社会経済的状況を実に精妙に認知、理解しているのである。そう言えば、昔屋台のラーメン屋でばったり出会った中尾博憲町長の息子、とうに未成年ではないはずだが、私と認知するなり、目も合わせず、ラーメンを速攻で食べるやいなや逃げるように立ち去った。中尾町長、息子が思わず咄嗟に見せた「困難な状況からの逃げ癖」って親譲りなんでしょうか。

西原真衣

 

 

 

 

 

 

 

風力発電と蠢く町政(66)

        図書館が暗い

 四万十町立図書館が暗い。「ウワツ、なんか災害時みたい。」と咄嗟に思うほど暗い。そう言えば入り口に張紙がしてある。「照明が故障しています。御迷惑をおかけします。」というやつである。カウンターに居る知り合いの図書館職員とこれを話題にする。

「どうなってるの。原因は分かってるの。この状態が長く続いているけど。」梅雨時であり、一月は優にこの状態が続いていたのだ。とにかく全体が異様なまでに暗いのだ。それもそのはずで天井に設置されている照明装置の1/3以上が点灯していないという異常さである。更に異常なのは、「どうなってるの。原因は分かってるの。この状態が長く続いているけど。」と聞いても、さっぱり実質回答が得られない(春闘みたいな表現ではあるが)ということである。

「日によってついたりつかなかったりするんですよ。」

「設備自体が古くなっているそうです。」

「天気が良いとつくので、湿気の関係じゃないかと思うですけど。」

「大がかりな工事が必要ですぐに手が付けられないということかしらね。」

このような会話がその後何回も繰り返された。つまり図書館職員がこの時点で、「原因が分からない。」「この事態にどう対応するのかを知らない。」「いつまで続くのかも利用者に全く伝えることができない。」状態が放置され続けているのである。図書館側の具体的な対応はたった一つ、「照明が故障しています。御迷惑をおかけして申し訳ありません。」の張り紙だけである。どう考えてもかなり異常な図書館行政ではないだろうか。その暗さだと新聞を初め図書館資料の閲覧に明らかに支障があるのである。災害時でもあるまいに、本を読むには暗すぎて読めないような図書館のまま2ケ月近くが経過している。私にはこの状態が改善される見込みがないと見えたので、生涯学習課課長、生涯学習課主幹、教育長と渡り歩き、

「原因は判明しているのか。」「復旧の見込みは。」に回答せよ、と詰め寄ってみた。これ、実際詰め寄る以前の問題である。なぜ私が、このように基本的な設問を用意しなければならないのか自分ながらにさっぱり分からない。彼らは、本来行政側から住民に対して真っ先に行うべき状況説明の説明項目を住民側から指摘してもらう必要があるほど、不真面目、怠慢、無能なのであろうか。最も唖然としたのは、図書館に常駐している唯一の一般行政職である副館長(中年女性)が、事態を以下の如く捉えていたということである。因みにこの人物は通常館長室に陣取っているので、自分の個人的PC業務上は照明問題は発生していない。そもそも図書館に利用者が何を求めて来るのかがさっぱり分かっていないという事か。少なくともこの人は、図書館が何たるかを分かっていない。自身が図書館ユーザーでないことは火を見るより明らかであるが、けれどもそれは理由にならない。副館長である以上対処しなくてはならないはずだ。されどもやはり、館の運営は来館者の動機が推察できる人で本来あるべきである。ここで持論を一言述べたい。

「図書館職員たるもの自身が図書館ユーザーでなくてはならない。」

の考えは結局ここに行き着いた。これは必須である。でなければ図書館利用者が何を求めて図書館に来るのかが理解、想像できないのだ。この副館長が図書館に関わったことがなく、図書館を必要とせず半生を生きてきた人物であることは間違いない。以下の会話で判然とする。尤もそればかりではない。図書館に限らない一般的な状況把握と判断力の問題も大きい。

 

「館長に相談したら電気屋を呼ぶ必要があるね、と言われたので、電気屋さんに来てもらった。

電気屋さんに電圧は低くなっていないと言われた。」

「つくときもあるので悩ましい。」

イッタイソレデドウスルツモリダ、と詰め寄った。詰め寄る以外の何ができようか。

「設備が古いので、交換しなくてはならないらしい。埋め込み式だと1基が27000円、ぶら下がり式だと17000円で済むと言われた。消耗品ではなく修繕費で対応しなくてはならないが、修繕費が2万しかない。消耗品費を流用すれば、コピー用紙代とかがなくなるので悩ましい。つくときもあるし。」

ここで再度言っておきたいのは、この人は一般行政職で副館長の地位にある中年女性である。ひたすら「悩ましい」ので、雨が降れば、図書館の天井の照明が1/3機能しない状態が2ケ月近く放置されてきたのである。これ以上住民にとって「悩ましい」極限値に達している図書館運営ちょっと見当たらない気がする。だからニユース化しようと今これを書いている。「悩ましい」のはこれでお終いではない。なんと、

その1.かような機能不全の図書館行政を執行していながら、新しく図書館を作ろうしており、財源は過疎債で総事業費16億円が見積もられている民

その2.令和2年はコンサルタント「アカデミックリソースガイド」の岡本真氏に1300万円をつぎ込んでいるといる

     電気設備の買い替え費用の捻出もできないのに

四万十町民は苛斂誅求に税金をむしり取られ続けながら、まともな図書館運営をする気がないか、若しくはその能力に欠ける役人に我々の税金を湯水のように使われて愚弄され続けているのだ。おまけに、来る8月11日には四万十町議会全員協議会で、「新図書館」についての意見交換会がもたれ、更に9月定例会では、「新図」についての自由討論が企画されているという。四万十町は、立派な庁舎に立派でない職員が蝟集しているという定説がある(西庁舎玄関の町民閲覧コーナーの住民意見掲示板それがよく分かる。)。きっと新図書館でその汚名がさらに上塗りされることだろう。一方報酬を町長に引き上げてもらって有難がっている議会の方は、行政の寄生物と成り下がっている。第一建設予定地入り口両側の用地買収も進んでいない、9月補正に事業予算が計上される予定もない、「新図書館」を自由討論の議題にする意図は、たった一つ四万町通信新年号で、下元昇議長挨拶「風力発電と複合文化施設を調査、検討、熟議して、将来に禍根を残さないようにしたい。」を念頭に置いた「やってる感」を出すための議会側の裏工作である。その傍で、まるで「やってない」みたいな、天気次第で照明が異様に暗くなる「図書館」が放置されている。

