呆れた議員達の行状

地方議会の実態から日本を見る

風力発電と蠢く町政(8)

  加計学園の裁判記録を見ながら、なぜ補助金行政にこれほどの公正さや説得力が欠けているのだろう。補助金を交付する側にも、交付される側(補助事業者)にも、物事が明らかになる事への忌避心理のようなものがある。これは、なぜだろう、この不透明さにこそ、利権の存立基盤があるからではないか、と考え続けた。知らされていないからこそ成り立っていることがあるのではないかという、自分の中の揺るがない直観に頼って、ある意味めくらめっぽう、関心の赴くままに行政分文書に目を通し、町の事務事業の問題点を探知しようとしてきた長い年月が、私には、ある。議員歴は僅か5年だが、議会や事務局や議員連中に対して、とことん嫌気が刺すには5年は十二分な年月であった。議員になる前も今も、私の行政や議会に対する関心は継続している。もともと私は、出自が「行政・議会ウオッチャー」であったし、今もそうである。議員であるときには、非常に理不尽な言論の自由の制約を受けた。質問通告からの削除、発言中止、議事録からの削除、単なる私信やビラの内容についての議会内部でもの糾弾や、それらに基づく、問責決議、辞職勧告、懲罰決議(公開の場での陳謝、出席停止)である。オンパレードと言ったところか。そのような議員体験を持つ私には、この出来事の全ての適否を、再度、公に問い直したいという強烈な思いがある。なぜなら、それらは全て、いまだに私が傍聴に行く、「議会」の名において、彼らが私に対して為した「意思決定」に係ることであるからだ。

 その様な心境下にある中で、風力発電関連で傍聴に赴いた四万十町議会9月定例会におけるもっとも奇異な出来事は、槙野章議員の本会議全欠席であった。異例な事である。体調不良か、とまずは想像した、が、かなり確かな筋から、槙野議員が異性トラブルの当事者で、双方が弁護士を立てて、係争の準備段階であるという情報を得た。その上で、議会の欠席中も、孫の保育園送迎や、飲食店への出入り等が目撃されている。つまり、万事休すの精神状態とも思えない。そもそもこれは、あくまで、「私生活上の異性トラブル」である。それで、本会議を全て欠席し、何ら咎めもないのか。私は、議員の時、「何で辞職勧告なんですか」と言うビラを近隣に配布して、その内容に、秘密会でやった政治倫理審査会の議事内容の漏洩があるという理由で、3日の出席低停止の懲罰を受けた。議場外に出て担当職員に質問してから帰宅した。最終日には議会の傍聴に行った。この議場外質問も傍聴も止められた。そして帰宅してCATVで本会議中中継を見れば、誰も議事に集中などしていないのが見て取れた。あれほど腹立たしかった事はない。因みに出席停止とは、本会議と委員会に出席して表決に参加する事である(総務省行政課)。議場外質問は、通常の政務調査であり、出席停止とは何ら関係ないし、傍聴は況やである。あの時の議長であり、今の議会運営委員会委員長である酒井吉成議員、あの時は、私の、本会議に出席して、表決に参加するという議員としての根源の権利に対する理不尽な侵害以上のものがありましたが、現下元昇議長は、槙野議員の欠席の内実を知らないはずはなく、それでも本会議全欠席を認めたという事でなのか。事務局によれば、医師の診断書が出ているとのことであるが、9月11日から20日までの本会議出席が困難な心身不調が、10月2日には登庁し、議会だよりの編集作業には出席しているのである。以上の状況証拠から、まずは心身不調などではない、自分の私生活上の不祥事から、最も人目に晒される本業をさぼって、身を隠しているだけなのだ。