実は、この図書館は、照明ばかりではない。昨年12月よりインターネットに接続されている一般利用者向け館内PCにも「メンテナンス中で使用できません」の張り紙が張られっぱなしなのである。実に8ケ月が経過している。どうも張り紙を張れば「業務完了」という事らしい。後は上の指示を待つだけ、である。何という気楽な職業であろうか。因みにこの副館長、50歳前後という年齢と推定すれば、年間人件費総額(給与、賞与、諸手当、共済費を含む)は900万円相当である。月額に換算して75万円である。それを考えると、PCの「メンテナンス中で使用できません」もついでに「原因は判明しているのか。」「復旧の見込みは。」に回答せよ、と私は詰め寄らなくは気が済まなくなってきたのである。職員給与というコストを知っていれば、そのような心理状態になるのは人間として正常な反応というものではないだろうか。

この人物は副館長職である。副館長しか常駐していない以上、この人が実質的に館長役である。「副であろうと館長と名がつけば、その間で提供されているサービスを一通り理解している。と常識的に考えるのは甘い。それはここでは通用しない。

「ソフトがコロナで製造ができなくなってインターネットに接続できなくなっていると聞いています。」

と狼狽の表情を浮かべながら回答した。

意味不明ではないか。インターネット接続にソフトウエアが必要だなんて初耳である。別途技術系の職員に問いあわせた結果、正解が分かった。

「一般利用者が閲覧する公共施設に設置されていPCには、閲覧制限ソフトをインストールしている、ウインドウズOSのサポート終了に併せて、ソフトのバージョンアップが必要であったが、それに送れ、そのタイミングでコロナ禍でソフトウエアの調達ができなくなっために、閲覧制限が無効化している。そこでインターネット接続自体を止めている。ソフトの調達目途は立っていない。」

「他の公共施設で過去に外部からOSがいじられてバージョンを変えられ、その為にインターネット接続ができなくなってなったことがある。それを防ぐ目的でシャトダウンダウンすれば自動的に基本設定が復元できるソフトをインストールしているのだが、それにもいていてそれにも同様の問題が生じている。」

上記の理由で、インターネット接続できなくなっているのではなく、接続を停止していたのだ。

以上を全て理解して完璧に説明できることまでは要請しないが、「館内で提供されているインターネットによる検索サービス(図書館にとって基幹的な調べものサービス)を運用する上での留意点(閲覧制限やシステムへの介入によるサービス毀損への対応)について、この副館長は、全く理解していないという事は明らかではないだろうか。これは結局、「前任者からの引継ぎも含めて、上司や支援に当たった技術職からも理解を求められていない」という事でもある。下手すれば上司自体が理解していない可能性も大いにある。そのような状況下で、四万十町が1300万円をつぎ込んだコンサルタントが提唱している新図書館構想のビジョンとは以下のようなものである。

「住民と行政が協働で作り上げていく地域に開かれたコミュニテイ機能のある図書館。図書館と美術館の垣根のない、出会い、交流、学習、創造、表現という多様な機能を果たす複合的な文化施設

更に圧巻はSTEM教育の実践の場と続く。STEMとは、一体何か。

Sは、SciencenのS

Tは、TechnologynのT

Eは、EngineeringのE

Mは、MathematicsのM

ということらしい。まるでドレミの歌である。サウンドオブミュージック的懐古趣かなんかだろうか。いずれにしも、インターネット検索サービスの館内提供についての方針理解、説明できない館員だらけで、STEM教育とは、質の悪い冗談か何かとかしか思えない。「図書館職員の質が図書館のレベルを規定する」これは否定しがたい定理のようなものではないだろうか。けれども図書館業務に限らず、その事務事業の概要を過不足なく把握、理解することが上司によって求められてこなかったことが背景にある。合併前からそうであろう。役所の職場文化である。その結果が図書館職員の対応に余すことなく現れている。言い換えれば、町の図書館とは町がその採用した職員をどのように人材育成して来たかのお披露目「展示室」となっているのである。川上哲夫教育長の後任者である元人材育成センター室長山脇和章新教育長や林瑞生涯学習課課長はコンサルタントの巧みな話術に幻惑されて、薄ぼんやりと、「STEM」教育を提供できる先進的な図書を作る準備を進めているつもりになっているようであるが、実にとんでもない話である。STEM教育どころではない職場における日々の日本語環境が途方もなく劣化し退化しているからこそ、以下のようなやり取りが生じてくるのである。

ソフトウエア製造中止を受けて、館内でインターネット検索環境を提供するにはという視点での質疑を試みたら、

Wifi環境は館内にありますか。」

「あります。」

「館内にモバイル機器を持ち込むことは許可されていますか。」

そこまでは分かりません。聞かれた事がありませんから。お時間を下さい。」

「今日は土曜日ですが、誰に聞くんですか(生涯学習に上司はいない。」

「Nさん(最も古株の現場スタッフ)達が今日は研修で出ているので、今日は私しかいないんです。Nさん達が帰ってきたらNさんに聞きます。」

「もういいです。」

「Nさん達」とは全て女性で会計年度任用職員と今年から名称が改まった非正規職員である。因みに四万十町にはこの会計年度任用職員が350人もいる。この任用職員には名簿もなく職務内容を記述したものもない。「一般事務補助」等で一括りにされている。そのような待遇に長年甘んじざるを得なかったNさんに聞く、と言われても素直に「そうして下さい。」という気にはなれない。ここ四万十町においては、決してこの人に限らない、一般行政職の正規女性職員が年功序列で職位は上がっても、かように甘やかされ、説明責任から免責され、財政面での基本的な知識(定款・項・目・節という予算の細目階層で、目、節間の流用は可能であるとか予備費の充当ができるとかの)が欠落しているので状況の変化に対応できず、思考思停止に陥り、判断を下せず、その結果図書館は暗いままである。照明がつかないほど分かり安くはないが、実は役場全体がそのような情勢である。でありながらで建前上模範であるべき役所なので、男女共同参画面では、給与面での平等だけが完璧に実現している。これが、四万十議会議員槙野章の議会事務教職員女性との不倫事件の時にも言及したが、町役場に実に仕事ぶりが怪訝な正規女性職員(若くない)が少なくない背景なのである。これでは男女共同参画社会の推進を町民向けに啓蒙するだなんておこがましいこと、とてもじゃないが言えないと思うのだが。

 西原真衣

 

 

 

 

 

 

 

 

 

風力発電と蠢く町政(65)

               請願審査の行方

7月14日に総務常任委員会が開催され、請願審査部分した。
古幹夫委員長は、企画課の中井四万十川振興室長、山本企画課課長を委員会に呼んでいた。企画課が説明のために持ち込んだ資料が以下である。


資料1:風力発電アセスに係る参考項目の見直しについて
(第22回新エネルギー発電設備事故対応・構造強化WG会議資料)


資料2:風力発電施設における騒音及び超低周波音について
秋田県再エネ海域利用法に基づく協議会提出資料、日本大学町田信夫)