 この槙野議員の相手は役場職員であり、私が議員時代の議会事務局の書記である。仕事ぶりは、常時「上の空]であり、業務内容について、把握と理解に乏しく、議会のHPでの委員会開催周知についてある時確認すれば、「忘れていました。」と、私に対して臆面もなく言い放った人物でもある。当時の事務局長宮地正人氏は、書記である彼女とその次長職のもう一人の女性を、職場で、日常的に、実に親し気に下の名前で呼んでいた。次長だった女性も私に対して、実に怪訝な言動が多かった。歓送迎会の飲食店の玄関先で、「傘探しお手伝いしましょうか。」とか、委員会用資料作成時に、僅か6部なのに、両方の手にホッチキスを持って「ホッチキス止めお手伝いしましょうか。」とか、意味不明な言動の傍ら、実務上の会話はまったく用を為さなかった。例えば、「議事録がいつ頃仕上がりそうか。」と聞いても、「今やっています。」と答えるのである。畢竟、次長と書記の二人は、自分のやるべきことが判別できていなかった可能性さえある。彼女達と実に和気あいあいであった事務局長もその類である。この宮地正人氏は、今四万十町商工会事務局長であるが、議会事務局長としての仕事ぶりを知っている私としては、彼の事務統括能力には大いに疑義があるので、当然この人事にも大いに疑義がある。現職議員武田秀義が、商工会会長として、この人事に関わった可能性は大である。前事務局長、市川俊英氏も役場退職直後に、四万十商工会事務局長に就任した。この時も高知県商工会連合会によよる採用試験や面接の実施が、武田秀義議員によって市川氏にのみ伝わっていた事実が確認済み(高知県商工会連合会人事担当)であり、今回はハローワーク求人誌に事務局長求人を掲載していたが、「民間団体か地方公共団体等の管理職経験者」と言う奇妙な要件付きであったので、四万十町シルバー人材センターと同様,公募しているように見せかけて、実は事前に内定していたのであろう。因みに事務局長の給与は月額30万円であり、商工会収入は、高知県補助金予算令和元年度4300万円(県商工労働部経営支援課)と四万十町補助金11,825,000円(四万十町令和元年当初予算)と、取るに足らない会員会費、手数料で成り立っている。シルバーと同様、補助金充当先は人件費である。四万十町分は以下で確認できる。

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 さて、現職議員、槙野章の異性トラブルの相手が、当時の議会事務局の書記と聞いて、私には何ら意外性はなかった。書記は仕事には上の空でも、異性には上の空ではなかったという事であり、槙野章は、議員報酬引き上げ時を巡る審議過程では、一切発言なしで、最終的には賛成側についたことからしても、「息を潜めて目立たぬようにし、自分に不利な状況が通りる過ぎるのを待って、最後の果実を拾って身の安泰を図る」というおそらく議員になって以来展開している、いつもの生存戦略を、今回も実践しているだけの事である。亀のように首をすぼめて、身を隠し、人の噂の減衰期間とされる70日をやり過ごす考えなのだ。実に槙野章らしいやり方である。彼は、災害復旧や陳情案件(裏山の土砂崩れ、町道認定、耐震補強等)の御用聞きとして常日頃、実にまめに住民間を回っている。同時に産業経済常任委員会委員長として、建設課課長同行で、現地視察、陳情議会提出、採択を経て、実績を積み上げるというのが、槙野章の政治手法である。実にまめではあるが、実に姑息である。姑息と言うには理由がある。自分が拾ってきた陳情案件が付託される産業経済常任委員会委員長ポストに就くことで、陳情採択を誘導できる。需要を掘り起こし、採用させ、そこに実績を積む。一切が目論見ありきであるので、大局論はない。従って議会では、発言が非常に乏しい。補助事業の周知と採択は本来は行政の仕事である。御用聞きをすることで、その情報の流れの滞りを解消する作業であるので、隙間産業である。議員の本質的な仕事ではない。が、需要があり、それに対応している点では、槙野議員の手法であるとはいえる。それにしても、今回は大失策、洒落にならない展開である。方や彼女の方は、業務遂行能力の欠如、或いは無関心を、女性であることを武器に男性の庇護を得ることで補い、職場での安泰を図るという生存戦略を役所内で長年展開してきた、と推測する。仕事ぶりの杜撰さと女子トイレでの化粧直しにかける熱心さの対比からたいていのことは推測できる。まるで、家政婦は見た的なので、これ以上は止めるが、職場男女間で、今だにこのような低スキル戦略が通用していることは、役所内では競争原理、淘汰原理が働かないがゆえに、進化が止まっているという事を意味している。この点は、人件費という最大の行政コストのあり方を考察する上では欠かせない視点である。例として、先日美容院で、「真っ赤なマニキュアにヒールの高い靴の税務課の女」と言うのが、話題になった。投書しようか、と言うので、投書を勧めてきた。行政とは接客業である。客層とその接客マナー(服装は当然含まれる)の客受けを想像できる最低限の知性が要請される。ところが議会事務局は、議員しか来ない。議員が客層である。60歳代の男性議員達にとって、彼らからすれば若い女性達である事務局女性職員が何を意味するかは、大体想像がつく。おまけに町民の目にもつきにくい。昔、読んだ本に、「民主主義の発祥の地である古代ギリシャ都市国家では、男性は、妻、愛人、女友達の三者を得て初めて一人前の市民(参政権がある)として認められる。」という行を発見して、唸った。究極の他者である異性と三様の関係性を構築できるまでの成熟が、参政権(発言し、表決に参加する)には求められるという事ではないか。当時は男性しか市民権が与えらていなかったとはいえ、女性が貶められていないのが、伺われる表現である。民主主義が機能するには、その社会の構成員の成熟が必要とされるという事でもある。私には全会一致で出席停止、槙野章には、女性スキャンダルでの欠席許可と言うのは、中々に興味深い現象である。男性は、特に日本の中年以降の男性は、男性同士が、男性の女性に対する性欲の発露に過度に寛容であり、同根であると思うが、場の少数派である女性に対する男性からの野次や排斥にも周辺男性は、過度に寛容である(私の実体験)。だからこそ、槙野章議員の欠席届は受理されたともい言える。しかし、神は細部に宿るので、このような事件が起きると彼らの哀れさも同時に露わになる、彼らの哀れさとは、妻と愛人と女友達どころか、妻から得られないものを他の女性に求める探索の途上で、早くも、身の安全上の緊急事態の勃発を招いている。ここで、恋愛関係以前の女性への下心の成熟度のレベルが否応なく露見する。民主主義が機能するには程遠いはずである。当事者男女双方に圧倒的に成熟が足りていない。これは当然である。男性の成熟を妨げているのは、他ならぬ女性自身であるからだ。勿論成熟が足りていないのは、彼らだけではない。この書記が執務してきた議会事務局で、宮地正人事務局長にある日、真顔で、私は、こう言われたのである。「西原さん、そろそろ浮くのを止めて、皆なに合わせませんか。」私が、「おかしなことを言うのは止めて下さい。ここで皆な、つまり18人の議員に合わせたら、多様な意見を代表できなくなるじゃないですか。」と反論すれば、「そんな理屈ばっかり言わんで。」と、早くもデッドロック状態となった。民主主義の基本、議論ができないのだ。この事務局長の幼児性に注目してもらいたい。彼も恐らく、妻に母親を求め、それに成功しているのだ。つまり、初期段階で女性との関係性の構築に失敗し、その失敗に退避し、退行しているのである。それがつまり、職場でも名前で女性部下を呼びたくなる所以である。ひょっとして、母なる妻は、夫に未だに稼ぐことのみ期待しているのか、若しくは単に「夫在宅症候群」なのか知らないが、公費で賄われている給与の受け取り手には、それなりの業務遂行能力が要請されるはずである。そしてどうも、男性の成熟度と業務遂行能力と民主主義の機能不全には、密接な係りがありそうだという事ではないか。実に、古代ギリシャの人間理解は、深い。議会事務局に戻る。彼らの仕事ぶりの一端を紹介した。そこで、彼らの人件費、このような仕事振りへの対価である。議会には視察旅行もある。そこには議会事務局職員の同行もある。議会事務局の職員は、町長部局からの出向という建前であり、事務局長、次長、書記は役場正規職員である。彼らの人件費及び議員視察の経費を、予算書から見てみよう。