資料3:石炭、火力100基 休廃止へ  非効率30年度までに(令和2年7月3日 高知新聞朝刊)


資料4:風力発電施設から発生する騒音等に対する取組について
環境省水・大気環境局大気環境課大気生活環境室  ちょうせい第99号)


資料5:風力発電施設による超低周波・騒音の健康影響
(石竹達也  久留米大学医学部環境医学講座  日本衛生学会学会誌)


上記ラインアップの第一印象はどのようなものであろうか。風力発電の主務官庁、つまり経済産業省環境省及び公害紛争の調停を所管する総務省の機関紙「ちょうせい」からの記事等全て当局筋のものであり、担当職員がネット公開資料から適宜拾って来たものということだ。共通テーマは、「風力発電から発生する騒音と低周波音」である。元をただせば、請願紹介議員である武田秀義が、中尾町長に対して公式の場で、「オリックス社の調査結果はオリックス社にとって都合のいいことしか出てこない、町独自調査が必要である。」と発言したことにある。その時「町独自調査を実施する」と請け負った手前、何らかの調査をやらざるを得なくなった中尾町長であるが、この資料の選択そのものが町独自調査の概念を裏切っているいうことに、この会議の出席者全員がどうも気が付いていない気がして、私はかなり不安になった。これらは全て風力発電推進側の作成した資料である。そうではない側が作成した資料はなく、従って対比することで得られる信用性への訴求が端から期待できないではないか、と思ったが、彼らは全くそう思わないのであろうか。思わないようであった。この懸念は、早速炸裂した。何と、資料1の結論は、低周波音の調査を参照項目から外す」であった。この結論を導いたのは、「第22回新エネルギー発電設備事故対応・構造強化WG」である。いっそのことこのような御用WG(ワーキンググループ・作業部会)はホワイトハウス並みにタスクフォースと言ってもらいたいところだ。超低周波音を参照項目からはずす理由は、


1.今までの調査結果は、超低周波音と健康被害との直接の因果関係を認めていない。


2、最も有望な再生可能エネルギーである風力発電設備の普及には、環境アセスメントのプロセスを迅速化し、併せて業者負担を軽減すべきである。


中井四万十川振興室長はここで言い添えた。「今回のオリックス社の大藤風力発電計画の環境影響評価には超低周波音は調査項目に入っています。」
参照項目から外れることへのコメントはない。外すという意向が先にあって、理論付けを請け負う御用学者が蝟集するのがWGというものである。四万十町議会議員には、こういう常識が無いから、怖いのである。やっぱり議員報酬は上げるべきではなかった。さらに中井四万十川振興室長は続けた。「風車全般(景観、騒音、低周波音を含む)への捉え方には、風車から経済的恩恵を受けている立場かそうではないかで違いがあると報告されています。」

ふんふん「経済的恩恵」ね。「経済的恩恵」を受ける側と受けない側を事前に正確に割り出した上での意識調査でもやったのか、地権者をどうやって割り出したのか。もしそれを本当にやったのだとしたら、経済的恩恵(20年間の土地の貸借良料)を受ける地権者と個別交渉に及んだ開発事業者から情報の提供を受けるしかないではないか。全くよく言うよ、とはこのことである。行政の人間は今までずっと口を揃えて、「民間のやることに介入できない」と言ってきたではないか。開発業者の個別交渉からしか出てこない情報が規制官庁に筒抜けで、そこで組み立てられ結論が、学識の装い新たにWGの承認を待つばかりとなっているのである。さて、これを読み上げられた四万十町議会総務常任委員会面々の反応はどうだったか。


古谷幹雄委員長:(四万十川振興室長配布資料説明開始時に)暫時休憩

注釈:これで説明部分は議事録に残らない。何のために委員会に呼んだのであろうか。執行部からの申し出ではなく委員長が招聘した執行部議事説明員による説明部分は、議事公開に適さないという思考回路が存在する。これは判断を相手に委ねることが習い性になっているからである。情報を依存し判断も委ねているということである。このように人々に私は「議会の調査権からの逸脱」を指摘されて辞職勧告を受けたのである。これっ冤罪ではないだろうか。

 

堀本伸一委員:今風況調査に入った所で、風況がよくなければ、撤収ということになるから。

注釈:請願採択をそれまで引き延ばせるというニュアンス。賛否を明らかにすることを避けて自然消滅を待ちたいのであろう。環境省経済産業省の外郭団体NEDOがシュミレーションによる全国風況マップなるものを公表している。この情報に基づいて立地が選択されるのが通常なので、風況が思いの他良くなく撤収という事態は、非常に低い確率でしか起こらない。この人物の特質は、審議に必要な一般的知見の手薄感である。


田辺哲夫委員:町全体にとっての総合的なメリットは感じられない。


注釈:誤っていはいないが、あくまで印象論で論拠が弱い。感想を述べるにとどまっている。論拠があろうとなかろうと、とにかく発言したいのである。この人物により議会本会議の質問時間が占有されている実態に疎ましさを感じているギャラリーは少なくない。


水間淳一:今日は葬儀が入っているので早退したい。


注釈:水間淳一議員にとって政治とは、畢竟、冠婚葬祭への顔見世を怠らず支持者の好印象を次の選挙までキープする事であるらしい。政治家はそうでなくてはと本気で思っている節がある。これがこの人物の処世訓である。が、そもそも区長と民生委員と議会議員の役割分担が曖昧模糊としている以上同情の余地はありそうである。が、この辺りの観念が頭に長年住み着いている以上「政党は組織であるが、議会は組織ではなく議決機関である。」レベルの議論は到底無理である。この弊害は、恐らくこの人物の支持者には理解されていない。

 

下元昇議員:(コロナ禍で)オリックスに来てもらえる状態ではないが、四万十町立地分が12基と聞いている。最大49基である。四万十川流入する土砂量が気になる。土砂量はまだ試算できないのか。四万十町が反対したらオリックス社が事業を中止する考えがあるかどうかを知りたい。オリックスに聞きたい。

 

中井四万十川振興室長: まだ航空調査の段階なので土砂量は計算できていないと聞いています。

山本企画課課長: 風況調査が終わらなければ、設置基数も決定できないと聞いています。


注釈:この町の行政職は、まるでオリックス社に飼いならされた伝書鳩のようなことしか言わない。実態は、民間に介入できないのではなく、オリックス社に介入されているのである。試算値は試算値である。最大49基で排出土砂量いくらと試算できるはずである。オリックス社は経済産業省の環境審査顧問会で同様の指摘を受けた時も「計画段階が未熟」と逃げていた。逃げる相手にはこちらの試算値を突き付けて、反証を求めればいいだけではないか。下元昇議長、聞きたければ、オリックス社に対して議長名で「公開書簡」でも出したらどうか。オリックスが無視できるはずもない。地方自治法上「国に意見を述べる」権限をさえ付与されている地方議会の議長権限をそれほど持て余しているのなら、いっそ権限を返上して患い事から解放され、心安らかに余生を送ったらどうか。

古谷幹雄委員:四万十市議会に視察を申し入れたが、動きが無いという事で受け入れをやんわり断られれた。地元も反対の意向はないようである。


注釈:四万十市農林水産課林地開発担当者によれば、地元は、全会一致で大賛成である。風車を起爆剤にとの期待も高まっているらしい。起爆の内訳は、集会所の屋根の修理、管理道の草刈と、20年間の土地貸借料であり、これを起爆と受け取ってくれる字もおt住民は、オリックス社に取っては、神様みたいに有難く見えるに違いない。ここで思い出すのが、「風車直下の6地区での住民説明会が、住民側の意向で非公開で開催された」という地元高知新聞の記事である。地元住民はむしろ誇らしげに、オリックスから自分の所に電話があったとか、自分を訪ねてきたとか、担当課長に言ってらしいので、オリクス社の念入りでまめな個別交渉の甲斐あって、「自分たちが得をしている(別名経済的恩恵を受ける)ことを外の人間に知られたくない。心理が作動したのであろう。オリックス社の戦略は見事大成功である。これらの成功体験が、早速都に帰ってから関係機関間で共有され、「経済的恩恵を受ける住民とそうでない住民とでは、風車に対する捉え方が異なっている」という資料となって結実したのである。我々の公務員や議会議員に比べて比較にならない勤勉さであり、フットワークの良さである。やっぱり収益力のある大企業は違う彼らの勤勉さに比べれば、町も議会もただ言われたことを鵜呑みにしながら、問題の先送りに余念がないだけである、そして「収益を上げたい」側が積み上げていく既成事実に押し切られることを装って、責任を回避したいだけなのである。何といっても中尾博憲町長本人が四万十市の地域住民よろしく、「自分がオリックスに言う。」とは、「自分がオリックスに要請する。」とかをご満悦の風情で宣うところを見れば、過疎と高齢化に喘ぐ四万十市地域住民と同様中尾博憲町長もオリックス社を自分尾町長人生に花を添えてくれる頼もしい存在だと感じているに違いないのである。まあ、ざっとこの辺が、令和2年日本の風力発電計画四国の方田舎の地元反応である。主体性だけは、どこにもない。請願紹介議員であり、町独自調査の提案者武田秀義議員は提案者として今後どのような主体性を発揮する考えなのか、全く不明である。別の紹介議員である村井真菜議員は、窪川原発を止めた功労者である嶋岡幹雄氏に中尾町長をリコールできないかと佐藤さや氏と相談を持ち掛けた挙句、大正田野コミュニテイセンターでの島岡氏の「窪川原発を止めた」講演につないだとの情報が入ってきているが、そうかと思えば、議会本会議では、過去に一般質問の冒頭で「議員になって8ケ月矢面に立つことの大変さを痛感しています。町長、副町長の御苦労が偲ばれます。」とのリップサービスもあった。「御苦労が偲ばれる人をリコールする」とは本意が全く疑わしい。佐藤さや氏とは「四万十ふるさとの自然を守る会」代表で、町長室で風力発電反対署名を提出した人物である。それにしては、「四万十ふるさとの自然を守る会」HPでは当該イベント周知がないのはなぜなのだろうか。島岡氏講演のお知らせは、なぜか村井議員のフェイスブック投稿のみである。それじゃ人は集まらない。もう一人の請願紹介議員、岩井優ノ介氏は、犬の散歩でもしているか赤旗を配達しているのであろう。いずれにしても彼らもまた、勤勉さ、つまりエネルギーの投下量でオリックス社に完敗していることは間違いない。

 やっぱり稼ぐって楽じゃないという教訓でした。「議員報酬引き上げ」裁判第2回公判は高知地裁で8月25日です。午前10時開廷の予定です。被告中尾博憲四万十町長訴訟代理人行田博文弁護士の準備書面への反論が原告山本たけし氏訴訟代理人谷脇和仁弁護氏によって行われます。

 

西原真衣

 

 

風力発電と蠢く町政(64)

         道の駅が公の施設であるいうこと

「アグリ窪川」は高知県内では有名な、四万十町道の駅である。ここは指定管理者制度によって公設民営型で運営されており、指定管理者が株式会社アグリ窪川となっている。指定管理者制度の直截な定義は、「公の施設の管理運営の民間委託」である。そしてその民間委託の目的は、「民間ノウハウの導入を通じた運営の効率化と運用の機動化効果」である。要するに行政が直営するより民間委託した方が事業の全体的な効果効能が上がる、という考え方が背景にある。俗に言うコスパが優れているというやつだ。観光物産センターである道の駅や他の観光施設も対象となっている。道の駅は各市町村にあったため合併後は3つになった。規模が最も小さな大正道の「出会いの里」は、JA高知の幡多支部の女性部が運用者で、特に何かが問題視されたこともない実に普通のうどんや兼土産物屋であり、地元民をはじめ観光客にもよく利用されているようだ。現にうどん後進県高知にしては讃岐うどん風のうどんが美味であ。中規模の十和道の駅は、町の出資が無くアグリとは異種の問題があるので次回に譲るとして、道の駅最大規模のアグリ窪川「高速道路インタ―近くに位置するアグリ窪川は、酪農と米作りが盛んな高南台地のシンボル的建造物と地元出身人形作家の友永詔三氏による彫刻が目を引く、名物四万十ポークの豚まんを初め年に4億5千万を売上げる「食材の宝庫」四万十町の東玄関である。」と書けば、賑わい創出課作のPRパンフレットに採用される可能性もあるかもしれないが、実の所ここは色々問題含みである。問題の根源は株式の出資比率にある。町が75%、個人株主5%、残りが、森林組合、農協、観光協協会、商工会、仁井戸米米組合だ。各団体からの推薦と株主総会の承認で取締役が決まる。道の駅自体が公の施設なので、設備投資は全て公費負担である。公設民営と言えば聞こえはいいが、この環境下では、どのようなことが起きるか、実にオンパレードで第三セクター特有珍事が今まで以下の如く噴出している。

珍事1、公募でやってきた意欲的な駅長が、突然解雇された。旧窪川前田哲男町長時代の事である。「経理が分かっていない。」が表向きの理由とされたらしいが、実態は、聞くところによればリクルート社出身で社員教育のプロであった経歴を持つ駅長に従業員がついていけなかったということである。では公募で彼女を選んだ側の責任は一体誰が、どのように取ったのだろうか。はてなはてなである。