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正規職員3人分の給与と手当は節の2と3であり、更に、共済費(社会保険雇用者負担に該当)を合計すれば、総額43,251,000円であり、この平均値は14,417,000円である。実にべらぼうなコストではないか。議員報酬16人分総額49,860,000円と比較すれば一目瞭然である。私が彼ら、議会事務局員職員の仕事ぶりと、業務遂行能力の低さに憤慨していたのも理解してもらえるだろう。さて、議員視察である。これは、2p目の9節旅費、6,919,000円である。この視察研修旅行が、職場異性関係のきっかけとなった可能性が、一般社会通念上否定できない以上は、地方公務員である書記は、職務専念義務違反、槙野章議員は、政治倫理上の疑義が指摘され得る。私は、実はかねてより、この議会事務局実態に多大な疑念があった。「果たして彼らが仕事をしているのか。」である。議事録が仕上がるには3月かかる。それもテープ起こしと荒原稿作成を外部委託した上で、である。この委託分は、2p目の13節委託料、会議録作成委託料1,538,000円に予算計上されている。職員体制は,正規職員3名、臨時職員1名の合計4名である。4人掛りで、全ての議事録は3月後にしか閲覧できない。それこそほとぼりが冷めた頃なので、情報価値が低くなっている。これでは議会を監視する好機を失う。さらに委員会報告書、委員会議事録は、今だに自由に閲覧できない。酒井吉成元議長、「議員報酬を上げてもらう要望書を町長に退出してきたので、これからは委員会活動を活発にするように。」下元昇現議長、「議会の見える化に取り組む。」はどうなった。議事録にある。

四万十町議会議員  西原真衣