 

珍事2、高瀬満伸町長が連れて来たとされる生田則夫社長時代には、残業代未払事件が発生している。平成21年度の事である。須崎の労働基準監督署から是正勧告が入り、未払いの残業代が支払われて決着したらしいが、これは全く議会にも報告されず、「済んだ事」で処理されて幕引きとなった。この事件の起きた要因への言及は耳にしない。当時取締まり役であった現職議員武田秀義にこの一件について見解を聞いたことがある。「あれはもう解決済みである。」と事も無げに答えた。株式会社が社員に提示した労働条件の遵守上どのような問題があったのかが、表向きは分からないが、想像はある程度つく。というのも当時の社長生田氏の報酬が一挙に引き上げられたという噂を聞いて、直接本人に取材を試みた。「やっとこの報酬になった」そのやっとの内訳は、月額報酬30万円プラス退職金の掛け金分月額15万円の合計45万円というものであったが、この報酬引上げが売上げ実績を反映しているのかと別途当時の農林水産課課長熊谷敏郎氏に聞けば、「分からない。」という返事が返ったきた。この事実と社員残業代未払いを関連付ければ、言及されない部分が、如実に浮かび上がっては来ないだろうか。そしてその経営状態を締まり役会株主もチェックできていないという厳然たる事実も同時に上がっては来ないだろうか。そしてそのような株式会社によって占有される設備、新加工施設に我々の税が既に6億円も投入されてしまったのである。

 

珍事3.仁井田米米組合が、株主であるのでその代表者が取締り役の一人となっている。玄関先の物産コーナーは、仁井田米米組組加盟米穀店占有米売り場である。米の販売が自由化されても町内兼業農家の米は、この売場には米を出せない。公の施設道の駅でありながら参入障壁があるのだ。因みに定款上「株式の譲渡には株主総会」の承認がいるとなっているので、兼業農家にとっては、株式の取得による経営参加の道も実質閉ざされている。この道の駅建設に拠出された補助金の名目は、確か「農家所得の向上」であったはずだが。農産物直販コーナ―に出荷している農家は利用者組合組合員であり、利用者組合は株主ではない。

 

珍事4.残業代未払いの生田社長の交代時に、衰退の一途をたどる町内商店街の商店主が突然常勤専務理事に取り立てられた。町推薦枠で中尾博憲町長の推薦があったのである。この人物は自営商店の経営も維持しながら、アグリ窪川常勤専務理事として生田社長時の報酬を引き継ぎ、月額40万円強の報酬を受領している。経営手腕に関しては、私としては、ノーコメントである。この人物は現職町議会議員で商工会会長の武田秀義と現職県議会議員で元商工会青年部長の武石利彦の窪川小学校の同級生である。無論本人も商工会会員であり、商工会コネクションが強力に作用していると見るのが自然だ。

 

珍事5 尾崎正直知事時代の経済同友会高知県の連系協定、内閣府の大企業連携、高知県の移住定住人材確保センター、高知県計画推進課、四万十町人材育成センター、四万十町農林水産課、四万十町賑わい創出課が協働して(関係機関として協賛、協力して)、JALから営業部長を三顧の礼を持って迎えた。アグリがJALに振り込んでいるというこの営業部長の給与は町民には非公開である。何でも本人は新加工施設で増産される肉まんの販売拡大に邁進してくれるのかと思いきや、「家族が東京にいる」ので3年契約で東京に帰るのだそうである(取締役会における本人発言、出所は他の取締役)。リクルートをきっぱり辞めて公募で来た駅長には、町はあれほど冷淡だったのに、JALの出向者には大変なおもてなし振りである。関係機関同士(上級官庁と下級官庁及びその外郭団体)の一糸乱れぬ緊密な連携,協力振りには毎回舌を巻いてしまう。

 

このアグリ窪川には指定管理料は町から出ていない。が、株式会社であるからという理由で、株主名簿も、人員規定(給与体系)、取締まり役会議事録も町民には開示されない。JALとアグリの契約書(JALから出向している営業部長の待遇)も開示されない。新加工施設の建設総工費は6億円である。この6億円で、建設業者、厨房機器、電気設備、設計管理とで地元経済波及効果はないわけではないが、設備投資が公金である株式会社は、それだけに経営状況を株主だけでない町民代である議会に詳細に開示すべきではないかと思う。それなくしてその公金投資の費用対効果をどうやって議会が審査できるのだろうかと考えるからである。上記の珍事の全ては、内情の不透明さから来ている。因みに今の駅長は、中尾博憲町長の甥であり、中尾博憲町長自身が、窪川町農林水産課職員時にアグリ窪川への駅長出向経験があり、残業代だけで月に30万円取得の噂が立っていた。前々回の町長選時のことである。本人は、私に対して、これを否定しなかった。「土日は釣りに行ったので、平日に残業した。」そうである。要するに、アグリ窪川とは、駅長が稼ぎ時の週末に簡単に休みを取れる職場であり、窪川町からの出向者であった中尾博憲氏には、窪川町職員並みの残業単価が付いたのである。今はJAlからの出向者に法外な給与を支払っているに違いない。だから契約書を公開できないのである。総じて、道の駅アグリ窪川は、政治家が一枚かんだ役所の無為無策に近い施策の「出口」、今の政策用語で言えば、「アウトプット(実績値)」となっているのである。決して「アウトカム(成果指標)」ではないことに注意が必要である。「アウトカム」に関しては私は過去に愚直にもアウトカムを独自試算しようと試みたことがある。アグリ窪川のような自治体の出資比率が1/2以上の第三セクターは、毎年事業報告の提出義務が課せられている。まずそもそもの道の駅設置目的が農家所得の向上を通じた地場産品の販売拡大というならば、町内産品と町外産品の売上額表示区分があってもよさそうではないか。ところが実績報告の記載では、それがないのである。ないばかりか昨今町は、旧家地川小学校の2階部分を町直営の外国人労働者簡易宿泊所に改装し、1階部分を地域コンビニの入った集落活動センターにしようとしている。その事業全体の収支計画を立てるに当たって、近隣町村の集落活動センター事例とアグリ窪川の傘下にある松葉川温泉の宿泊者数や利用状況を参照した資料を議会向けに作成した。その折に松葉川温泉の支出部分における道の駅全体の共通経費(事務費や人件費)の按分比率が社外秘であるという認識が町から示された。社外秘であれば、按分利率を操作して松葉川温泉の赤字幅を縮小することも可能である。実際松葉川温泉は赤字である。本来筆頭株主の町は、株主総会か取締役会の場でこの按分比率の妥当性を監視する対場ではないのだろうか。そしてその監視結果を議会に報告すべきではないだろうか。透明性というのは、まずはそういう事を指してはいないだろうか。そして議会とはそのような透明性を担保させるための質疑や審査を行う機関ではないのだろうか。だが、そのような気配はない。第一、資料の提供を受けた議会側が「社外秘」を一向に問題視していない。そのようにして、町と議会の双方の監視作用が働かない環境で依然アグリ窪川は運営され続けているのである。誰も責任を取らない仕組み」という点でも、アグリ窪川は正しく役所の出先機関農林水産省御用達の施策総合アンテナショップの如きものである。道の駅が公の施設であるという事が意味していることは、ほぼそのような事であり、それを長年黙認してきたのは、やはり町民代表の議会だという視点に立ち帰れば、四万十町民が全体として今の道の駅アグリ窪川に対しては、各論反対(レストランの営業時間が短いとか従業員の接客態度が悪いとかはよく聞く)でも総論賛成ということしかならないのだ。農林水産系の諸々の施策や補助事業について考察する際には、この視点が欠かせないのではないか。それにしても農家所得の向上は一体どうなったのか。

 

西原真衣

 

 

 

風力発電と蠢く町政(63)

         風力発電の行方を追う

 オリックス社の風力発発電建設計画で最も気になるのは、超低周波音(20htz以下)による近隣住民の健康被害そして、保安林解除や林道拡幅工事による土砂災害である。

経産業省風力部会環境審査顧問化の議事会議資料によれば、オリックス社がこの顧問会の要請に応じて作成した補足説明資料中、低周波音と騒音の調査地点10か所は最寄りの風車から1km圏内にある居住地である。この10箇所の各地点の写真と地図は全ページが個人情報保護のため非公開であった。この「個人情報保護」が実に曲者である。そこで、この非公開理由を巡って,まず経済産業省電気保安部、次にオリックス社に「個人情報保護」の主旨と意図を聞いてみた。

オリックス社:西原さん、考えても見て下さい。自分の住居がネットで晒されたら嫌じゃないですか。

西原:むしろ自分の住居が、低周波音と騒音の調査地点になっていることが自分で分かる方が優先度が高くないですか。それに住居の表札が分かるわけでもないし。(そもそもゼンリン地図やグーグルアースはどうなる。)

オリックス社:みんなが西原さんのような考え方じゃありませんから。

西原:でもそれ推測でしょう。この10地点に住んでいる人に確認した訳じゃないでしょう。

オリックス社:推測です。

あなたの家が調査地点になっていますと本人に伝えて、ネット上では家が晒されることはありませんからご安心下さい、とやっていれば一切文句は言わない。けれどもそれは決してやらないのである。そこにオリックス社に限らない開発事業者の本音がある。実害は、予想し調査はする(法的規制によって)が、内実を、特に想定される被害者に探知されないように最大限振舞う。

経済産業省オリックス社が公表してくれるなと言っているので、経済産業省側もそれが妥当であると判断しました。顧問の先生方は、写真と地図は見れます。

西原:でも個人情報保護の本来の目的は、「当該個人の権利権益の侵害の未然の防止って最近読んだ「個人情報保護法逐条解説」に書いてましたけど、ここでの個人情報の保護のため非公開が、どのように当該個人の権利権益の侵害を未然に防止することになるのか、具体的に説明して欲しいんですが。良く理解できないので。

経済産業省:ですからオリックス社が公表を望んでいなくて、経済産業省もそれを妥当であると判断したという事です。

結局同じことを繰り返しているだけである。「個人宅がネットに晒される」は詭弁であるこの地図は、「個人宅をネットに晒す」ために作成されていない。風車の騒音と低周波音の調査地点としてオリックス社が選定した地点の地図であり、方法書を審査した顧問会からの要請で、提出せざるを得なくなった地図である。これを確認する目的で、方法書の地図と補足説明資料の地図を並べてみる。全く精度が違う事が分かる。

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1枚目は四万十町議会令和元年3月定例会全員協議会に町執行部から風力発電計画説明資料として提供されたもの(オリックス社作成方法書より抜粋)で、2枚目が同じく令和元年11月19日に経済産業省環境審査顧問会にオリックス社作成補足説明資料として提供されたものである。

 この「個人情報保護のため非公開」という言分に潜んでいるのは、やはり、環境影響評価の対象となっている居住区の住民が自分の居住地が調査対象地点であるという事を全く知る機会がないという、知る権利への完璧な無配慮、無理解、そして極論すれば、切り捨てなのである。つまり最も環境影響を受ける側が、必要な情報から疎外されている。これを経済産業省オリックス社も全く顧みていない。再生可能エネルギーの普及が国策であること自体を否定する考えはないが、この人口稠密で山林が国土の70%を占めている国土で、山頂への風力発電建設が唯一の正解とも思えない。そこに住み続けて来た人の健康寿命を乱開発によって縮めていいとも思わない。絶滅危惧種の美しい鳥ヤイロチョウを犠牲にしていいとも思わない。実に蛮行ではないかと思うのである。まずは「情報を開示して、説明する。」この姿勢が欠如している。欠如している以上信頼感は持ちにくい。経済産業省にもオリックス社にも。これは人間としての正常な反応であると思う。けれどもオリックス社社員は、私に対して以下のように言ったのである。

「西原さん。ブログ見てますが、オリックスが公表していること以外を色々ネットで書くのは気を付けた方がいいですよ。」

オリックスが公表しているというのは、間違いで、法令に基づいて、あるいは自主的に主務官庁、経済産業省高知県四万十町、及び四万十町議会が公表しているのである。議会を傍聴し、環境省や経産産業省や高知県が公表している文献を収集し、読み込んで、地元立地予定の風発電事業計画について知り、考え、感想や意見を付してブログに書いていることの一体何に「気を付けなくてはならない」のだろうか。少なくともこのような物言いをする社員が電話で応対するのである。ただ「個人情報保護のため非公開」の意図を聞いただけのことでである。このやり取りから感知されるのは、この地の風況を資源にして風力発電事業を営もうという目論見を進捗させているオリックス社という有名企業の体質である。この前の四万十町議会で村井真菜議員が「健康被害が出たら町が補償するのか。」山本康夫企画課課長「町は補償しない。オリックス社に言ってくれ。」で、いざ、風車が稼働し始めて本当に健康被害を訴えて、オリックス社に補償を求めたらどのような対応が帰って来るか、概ね想像がつくのではないだろうか。「オリックスが公表している。」は、ある意味今の経済産業省の惨状を裏から語る言葉である。オリックス社は竹中平蔵氏を社外取締役に迎え、経済産業省如きは自家薬籠中のものとばかりの鼻息の荒さが伝わってくる。最新の新聞報道によれば、「サービスデザイン推進協議会」と電通パソナトランスコスモス社の関連性と公共事業を発注している主務官庁主務官経済産業省の癒着構造が明らかになりつつあるが、それでも、GO T0キャンペーン事業の委託先は、やはり、「サービスデザイン推進協議会」であるらしい。ここにしか合理的に期待できない相当の事業実施能力を買われているのか、否そうではないだろう。今や経済産業省が事業者に阿っている。事業者に対する監督責任よりも組織の存続や事業予算の確保と肥大化が自己目的と化しているのだろう。所詮官僚組織もそこに居るのは人間集団でしかないし、そのようなメンタリテイを阿吽の呼吸で事業者と共有しているのである。環境影響評価図書を作成しているのはオリックス社であり、だからその資料はオリックス社に帰属し(著作権の設定)そこに書かれているもの以外に判断材料などあるはずはないというオリックス社の持つ傲慢さと、竹中平蔵氏が経済産業省との係りにおいて、規制緩和を通じたイノベーションによる新たな経済成長の創出を具申する側にもその受け皿企業側にも二股かけているという事実が物語る猛々しさは、いわゆるハゲタカファンドめいた生存戦略を駆使する企業文化というコモンセンスで通底しているのだろう。情報の占有による合法的な自然資源の略奪、言い換えれば、狩猟と移動と俯瞰を持たない我々のような地域住民に対する根底的な侮りが彼らの中には存在しているのを感じる。私は何よりそれが嫌なのであり、そのような浅ましくも貪婪な企業文化に蹂躙されたくはないのである。丁度私が所属していた四万十町議会が四万十町長中尾博憲に阿って、議員報酬引き上げの要望書を手渡し、町からの補助金に阿っている特別職報酬等審議会のメンバー(森林組合組合長観光協会長、社会福祉協議会会長、商工会会長代理(商工会会長が現職議員)、区長連絡会会長)が町長に阿って、町長諮問通りに「議員報酬引き上げ妥当」と答申し、報酬を引き上げたくてうずうずしている議員達が町長に提案させた議員報酬引き上げ議案を一気呵成に可決し、その直後に反対した議員に政争の具にするなと内部で恫喝しつつ選挙に及んで、当選を果たし、引き上げた議員報酬をまんまと手に入れたその過程をつぶさに見た私には、権益と利権を巡る阿りのドミノ倒しが、今日本中に蔓延しているであろうことが容易に想像できるし、それが如何に浅ましく支離滅裂な容貌、姿をしているかもある程度察しがつく。だからこそ自分の中では、今高知地裁で係争中の「議員報酬引き上げ差し止め」裁判の証言を引き受けたとも言える。経済産業省オリックス社と竹中平蔵氏が許認可権という「権益」を媒介にした「利権」の相互配分に成功している様に、四万十町議会における議員報酬引き上げを主導した議員達も正しく己の議決権や相手方の議案提出権という「権益」を人目の届かない場で巧妙に振り分けて、議員報酬引き上げと議会対策という「利権」の取引を白昼堂々と議場で展開したのである。この浅ましさと強欲さは実に異様で醜悪であったが、これが恐らく今の日本の全般的な政治世相であると思うので、その「取引」の実体が法の主旨からどれほど逸脱しているかを司法の場で明らかにしていくことに、議会や首長に対する若干の異化作用を期待しているのである。今回敢てオリックス社や経済産業省電気保安課と私の電話でのやり取りを書いたのも、実際にやり取りすれば、彼らが拍子抜けするほど「理路」を持っていないことを伝えるためである。言葉(認識)が滅ぶ時国も亡ぶのではないか。「国破れて山河あり、城春にして草木深し」は杜甫作であるが、日本が、明治の開国以来法治国家を自認し続けて来た以上、法(二元代表制における相互抑制と均衡)を理解しない人が政治を司ることは町が滅ぶことではないか、これこそコロナ禍を超える厄災以外の何物でもないとしか、私には思えないのである。

 

西原真衣

風力発電と蠢く町政(62)

「サービスデザイン推進協議会」と何だか似たようなことがシマコンで起きている

 

 「サービスデザイン推進協議会」と何だか似たようなことがシマコンで起きている
四万十町議会6月定例会が閉会した。シマコンについて水間淳一議員より質疑が出た。

「シマコンとは何か。」である。そのようなことは事前に確認して次のステップの質疑にすべきである。水間議員は最長老の74歳であるが、議会を町の広報の場(事業についてのお知らせの場)にしても一切気とがめることもなく、毒にも薬にもならない苦言とやらを呈して質疑修了(3回までだか、2回で十分)というスタイルが常套化している。


水間淳一:シマコンとはどのような事業か、簡単に説明して欲しい。


植村有三賑わい創出課課長: お答えします。鎌倉で創業、起業のアイデア出しイベントが最初に始まりました。このイベント名が鎌コンです。これと類似の雇用の創出等の地域の喫緊の課題解決を目的にした町民参加型イベントをここ四万十町でも開催しようと言う事になり、鎌コンならぬシマコンと命名しました。


水間淳一:よく分かりました。が、敢て苦言を呈すれば、シマコンという事業名では、事業内容が非常に分かりにくい。より分かり易い事業名を今後はつけてもらいたい。


その間予算説明資料を抱えたまま、手が資料の背の部分を5往復位行ったり来たりしていたので、ついついそっちのほうに目が奪われた。要はこの人物は、事業概要を執行側に説明さすことが質疑であると思い込んでいるだけで、肝心の質疑に、視点の提示が全く無いのである。オリンピックはかって参加することに意義がある(勝ち負けではない)と言われていたが、水間淳一議員の場合も本会議で質疑に立ち、とにかく存在感を示すことに意義があるという考え方なのであろう。これがこの人物のまごうかたない議会観である。この人の74歳という年齢と合わせて、戦後75年、日本の津々浦々で議会制民主主義がどう理解されているかの非常に分かり易い一事例である。
所で、シリコンバレーとは誰もが知る名立たるアメリカのカリフォルニアにあるITベンチャー創業クラスターの事だが、まさかシリコン(半導体)のコンとは、意表を突かれました。コンファランス(会議)のコンじゃなかったのである。ところでこのシマコン第1回目を地元岩本寺で開催していた。手法はいわゆるアイデイア出し、別名ブレーンストーミングである。CATVで紹介されていたので偶々目にしたのであるが、見た所かなり賑わい、楽しそうで盛り上がっていた。みんなで集まって楽しくやれるイベントなら別にいいンじゃないか、と漫然と見ただけの事である。が、そこに居る人はどうやってそのイベントに招待され、又プレゼンターとなっているのだろう、といつもながらの疑問がぐっとこみ上げてきた。ヒントは地域おこし協力隊にあった。地域おこし協力隊の女子が鎌倉まで出張し(出張旅費は旅費宿泊費込みで通常一人7万円)鎌コンに参加、これを是非四万十町でもやりたいと提案、早速官民共同参画型のシマコン実行委員会が結成され、6月補正で事業化され、鎌コンの生みの親である「株式会社カヤック」の社員8名が四万十町御招待となった。補正予算によればこれが、講師謝金80万円の内訳である。賑わい創出課の担当者によれば、「次回シマコンのプレゼンターと一緒に町歩きをし、町のお宝を一緒に探すことで、起業、創業のシーズ(種)を発掘する。」そうである。次いで「起業、創業に繋がり雇用が創出される可能性もあり、町の一般財源も使わない、町の経済浮揚効果が期待できる有意義な取り組み」なのだそうである。有意義かどうかはさて置いて、私が非常に気になったのは、助成金200万円の内80万円が、講師謝金と予算書に計上されていたことであった。交付元は、一般財団法人地域活性化センター」である。申請者が四万十町である。地域活性化センターHPを開き、助成金事業について調べてみた。「移住定住交流推進支援事業」という枠である。地方公共団体地方公共団体が設立した協議会(実行委員会等)を対象とする助成事業と説明されている。一般社団も一般財団も財務情報の公開が義務付けられている。案の定収支予算書にざっと目を通してみれば、宝くじ関連交付金が主要な収入となっている。
高知県自治会館内に高知県町村会(任意団体)、高知県町村議会議長会(任意団体)、公益財団法人市町村振興協会という三団体が職員兼務方式で同じフロアに雑居していることを御存じだろうか。振興協会は主要な財源が宝くじである。この全国組織である一般財団法人町村振興協会から地域活性化センターに宝くじ交付金が交付されている。ざっと4億4百万円である。支払い助成金は2億4千万円である。財団法人の運営には当然役員報酬や人件費やもろもろの雑費や家賃がつきものであるので、この差額をさすがに「中抜き」とは言わないだろうが、ここで少しおかしなことに気が付いた。町村会、議長会、振興協会がまるで三位一体であるかのように職員兼務で同じフロアに事務所を構えているのと同様に、この地域活性化センターにはこの一角に「移住交流推進機構(JOIN」という一般社団法人が同居している。一般財団法人と同一事務所内に別の一般社団法人が同居している。そして、こJOINが助成金申請の審査業務に携わっている、というのである。外注かなにかよく分からない。おまけにJOINから送付された申請書類には、しっかりと「連携する民間企業」を記入する欄があり、民間企業との連携が申請要件であると記載されているというのである。「民間企業との連携が申請要件となっている助成金事業」これだけで十二分に裏がありそうではないか。ここでもう一度地域活性化センターHPに戻って、「移住定住交流推進支援事業」実施要領、留意事項、様式、チェックシーの全てに目を通してみても、そのどこにも「民間企業との連携が採択要件」とは明示されていない。この民間企業が四万十町の場合、株式会社カヤックである。ここのHPを覗いてみれば、やはり移住定住交流事業が組み込まれている。四万十町に交付される200万円の助成金中80万円がこの民間企業株式会社カヤックに支払われるということである。宝くじ交付金が回り回って、この企業の収入となる。この経路は、高知県市町村振興協会→一般財団法人町村振興協会→地域活性化センター四万十町→株式会社カヤックである。因みにこの地域活性化センター代表理事は、元総務省事務次官、椎川忍氏である。それより役員名簿を見て驚いた。地方6団体代表で完璧に塗り固められている。地方6団体とは、全国知事会全国市長会全国町村会と全国県議会議長会、全国市議会議長会全国町村議会議長会盤石の構えである。以下が役員と評議員名簿である。評議員のとりには、しっかりと電通の名前もある。

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この元事務次官椎川忍氏が、昨年度四万十町で開催された「地域おこし協力隊全国大会」に来庁したらしい。CATVが早速報道したので、元四万十町地域おこし協力隊と現協力隊がスピーチしているのを偶々家で見た。元協力隊は定住こそしてないが、四万十町の東京事務所の運営委託先株式会社「ぱど」社員として高知県四万十町の移住定住事業に係って、めでたく東京と高知県を結ぶ「関係人口」となったらしい。本人も「定住だけが協力隊の目的じゃない。地域に頼ることで定住しなくても関わり続けることができる。」と全国から来た協力隊に向けて先輩として労わりつつ激励する内容のスピーチをしていた。もう一人のいかにも絵にかいたような爽やか好青年風の現役協力隊は卒業後これもめでたく四万十町席職員に採用されている。地域おこし協力隊事業の所管は言わずと知れた総務省である。このような見事な関係者限総括大団円を横目で眺めながら、ふと思ったことがある。結局、東京にヒト、モノ、カネが吸い取られている。地方6団体がそれを後押ししている。首長と議会が奥の院で同席している。高知県市町村総合事務組合という名の事務組合(共同で事務処理をする目的で設置されている特別地方公共団体)が制定した退職金手当組合条例というものを見たことがあるだろうか。以下URLである。

https://www.c-kochi.jp/sogojimukumiai/img/jorei-kiyaku/退職手当条例(H30.4.1%EF%BD%9E).pdf

制定したのはこの事務組合に設置された議会であり、中尾博憲町長と下元昇議長が仲良くこの議会に議席を並べているのである。この退職金条例に基づいて高知県市町村職員には退職金が支払われる。現況では2200万円である。四万十町予算書の46pに、一般職退職手当組合負担金173418千円が計上されている。すぐ上に特別職退職手当組合負担金4925千円も計上されているのが見て取れる。特別職とは町長、副町長、教育長の3名である。予算書は以下である。

 

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この様に毎年町全額負担で退職金が積み立てられているのである。だから二元代表制と言っても、これが実態である。職員の退職金に係る条例を秘かに町長と議長が同席して議決しているという事である。今回自分が関わった裁判の本質もそうだが、「二元代表制」これをどう捉えるかが、問われている。いずれにしてもシマコン人一つからこれだけのものが見えては来る。この全貌をどう見るかは個々に委ねられている。これが我々が長年かけて作り上げてきた政治文化であり、税金や公営ギャンブル宝くじの分配則でもある。冒頭の水間議員の質疑に戻って、事業の概要を執行側に言わせるだけでは、相手側のプレゼンに協賛することにしかならないのだ。まさか議会議員は地域おこし協力人隊全国大会に出席している位のつもりで本会議に及んでいるのか。願わくばカヤックとプレゼンターとの町歩きも水間議員の質疑同様相手側のプレゼンに協賛する結果に終わることにだけはならないことを期待する。金を払った上で、相手に協賛しながら情報提供する(町をリサーチさせる)なんて、人が好過ぎて、殆どマヌケの域でしょうに。

西原真衣

 

西原真衣